職場は急速に変革しており、従業員には適応するためのスキルと支援が必要です。
新たな調査では、46の国と地域で働く約54,000人の労働者に、変化へどのように対応しているかを尋ねました。
調査結果からは、スキルギャップが拡大していることが明らかになり、それが企業、労働者、社会にとって大きなリスクを生んでいることがわかります。
あらゆる業界の従業員にとって、もはやそれは単なる普段どおりの仕事ではありません。企業が人工知能(AI)から気候危機に至るまで数多くの変化に対応する中で、職場環境のあらゆる側面が再定義されつつあります。
PwCの「2023年 希望と懸念に関する調査」では、46の国と地域で働く約54,000人の労働者を対象に、これらの変化のニーズにどのように対応しているかを尋ねました。従業員からは、自らも変わっていく必要があるとの声が寄せられており、58%の労働者が、今後5年間で必要なスキルが大きく変わると回答しています。
多くの人が、新しいスキルを習得し、継続的に学び、学びほぐし、学び直すという道を歩む必要があると述べています。また、スキルアップを図り、新しい働き方を取り入れる必要があるとも述べています。そうしなければ、取り残されてしまう大きなリスクがあります。
従業員はスキルの変化についてどう考えているのでしょうか。
労働者は、今後訪れる変化について悲観的であるよりも前向きに捉える傾向があり、AIがもたらす結果を否定的に捉える人よりも肯定的に捉える人の方が多くなっています。大半の人は、デジタル、協働、リーダーシップのスキルを習得する上で、雇用主が支援してくれると確信しています。
しかし、当社の調査では、専門的なスキルを持つ人とそうでない人の間にギャップが拡大している兆候も見られました。専門的なスキルを必要としない仕事に就く労働者のうち、今後5年間で自身のスキルのニーズが変化すると予想するのは15%にとどまります。一方、専門性の高い仕事に就く同等の労働者では51%です。
専門性の低い仕事のグループは、適応力、批判的思考、協働といったソフトスキル(または人間的なスキル)が、今後5年間の自身のキャリアにおいて重要になると考える傾向も低くなっています。これは雇用主の見解とは異なります。世界経済フォーラムの最近の調査では、雇用主は、複雑な問題解決スキルの重要性が高まっていること、また、レジリエンス、柔軟性、機敏性の重要性が高まっていることを指摘しています。
この拡大する格差は、専門的なスキルを持たない労働者が、持つ労働者よりも変化への適応に苦労し、その結果まますます取り残されていくことで、より大きな不平等につながるおそれがあります。

企業はどのようにスキルファースト型のアプローチを取ることができるでしょうか。
今回の調査結果は、事業責任者に対し、専門的なスキルを持つ労働者であれ、持たない労働者であれ、すべての従業員が今後訪れる変化に備えられるよう、一歩踏み出して支援するよう求める重要な呼びかけです。それは正しいことだからというだけでなく、そうしなければ、労働力に深刻な欠落が生じることになるからです。各業界の企業は、今後数年間にわたり、大幅な労働力およびスキル不足に直面する見通しであり、CEOは、従業員を引き留め、育成したいのであれば、職場を刷新しなければなりません。
大胆な時代には大胆な施策が必要であり、事業責任者は、専門的なスキルを持つ労働者とそうでない労働者の双方を含む労働力の才能を引き出し、支援する革新的な方法を深く検討する必要があります。こうした課題への取り組み方は企業によって異なりますが、業界や分野を問わず有効な施策もあります。調査によると、労働者の3分の1強(35%)は、履歴書や職歴からは見えないスキルを持っており、企業が既存の人材を見落としている可能性があることが示されています。
世界経済フォーラムは、PwCと協力し、人を資格や職歴ではなく能力に基づいて評価するスキルファースト型のアプローチを導入することで、企業による新規人材の採用方法の見直しを呼びかけています。世界経済フォーラムがPwCと協力して発表した最近の研究では、スキルファースト型の労働市場を創出することで、世界中で1億人以上の人々がより良い仕事に就けるようになる可能性があることがわかりました。
もう一つの重要な施策は、企業内で従業員の成長と能力開発を促す仕組みを導入または改善することです。調査では、高給の労働者の4分の3超が職場でフィードバックを求め、それを業績向上に活用していることがわかりました。一方、低賃金の労働者でそうしている人は61%にとどまります。このことから、多くの企業は、専門的なスキルの有無にかかわらず、すべての労働者に価値あるフィードバックを提供する方法を検討できることが示唆されます。
優れたリーダーは、人的資本の通貨は仕事や役割ではなく、スキルであることを理解しています。先見性のある企業は、キャリアパスをスキルを軸に再設計するだけでなく、今後必要となる移行期を通じて従業員を支援し、関与させ、励ましていくことの重要性も理解する必要があります。今後数年間は、労働者と企業の双方にとって困難な時期となるでしょう。変化する状況に最も効果的に適応しようとする中で、互いに協力し、支え合い、成長していくことができれば できるほど、それは自社の展望だけでなく、社会全体にとっても良いことになるでしょう。





