2020年は過去のものとなりましたが、パンデミックは続いており、社会にもたらした、あるいは悪化させた多くの課題も残っています。来たる年を見据えると、ビジネスリーダーとして、私たちは新型コロナウイルス感染症によって生じた新たな現実に引き続き適応するとともに、これからの厳しい時期を乗り越える従業員を支援する必要があることは明らかです。
これは特に、メンタルヘルスの不調について当てはまります。パンデミック以前から存在していた問題ですが、ウイルスが引き起こした社会的孤立や日々のさらなる重圧により、多くの人にとって大幅に悪化しています。
メンタルヘルスの不調に悩む人が増えており、特にZ世代とミレニアル世代が大きな影響を受けています。実際、デロイト グローバル・ミレニアル世代調査2020によると、回答者のほぼ半数が、常に、またはほとんどの時間、ストレスや不安を感じています。パンデミックはこの傾向をさらに悪化させました。世界保健機関によると、最も一般的なメンタルヘルス上の問題であるうつ病と不安症は、それぞれ毎年、世界経済に1兆ドルの損失をもたらしています。

こうした深刻な状況にもかかわらず、多くの職場でメンタルヘルスは優先事項の下位にとどまっています。その結果、従業員のエンゲージメントや顧客満足度、企業の生産性が低下するなど、従業員と企業に広範な悪影響が及ぶ可能性があります。
メンタルヘルスを優先事項と認識している企業でさえ、職場のメンタルヘルス対策に最も効果的な方法について、入手しやすい情報が不足しています。
メンタルヘルスもまた、世界的な健康危機です。世界全体で前進するには、職場のメンタルヘルスを、世界中のすべてのビジネスリーダーが優先事項としなければなりません。
私たちは、今こそ、緊急かつ一丸となった行動を起こすときだと考えています。
そこで私たちは協力し、職場のメンタルヘルス向上に向けたグローバル・ビジネス・コラボレーション(GBC)を立ち上げました。この取り組みを通じて、 職場のメンタルヘルスに関する前向きな変化を世界規模で提唱し、加速させることを使命とする企業のグローバル・コミュニティを築いています。
私たちは、企業とその従業員、専門家(実体験を持つ人々を含む)、メンタルヘルス関連団体、そして世界経済フォーラムを含む非営利組織が真に協働する取り組みです。すべての人にとってメンタルヘルスが健全な未来を築くため、共に次の活動を進めています。
世界のビジネスリーダーを結び、世界各地の職場におけるメンタルヘルスの不調や偏見に取り組むための協働プラットフォームを構築する。
職場におけるメンタルヘルスの重要性への認識を高め、良好なメンタルヘルスが組織にもたらす利点への理解を促す。
大企業にも中小企業にも適した知識やツールを共有し、ベストプラクティスの導入を促進する。
本日、私たちは、単一の国で事業を展開する企業から複数の国にまたがる企業まで、規模を問わず、あらゆる企業の先見性あるリーダーに、リーダーシップ誓約書に署名し、必要な変化を推進するために私たちと共に取り組むよう呼びかけます。
このグローバル・ビジネス・コラボレーションが目指すのは、すべての職場リーダーが従業員のメンタルヘルスの重要性を認識し、適切なツールを利用して、従業員が能力を発揮できるよう具体的な行動を取る世界をつくることです。
職場におけるメンタルヘルスへの偏見に取り組むことは、地域社会の偏見を減らすことにもつながり、従業員とその家族や友人の暮らしをより良くします。
未来は健全な心にかかっています。今日から私たちに加わり、職場のメンタルヘルスに関して世界が必要とする変化を主導しましょう。
署名者一覧(2021年1月21日現在):
プニット・レンジェン、デロイト グローバル CEO
アラン・ジョープ、ユニリーバ CEO
ノエル・クイン、HSBCグループ最高経営責任者
マイク・ヘンリー、BHP CEO
マシュー・レイトン、クリフォード・チャンス マネージング・パートナー
マーク・ベニオフ、セールスフォース 会長兼CEO、共同創業者

