この記事は、世界経済フォーラムの地政学プラットフォーム
世界の制度の中心性が弱まり、国民国家が権力を再び主張するなか、現在のグローバル・ガバナンス体制は流動化している。
同時に、グローバル・ガバナンスの中間層、すなわち世界の制度と国民国家の間にある地域統合の枠組みも大きく変化している。メガリージョンの形成や、数の急増による「無秩序化」(二国間FTAと相まって「スパゲティ・ボウル」状の同盟と呼ばれることもある)に加え、南南軸に沿った地域統合プロジェクトが、先進国の高度に発達した統合体制に対する「代替的な経済統合」の焦点となりつつある。
地域主義のこの中間層は、将来の世界経済における経済的・政治的矛盾や、変化するグローバル・ガバナンス体制全体の不安定さを左右する、より重要な要因となる可能性がある。
地域統合
したがって、地域機関と統合の枠組みの間の調整を通じて、グローバル・ガバナンスの枠組みにより大きな安定をもたらす仕組みを整える必要がある。
この点で、地域開発機関間の協力においては、連結性とより広範な開発目標を推進するため、地域開発銀行による多国間コンソーシアムを設ける意義があるだろう。
協力プラットフォームを設ければ、中国の開発機関に加え、ユーラシア大陸各地の他の開発銀行や基金を結集できる。
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一帯一路構想の場合、こうした協力プラットフォームには、中国の開発機関に加え、ユーラシア大陸各地の他の開発銀行や基金を結集できる。これを「シルクロード開発コンソーシアム」と呼ぶこともできるだろう。同コンソーシアムは、西の欧州投資銀行から東の中国国家開発銀行、中国・ASEAN投資協力基金に至るまで、シルクロード沿線にある既存のユーラシア機関間の協力が生む相乗効果を活用することを目指す。
期待される利点には、ユーラシア各地のプロジェクトへの共同融資、インフラ開発の専門知識の共有、共通のプロジェクト候補群を対象とする長期戦略を策定する能力の向上、そしてユーラシア地域における互いの取り組みを損なったり重複させたりするのではなく、補完し合う可能性の拡大が含まれる。
一帯一路モデル
さらに一歩進めれば、一帯一路構想(BRI)のようなユーラシアの連結性プロジェクトを、アフリカや南米など他の大陸でも展開できる。そこでは、インフラ開発や地域の連結性の不足が成長を阻んでいる。
アフリカでは、大陸規模の開発機関コンソーシアムに、南部アフリカ開発銀行やアフリカ開発銀行など、各地域の開発銀行を含めることができる。
同様の大陸規模のプラットフォームを南米にも設け、米州開発銀行(IADB)、メルコスール構造的収斂基金(Fondo para la Convergencia Estructural del MERCOSUR)、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)、その他の開発機関を参加させることができる。
さらに広く考えれば、北と南の双方における最大規模の地域統合の枠組みの間に、世界的な調整メカニズムを設ける意義もあるだろう。こうした枠組みは、各地域の開発機関間の調整に基づいて独立して運営することも、G20やWTOなどの世界的なネットワークや組織を通じて調整することもできる。
G20は、こうしたプラットフォームや地域統合の枠組み間の調整に関するより広範な課題について議論を始める場として最適だろう。最大規模の先進国と新興国を一堂に集めており、これらの国々はそれぞれの地域や大陸を代表する主要国であるとともに、地域経済ブロックの形成を主導することも多いためだ。
この枠組みに含まれる主要な地域統合の枠組みとしては、NAFTAとEUに加え、MERCOSUR、EAEU、RCEP(中国とASEAN諸国を含む形で発足した場合)が挙げられる。
要するに、現在のグローバル・ガバナンス体制に欠けているのは、地域の枠組み間のより緊密な調整である。地域経済協力の空白を埋める「シンジケート型地域主義」(Regionalism Inc.)の体制が求められている。
調整プロセスは、各開発銀行やその他の機関の協力を深めることで制度化できる。地域分野で調整を強化するロードマップには、ユーラシアの上海協力機構(SCO)やBRIに加え、アフリカやラテンアメリカにおける同様の地域・大陸規模の連携体も含まれる。
さらに、BRICS+という形でグローバル・ガバナンスに大陸横断的な要素を加え、最大規模の地域統合グループを結集する南北協力メカニズムを含めることもできる。
地域ブロックを通じてグローバル・ガバナンスの構造を再構築すれば、世界経済という建造物の「支柱」を強化できる可能性がある。これまでは調整や規制の大半が国民国家レベル、あるいは世界的な制度のレベルに集中し、地域の枠組み間の調整にはほとんど注意が払われてこなかった。
地域ブロック間の統合と協力に基づくグローバル化プロセスには、過去数十年の中心・周辺パラダイムと比べ、より持続可能で包摂的になり得るという利点がある。
何より、「シンジケート型地域主義」は、世界経済の脆弱性が国境を越え、地域的な広がりを見せるなかで、コミュニケーション、経済協力、危機解決のための経路を増やす可能性をもたらす(そのためIMFは、地域経済の脆弱性評価により重点を置いている)。
地域主義への協調的なアプローチにより、世界経済は国ごとの経済協力の障壁を一部乗り越え、地域の「規模の経済」を活用して経済協力を進めると同時に、競合する統合プロジェクト間の対立リスクを緩和できる可能性がある。近年、こうしたプロジェクトはメガリージョンの形成(メガリージョン化競争)へと向かう傾向を強めており、それに伴い恩恵もリスクもさらに大きくなっている。
新たなグローバル・ガバナンス――より持続可能な枠組みに向けて、ヤロスラフ・リソボリク、マーク・ウザン、ヴァルダイ・ディスカッション・クラブ




