世界的な住宅危機の原因は何か、どうすれば解決できるのか?

Global housing crisis: An aerial view of a neighbourhood
An estimated 3 billion people will need access to adequate housing by 2030.Image: Unsplash/Maximillian Conacher
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  • 世界銀行によると、2025年までに住宅危機の影響を受ける人は16億人に達する可能性があります。

  • 土地、融資、労働力、建材の不足は、住宅危機を深刻化させている要因の一部です。

  • 国連ハビタットによると、2030年までに適切な住まいを必要とする推定30億人を住まわせるには、世界で毎日9万6,000戸の手頃な価格の住宅を新たに建設する必要があります。

  • 米国、インド、スコットランド、アフリカなどの国や地域では、手頃な価格の住宅を増やす取り組みが進められています。

住まいは人間の基本的なニーズです。しかし、購入・賃貸しやすい価格の住宅が不足し、世界的な住宅危機が深刻化しています。

世界銀行によると、2025年までに16億人が世界的な住宅不足の影響を受けると見込まれています。

国際通貨基金(IMF)のデータによると、ほとんどの国で、住宅費の伸びは所得の伸びを上回っています。

世界の200都市を対象とした調査では、90%の都市で住居費が手頃な水準にないことが分かりました。平均的な住宅の価格は平均所得の3倍を超えています。

米国だけで住宅が150万戸不足しています。金融調査会社ムーディーズ・アナリティクスの調査によると、同国で売買または賃貸に出されている住宅は過去30年間で最も少なくなっています。この調査のタイトルは、国家が直面する深刻な住宅供給不足の克服です。

ほとんどの国で、住宅費の伸びは所得の伸びを上回っています。Image: IMF

住宅危機の原因は何か?

ムーディーズの調査によると、2008年の金融危機以降、土地、融資、労働力、建材が不足していることが、米国の住宅不足の主な原因です。

これによりコストが上昇し、建設業者の利益率は低下しました。住宅をさらに建設する動機が弱まり、「特に利益率の低い低価格帯の住宅」の建設は敬遠されていると、ムーディーズ・アナリティクスは述べています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって住宅危機が悪化したと考えられています。ロックダウン中に、購入者や賃借人がより広い住まいを求めたためです。また、多くの国で歴史的な低金利となり、借入費用が安くなったことも、この動きを加速させました。

米国の多くの州で住宅が不足しています。Image: ムーディーズ・アナリティクス

世界的な住宅危機はどのような影響を及ぼしているのか?

金融サービス会社JPモルガンの調査によると、世界の住宅価格は過去40年間で最も速いペースで上昇しています。需要が供給を上回っているためです。

賃料も急騰しています。例えば欧州では、今年の最初の3か月間に、あらゆるタイプの住宅の賃料が14.5%上昇したことが、HousingAnywhere都市別国際賃料指数で分かりました。

世界で最も住宅費が高く、上昇が速い市場のいくつかがあるアジアでは、賃借人は所得の半分以上を住宅費に充てています。50か国以上の3ベッドルーム住宅の平均費用を比較した賃料指数によると、そうした状況が明らかになっています。

米国では約1,100万人が、所得の半分以上を家賃に充てています。

住宅費の上昇は人々にどのような影響を与えているのか?

住宅費が上がると、食料品や請求書の支払い、交通費、家族の世話など、ほかの必需品に使えるお金が減ります。そのため、暮らしは一層苦しくなります。

手頃な価格の住宅が不足すると、ホームレス問題も深刻化します。推定で世界では1億人が住まいを持っていません。国連の人間居住・持続可能な都市開発計画である国連ハビタットによると、そのうち4分の1は、健康、安全、繁栄を損なう環境で暮らしています。

住宅費が上がると、物価やサービス価格を指すインフレ率も上昇し、経済成長を鈍らせます。ホワイトハウスは、新たな住宅政策方針の声明でこう述べています。

手頃な価格の住宅が不足すると、低所得の労働者は職場から遠く離れた場所に住まざるを得ず、「通勤時間と費用が増え、生産性も低下する」と、ムーディーズ・アナリティクスは調査で指摘しています。

各国政府は住宅危機にどう取り組んでいるのか?

国連ハビタットによると、2030年までに適切な住まいを必要とする推定30億人を住まわせるには、世界で毎日9万6,000戸の手頃な価格の住宅を新たに建設する必要があります。

同機関によると、助言を通じて43か国の住宅政策の改善を支援してきました。

例えば、同機関のプログラムの一つは、各国の都市計画を支援しています。カメルーン、エジプト、ヨルダンなど、移民や難民が大勢流入している国も支援を受けています。

英国のシンクタンク、センター・フォー・シティーズによると、日本は大都市でも手頃な価格の住宅の供給に大きな成果を上げています。需要に応じた開発を促す簡素な都市計画法や、有利な固定資産税がその取り組みの一部です。

米国政府は、5年以内に国内の住宅供給不足を解消すると表明しています。その計画には、住宅密度を制限する州・地方の土地利用法や規制を緩和するための優遇措置が含まれます。住宅建設への新たな資金調達方法の導入も計画されています。

スコットランド政府は、2040年までに住宅供給を増やす計画です。手頃な価格の住宅を建設するためのさまざまな資金調達の仕組みなどを含む政策を通じて実現を目指します。

インドでは、低コストの廃材を使ったプレハブパネルを用いる新たな建築システムが政府に承認され、住宅建設費を削減すると期待されています。

そのほかの取り組みには、3Dプリント住宅の開発があります。アフリカ、メキシコ、インド、欧州などで進められています。3Dプリント技術を使えば、従来の建築工法よりもはるかに速く、低コストで高品質な住宅を建設できます。

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