エコノミストがグローバリゼーションの長所と短所を解説

Birds fly over the toppled shipping containers after Typhoon Meranti made landfall, in Kaohsiung, Taiwan September 15, 2016. REUTERS/Tyrone Siu - S1BEUBKKIAAA
Piling up: Global trade has increased, but has it been a positive or negative force?Image: REUTERS/Tyrone Siu
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産業革命が起こるたびに、グローバリゼーションの波が生まれてきました。第一の波は蒸気機関や産業用織機といったイノベーションが、第二の波は組立ライン、自動車、飛行機が、そして第三の波はデジタル革命が推進力となりました。

産業革命とその技術。Image: Wikipedia

デジタル革命を原動力とする第四の波のグローバリゼーションが到来するなか、それが有益な力なのか否かについて議論が再燃しています。経済成長を後押しし、アイデアの広がりを通じて人々の生活を向上させるのか、それとも地域社会を崩壊させ、エリート層と世界のその他の人々との格差を広げるのか、という論点です。

グローバリゼーションは貿易の拡大と物価の低下をもたらします。国内の製品、資本、労働市場において、また異なる貿易・投資戦略を採用する国同士の間で、競争を激化させます。

では、これらの影響は最終的にどのように相殺されるのでしょうか。グローバリゼーションの長所と短所とは何でしょうか。以下は、国際通貨基金(IMF)のチーフ・エコノミストであるGita Gopinath氏との対話を編集した記録です。Gita Gopinath氏、国際通貨基金(IMF)チーフ・エコノミスト。

全体として、グローバリゼーションの利点は何でしょうか。

グローバリゼーションの利点は、実のところ技術革新の利点によく似ています。両者は非常に似た効果をもたらします。すなわち、各国の生産量を増やし、生産性を高め、雇用を創出し、賃金を引き上げ、世界経済における製品価格を引き下げるのです。

日々の生活において、人々が実感しうるグローバリゼーションの利点にはどのようなものがあるでしょうか。

例えば国際貿易について、十分に認識されていないと思われることがあります。それは、国際貿易によって人々が消費する財の価格が下がるということです。洗濯機、自動車、さらには衣料品など、日常的に購入するものを考えてみてください。国際貿易のおかげで、これらの財の価格は下落しており、世界中の多くの人々にとって、はるかに手の届きやすいものになっています。

過去30年間、その恩恵は先進国と貧しい国とでどのように現れてきたのでしょうか。

先進国も開発途上国も、全体として生産性の向上、雇用の創出、賃金の上昇という面で恩恵を受けてきました。これまでも常に分かっていたことですが、技術についても同様に言えるように、勝者と敗者は常に存在します。貿易統合が進むと、その影響で不利益を被る地域社会や労働者が出てきます。現在、国際貿易に対する不満が高まっているのは、まさにそのためです。

最も大きな敗者となったのは誰でしょうか。

国際貿易による最大の敗者は、常に、別の市場でより安価な競争相手が存在する技能を持つ人々です。例えば米国の場合、製造業に従事する人々がそれにあたります。製造業の仕事は、労働力がはるかに安価な国々へと外部委託されてきたからです。

一方、開発途上国では、資本集約型の財がより安く海外から輸入されています。そのため、開発途上国で資本集約型の財を製造している場合、その競争によって不利益を被る傾向があります。

国際貿易とはこのようなものです。生産は、最も効率的に生産できる場所へと移っていきます。したがって、どの国の人々であれ、このような競争にさらされると、勝つ人もいれば負ける人もいるのです。

エコノミストとして、この問いに結論を出すことは可能でしょうか。今回のグローバル化された貿易の波は、全体としてプラスだったのでしょうか、それともマイナスだったのでしょうか。

ある国の所得、購買力、人々が支払う価格に対する全体的な影響という観点から見るならば、現在入手できる証拠はすべて、全体としてプラスであることを示していると考えます。

では、国際貿易は米国の製造業労働者にとって良いものだったのか、という観点で問いを立てるならば、答えは「完全にはそうではない」となります。雇用や賃金の面で、彼らにとっては非常に大きな犠牲を伴うものでした。

この次のグローバリゼーションの波がより良い未来をもたらすことについて、どの程度楽観的でしょうか。

いくつか申し上げたい点があります。第一に、これまでのグローバリゼーションの波は、非常に多くの人々を貧困から脱却させることに大きく成功してきました。この点は評価すべきです。

第二に、いかなる形態のグローバリゼーションも勝者と敗者を生み出すということです。たとえ完璧で最適な国際貿易協定があったとしても、新しい技術が開発されるたびに人々が取り残されるのと全く同じように、競争の結果として不利益を被る人々は常に存在するのです。

したがって、次のグローバリゼーションの波をさらに成功させたいのであれば、取り残されている人々を支援する、適切で健全な国内政策によってそれを補完する必要があります。

米国と中国の貿易戦争が速やかに解決されることについて、どの程度楽観的でしょうか。

この貿易戦争は解決されることが絶対に不可欠であり、しかも長期的に持続する形で解決されなければなりません。世界経済は、貿易摩擦に伴う不確実性と既にしばらく共存してきました。仮に何らかの解決策が示されたとしても、その解決が一時的なものにすぎず、将来また何かをきっかけに摩擦が再燃しうるという認識があるならば、それは非常に大きな代償を伴うと考えます。

私は慎重ながらも楽観的だと言えます。世界の指導者たちは、これらの貿易摩擦が自国の経済に悪影響を及ぼしていることを認識しており、そのため、着席して解決に向けて話し合うことが理にかなっていると考えるからです。

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