IMFの世界住宅価格指数に含まれる国の大多数で、パンデミック期間中に住宅価格の上昇が見られた。
低金利と高い需要は、住宅価格が上昇した理由のほんの一部にすぎない。
住宅価格のこの上昇により、欧州の多くの層にとって住宅は手の届かないものとなっている。
昨年は経済指標の多くが悪化したものの、住宅価格はパンデミックの影響をほぼ受けなかった。IMFの「世界住宅価格指数」に含まれる60以上の国のうち、2020年に住宅価格が上昇したのは4分の3に上り、この傾向は比較的新しいデータがある国でも概ね続いている。
IMFの研究によると、低金利は住宅価格のブームの一因となったほか、政府による政策支援や、在宅勤務の必要性が高まった労働者の需要も影響した。米国を含む多くの国では、住宅のオンライン検索が過去最高水準に達した。これらの需要要因に加え、サプライチェーンの混乱により住宅建設に用いられる複数の資材のコストが上昇したことも、住宅価格の上昇につながった。
パンデミック中の住宅市場の堅調さは、需要と供給の基本的な要因で大部分が説明できるものの、政策当局はこの分野の動向を引き続き注意深く見守っている。所得に対する住宅価格の上昇は、人口の多くの層にとって住宅の取得を困難にしており、これはIMFが最近発表した住宅の手頃さに関する欧州の研究でも指摘されている。パンデミック後の勤務形態は、テレワークが可能な職種の高所得者がより広い住宅を求めることで、格差への懸念を一層深めかねない。また、住宅価格の急騰は一部の国で総合インフレ率にも影響を及ぼしており、より持続的なインフレ圧力につながる可能性もある。
10年以上前、住宅価格の反転が世界金融危機の始まりを示した。しかし、その危機以前に多くの国で見られた家計信用と住宅価格の二重のブームや、過去の多くの住宅市場の暴落は、今日ではそれほど顕著ではないようだ。したがって、もっともらしいシナリオとしては、金利の上昇、経済の回復に伴う政策支援の縮小、そして建築資材の適時供給の回復により、住宅価格がある程度正常化する可能性がある。



