貿易摩擦、格差、地政学的不確実性に圧迫され、世界経済は重荷を負っている。
資本主義とグローバリゼーションへの反発が広がるなか、世界経済は「転換点」を迎えている。
生産性と成長のためには、より環境に配慮し、より公平な経済への移行が必要だ。
2020年が始まり、世界経済は岐路に立っている。格差の拡大、貿易摩擦、技術革新による混乱、気候変動、地政学的不確実性は、新たな10年の幕開けに、すでに脆弱な経済成長をさらに圧迫するおそれがある。
世界経済フォーラムの『グローバルリスク報告書2020』が明らかにするように、世界経済は「停滞のリスクが高まっている……その一方で、世界各地の市民が政治・経済状況に抗議し、不平等を助長する制度への懸念を表明している」。
国際通貨基金(IMF)は10月、世界経済の成長見通しを引き下げ、2019年と2020年の見通しについて、「貿易摩擦と地政学的緊張の高まりにより、世界貿易体制の将来や、より広い意味での国際協力をめぐる不確実性が増し、企業の景況感や投資判断、世界貿易に悪影響を及ぼしている」と指摘した。

世界経済フォーラムの最新の『グローバル競争力報告書』によれば、世界経済は「転換点」を迎えている。同報告書は「資本主義、グローバリゼーション、テクノロジー、エリート層への反発」を指摘する。同時に、貿易摩擦と地政学的緊張が世界の投資を停滞させ、供給ショックを増大させていると述べている。そこには「世界のサプライチェーンの混乱、突然の価格急騰、重要資源の供給中断」が含まれる。
しかし、状況は決して暗いばかりではない。経済の枠組みにこうした深刻な課題がある一方で、新年には希望を持てる理由もある。政策立案者と企業リーダーが、迅速かつ力強く連携して行動すればよい。
クラウス・シュワブ氏とサーディア・ザヒディ氏は最近のブログ記事で、「より環境に配慮し、より平等な経済への移行は、生産性を回復するために可能なだけでなく、不可欠である……そして第四次産業革命のテクノロジーは、この構想を実現する手段を私たちに与えてくれる」と述べた。
これは、世界経済フォーラムの『チーフエコノミスト見通し』(2020年版)の要点の一つでもある。同調査は、新たな10年が「脆弱な成長見通し、経済的成果の明白な二極化をめぐる社会的緊張、そして高水準の不確実性とともに幕を開ける」一方、「異なる、より良い形の経済成長につながる可能性のある、機動的な政策対応と企業改革の兆しが見られる」と結論づけている。しかし、報告書は「この勢いを強める必要がある」と論じている。

こうした問題をはじめ、さまざまな課題が詳しく議論されるのが、世界経済フォーラム年次総会だ。1月21日から24日まで、ダボスで開催される。
注目すべき主要セッションを3つ紹介する:
IMF世界経済見通しアップデート、1月20日(月)13:00~14:00
世界の成長アジェンダを形作る、1月23日(木)10:30~11:15
世界経済見通し、1月24日(金)10:30~11:30
世界経済の課題について議論する主な参加者を紹介する。
クリスティーヌ・ラガルド、欧州中央銀行総裁
マーク・カーニー、イングランド銀行総裁
スティーブン・ムニューシン、米国財務長官
ウィルバー・ロス、米国商務長官
エイミー・ウェブ、ニューヨーク大学スターン経営大学院教授
ジリアン・テット、フィナンシャル・タイムズ編集主幹兼編集委員会議長
アンドリュー・ロス・ソーキン、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト兼編集者
ジョセフ・スティグリッツ、コロンビア大学経済学者
マリアナ・マッツカート、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン経済学者
サティア・ナデラ、マイクロソフトCEO




