移民は欧州でも米国でも、何十年、いや何世紀にもわたって常に注目を集める話題だった。そして今、再び政治課題の中心となっている。この議論の背景には、移民が「私たちの」仕事を奪っているのではないかという根強い不安があり、しばしば民族的偏見もにじむ。過去60年の大半は、人口増加を上回る雇用の伸びがこうした緊張を和らげてきた。しかし、従来の雇用創出の原動力は今、失速しつつある。同時に、散発的なテロ行為がすべての移民に悪い印象を与えるために利用されている。実際には、テロ攻撃の大半は、攻撃が起きたその国で生まれ育った市民によって実行されているにもかかわらずだ。
現在、国際移民に分類される人は2億4,400万人に上り、世界人口の3%を超える。この傾向は明らかだ。移民は今後も続き、その数は増える可能性が高い。だからこそ、うまく機能させる方法を見つけなければならない。それが可能なのは分かっている。主に移民によって築かれた米国や、移民コミュニティに深く根差した文化的多様性を持つブラジル、シンガポールを見ればよい。道筋を誤らないことが大切なのは、そうする道義的責任があるからだけではない。移民の人々が新たな故国の経済を良い方向に形づくり、貢献することが実績から示されているからだ。また、移民の統合に失敗した国は、経済と社会に影響を受けることも分かっている。
新たな語り口に向けて
最近、ある非営利団体の理事会に出席した。そこで、理事仲間で元米国務長官のコンドリーザ・ライス氏が同化について語った。氏はこう述べた。「もし異星人が米国に降り立ったら、きっと戸惑うでしょう。アメリカ人とは誰なのか。見た目は同じではない。話し方さえ違うことも多い。それでも、彼らを結びつける何かがあるのは明らかです……共に都市を築き、互いに結婚し、互いのために戦うのです」。
米国の移民の歴史は、よい事例となる。米国には異なる移民の波が幾度も押し寄せ、そのたびに同化には時間がかかった。少なくとも二世代は必要だった。ほぼすべての移民の波で、人々の文化や社会への貢献が認められるまで、移民は否定的な偏見にさらされた。現在、米国の住民の10%は国外で生まれている。彼らは違いを生み出しているだろうか。
過去20年間にベンチャーキャピタルの資金を受けた新興企業の4分の1は、移民が立ち上げた。eBay、Google、Yahooもその例だ。
シリコンバレーで近年生まれたイノベーションの40%は、移民に由来する。
実際、フォーチュン500社の半数弱は、移民またはその子どもが創業した(スティーブ・ジョブズの父親はシリア出身だ!)。
それでも今日、多くの国が苦境にある。欧州の大半では、移民コミュニティが社会から離れて暮らしている。同化はめったに円滑に進まず、望ましい速度より遅い。理由がある。移民は自力で何とかするしかない状況に置かれてきたのだ。
移民は多くの壁に直面し、ほぼ常に最初に立ちはだかる最も高い壁が言語だ。私はオーストリア系米国人の三世だ。曾祖母はシカゴで40年間暮らした。近所の人々は皆、彼女の母語であるドイツ語を話していたため、彼女は結局、英語を話せるようにならなかった。しかし、障壁は言語にとどまらない。移民は、新しい国の仕組みを理解するのに苦労することが多い。社会で明文化されている規則も、してよいことやいけないことに関する暗黙の慣習やパターンも、その対象だ。
同化ではなく、社会参加が大切
では、移民が新たな故国で同化への道を歩みやすくするには、どうすればよいのか。タッパーウェア・ブランズでは、世界各地で300万人を超える女性が働く、多様性に富んだ組織を運営している。幅広い文化をうまく受け入れているが、各市場で新たな移民コミュニティの人々と働く難しさにも直面している。状況をより深く理解するため、ドイツ事業を詳しく調べた。ドイツには1,200万人を超える移民がおり、世界でも最大級の移民人口を抱えているからだ。
「タッパーウェア・ドイツにおける移民の経験に関する調査」と題された包括的な評価は、ワシントンD.C.を拠点とする非営利団体、グローバル・フェアネス・イニシアチブ(GFI)がまとめた。GFIは、営業チームのメンバーに聞き取りを行った。対象にはドイツ生まれの人々と、特にトルコおよびロシアにルーツを持つ第一世代・第二世代の移民が含まれた。
当初、私たちも対応を誤った。何年もの間、地元の人々にも移民にも、誰に対しても同じ支援を提供していた。しかし、「自分で何とかして」というやり方が適切でないのは明らかで、失敗率の高さにつながった。ドイツ事業のリーダーたちは、移民が円滑に受け入れられ、研修を受けられるよう、採用から定着までの全過程を見直す必要があると気づいた。そこで社内プロセスを改め、学びを重視するとともに、女性たちがすでに持っているスキルや資質を生かすようにした。私たちのアプローチは、「当たるも八卦、当たらぬも八卦の同化」から、円滑な社会参加へと変わった。
障壁を取り払い、橋を架ける
私たちは、移民が労働力に加わる際に直面する潜在的な障壁を取り除き、実質的な機会均等を実現した。柔軟に活用できるツールを提供し、道を切り開いて橋を架けた。言語や正式な学歴要件といった障壁を取り除くことで、雇用機会が生まれ、差別も減った。移民の女性が同僚と対等に働き、学歴、背景、経済状況にかかわらず、実績に基づいて成功できるよう支援する方針に転換した。
言い換えれば、同化を強いるのではなく、社会参加を可能にしている。そのために、4つの要素からなる「社会参加ツールキット」を活用した。
言語:母語で働けるようにする……つまり、資料をすべて翻訳する!しばらくの間、顧客となるのは自分たちに最も近い人々なのだから。
スキル:学校で教わる難しい認知スキルの話はもう十分だ。粘り強さ。立ち直る力。信頼性。忍耐力。思いやり。自律心。こうした「ソフトスキル」は、実際には不可欠なスキルだ。正式な教育のどの段階でも教わらないが、多くの人が生まれながらに備えている。
コーチング:移民には導き手が必要だ。その役目を担うのに、本人たちの言語を話し、文化を理解する人以上に適任なのは誰だろう。
ひな型:失敗や初期のつまずきを最小限に抑えるため、段階を追った手順を示す。良い経験を生み、さらに高め、自信を築くための手すりを設ける。
この4つの基本ツールは、移民が経済や社会に参加し、やがて統合されるのを助ける。さまざまな業界に応用でき、不動産、保険から教育まで幅広く活用できる。こうしたツールは、母国出身の女性にも移民の女性にも専門スキルの形成を促し、急速に変化する雇用市場で競争する力となる。雇用市場では、より狭い範囲の専門的技能より、幅広く応用できる不可欠なスキルがますます重視されている。
孤立から社会参加へ
新しい国に来た移民はたいてい、友人、親戚、近所の人など、案内役を務める人との「人間関係のつながり」に頼る。しかし、そうした相手は自分と似た人であることが多く、真の社会参加にはあまりつながらない。便利ではあるが、民族ごとのゲットーを生み、同化の過程を長引かせる。

では、地域社会が使える「社会参加ツールキット」とはどのようなものだろうか。1928年、テネシー州メンフィスにウェルカム・ワゴンという会社が設立された。その目的は、地域に新しく移り住んだ人々を歓迎することだった。ホステスが新住民を訪問し、地元企業が提供した商品サンプルの詰め合わせやサービスの割引券を手渡した。学校や地域、イベントに関する情報も添えた。特に重要なのは、健康サービスや地方自治体の窓口の利用方法も歓迎パックで案内したことだ。この仕組みは50年以上にわたって発展した。
この考えをもう一度検討すべきだと思う。行政当局はあまりにも頻繁に、移民を皆で投資すべき機会ではなく、管理すべき問題と見なしている。ウェルカム・ワゴンのひな型を基にした官民連携を想像してみてほしい。それは橋を架ける出発点になり得る。孤立させるのではなく、社会参加のためのツールを提供するのだ。大切なのは、移民が自らの民族コミュニティ内のつながりを保ちながら、新しい故国とのつながりも築けるよう支援することが成功の鍵だという点である。
強制的な同化はうまくいかない。ビジネスにとっても、社会にとってもだ。移民が問題ではなく機会をもたらすよう、社会参加の基盤を整備し、活用する必要がある。


