対話の価値を過小評価してはならない

Conversation counts: Minouche Shafik, head of the LSE, discusses basic income at DavosImage: REUTERS/Alkis Konstantinidis
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多様なステークホルダーの協働なしに、世界の亀裂を修復することはできない。協力と対立、進歩と痛ましい後退を分けるものは、多くの場合、対話である。平和な世界を築くには、他者の目を通して世界を見る必要がある。とりわけ、意見の異なる人々の目を通して。

これは人類の歴史を通じて変わらないことだが、2018年にはとりわけ重要な意味を持つ。国境のないインターネットが人々を近づける一方、ナショナリズムの高まりが人々をさらに遠ざける時代に、私たちは生きている。望む未来について、冷静で建設的な、時には居心地の悪い対話をしなければ、不寛容と孤立主義の勢力が何世紀にもわたる進歩を覆しかねない。

危機の深刻さはかつてないほど高まっている。最新の「グローバルリスク報告書」に回答した専門家の圧倒的多数は、2018年に大国間の壊滅的な紛争のリスクが高まると見ている。各国内では、不平等と社会的流動性の停滞が、制度が一握りのエリートを優遇するようにできているという正当な怒りをあおっている。「国際通貨基金によると、過去30年間に所得格差が拡大した国は53%に上り、この傾向は先進国でとりわけ顕著である。

ギリシャのストア派哲学者エピクテトスはかつて、「私たちには耳が二つ、口が一つある。話す倍だけ聞くためだ」と語った。対話とは、心を開いて異なる視点に耳を傾けることだ。2018年、私たちは不満の声や警告の兆しに耳を傾け、共通の解決策に取り組む必要がある。私たちが直面する複雑なリスクには、連携した対応でしか対抗できない。

多様なステークホルダーとの対話は、世界経済フォーラムの理念の礎であり、進歩に向けた唯一の出発点であり続けている。国連などの組織が担う重要な活動に加え、私たちは世界の舞台に場を設け、企業のリーダーが労働運動家と肩を並べ、世界の指導者たちが話し、そして耳を傾けられるようにしてきた。1987年、ダボス会議はギリシャとトルコの戦争を防ぐうえで重要な役割を果たした。トルコのトゥルグト・オザル首相(当時)がギリシャのアンドレアス・パパンドレウ首相(当時)と会談し、信頼関係を築いたことが、軍事衝突の回避につながった。

今年のダボス会議では、フォーラムに集うイスラエルとパレスチナの企業リーダーたちが、二国家解決への取り組みを新たにし、パレスチナ経済の強化を支援することを誓った。欧州2カ国の首脳、ギリシャのアレクシス・チプラス首相と、旧ユーゴスラビア共和国マケドニアのゾラン・ザエフ首相は、首相級として7年ぶりの会談を行い、長引く紛争の解決に向けた交渉を加速させた。また、朝鮮半島、ベネズエラ、サハラ以南のアフリカ、ソマリアで続く多国間の取り組みを後押しするため、外交対話を開催した。

今日、国家間の緊張という古くからの課題が、デジタル世界の新たな変化と交錯している。第4次産業革命は、豊かな機会をもたらす一方で、ビジネスモデルを分断し、戦争を恐ろしい新領域へと押し広げる、技術変革の大波である。

自動運転車は、歩行者よりも乗員の命を優先すべきだろうか。プライバシーは終わったのだろうか。人間の遺伝子に特許を取得できるのか。AIが戦場での判断を下すべきだろうか。社会の各領域が互いに話し合うことのあまりない現状では、思慮深く開かれた対話なしに、こうした問いに答えることはできない。大手テクノロジー企業、新興企業、政策立案者、国際機関、規制当局、学術界、市民社会が一堂に会し、イノベーションを妨げずにリスクを抑える政策を策定する必要がある。

フォーラムの第4次産業革命センターは、まさにそれを実現するため、サンフランシスコを拠点に2016年に設立された。ステークホルダーは、人工知能と機械学習、モノのインターネット、デジタル貿易と国境を越えるデータ流通、ドローンの民生利用、ブロックチェーン技術などの分野で、政策やガバナンスの対応策を策定するために会合を重ねてきた。

世界には、より多くの対話と協力が必要だ。かつてのほうが単純だったとされる世界を懐かしく思うこともあるだろう。しかし、自分たちの文化、国、産業、組織の内側に閉じこもることは答えではなく、問題の一部である。私たち全員の未来のために、互いに語り合わなければならない。

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