テクノロジー企業の集積度から科学・工学系卒業生の数まで、幅広い指標を対象としたランキングによると、世界で最もイノベーションが進んでいる国は韓国とスウェーデンです。
イノベーション先進国のランキングでは、2017年に企業が最も多くの特許を出願した経済として、韓国の位置づけが際立っています。
世界銀行、IMF、OECDなどのデータに基づいてこのランキングを作成するブルームバーグは、韓国が首位に立った理由としてサムスンを挙げています。
このエレクトロニクス大手は韓国で最も企業価値の高い企業であり、2000年以降、IBMを除くどの企業よりも多くの米国特許を取得しています。こうしたイノベーションはサプライチェーン全体、そして韓国経済全体に波及しています。

2位のスウェーデンは、急速に欧州のテック系スタートアップの中心地としての評判を高めています。
この北欧の国は欧州最大のテクノロジー企業の本拠地であり、首都ストックホルムはシリコンバレーに次ぐ位置にあります。人口当たりで生み出す「ユニコーン企業」、すなわち企業価値が10億ドルを超えるテクノロジー企業の数を比べた場合のことです。
教育が米国の足かせに
米国は2018年のブルームバーグ・イノベーション・インデックスでトップ10から外れました。同指数が作成されてきた6年間で初めてのことです。
ブルームバーグは、米国が前年の9位から11位に順位を下げた主な理由として、高等教育の評価が8つ順位を落としたことを挙げています。この評価には、労働力に占める新たな科学・工学系卒業生の割合も含まれます。米国は現在、「高等教育の効率性」で対象50か国中43位です。シンガポールとイランが1位、2位を占めています。
米国の順位は、ここ数か月における同国の高等教育の国際的評価にとって、さらなる後退を意味します。9月には、世界トップ2の大学はいずれも米国の大学ではないと発表されました。その栄誉を得たのは、英国のオックスフォード大学とケンブリッジ大学でした。
イノベーション指数で米国の教育が低迷したことに加え、ブルームバーグによると、付加価値製造業でも米国は順位を落としました。米国は現在23位で、アイルランドと韓国が1位、2位です。
こうした後退にもかかわらず、ブルームバーグ・イノベーション・インデックスでは、テクノロジー企業の集積度で米国が依然1位です。特許活動では韓国に次いで2位となっています。
こうした順位の違いは、ブルームバーグのイノベーション先進国リストと、世界経済フォーラム独自のイノベーションが最も進んだ経済圏10か国のリストとの食い違いを説明するものかもしれません。

『世界競争力報告書2017-2018』の一環として作成されたこのランキングでは、米国はスイスに次いで世界で2番目にイノベーションが進んでいる国とされています。
このランキングに米国が含まれ、韓国が含まれていないことが、両ランキングの最も顕著な違いです。
この2か国を除けば、両リストのトップ10に入る国の大半は共通しています。
テック大国イスラエル
両方のイノベーションランキングで上位に登場する国の一つがイスラエルです。
『世界競争力報告書』のイノベーションランキングで3位のイスラエルは、ブルームバーグによる総合的なイノベーション評価では世界10位です。一方、同指数では、研究開発の集約度と研究者の集積度という2つの分野でイスラエルを1位としています。
イスラエルの研究開発力は、同国から生まれた数々の主要な技術革新に表れています。例を3つ挙げると、USBフラッシュドライブ、インテル初のPC用プロセッサー、Googleのサジェスト機能があります。
米国のニュージャージー州より面積が小さく、人口も少ないにもかかわらず、イスラエルは世界のテクノロジー分野で、その規模を大きく上回る存在感を示しています。
イスラエルには約4,000社のスタートアップがあり、人口当たりのベンチャーキャピタル調達額は米国の2.5倍、欧州の30倍に上ります。
イノベーションの世界的リーダーになるには、投入したものに応じた成果が得られるということかもしれません。OECDの統計によると、イスラエルは経済規模に占める研究開発支出の割合がどの国よりも高く、GDPの4.3%です。2位の韓国は4.2%です。
スイスはGDPの3.4%を研究開発に支出し、3位です。スウェーデンは3.3%、米国はわずか2.8%です。


