共通の原則を定め、技術革新を推進することで、持続可能で包摂的な経済を実現できます。
脆弱な立場にある人々や地域社会が、命と暮らしを守るには協調行動が必要です。
Mastercardは、より包摂的な世界を築くため、企業目的の「なぜ」と戦略の「何を」を結びつけることに注力しています。
36歳のケン・スレイモムさんは、東南アジア最大の淡水湖トンレサップ湖にある水上集落の一つで、おばと暮らしています。何世紀にもわたり、何千ものカンボジアの家族がここで暮らし、働いてきました。カンボジアは、平年で50万トンの魚をもたらし、国民の食事に含まれるタンパク質の3分の2以上を供給する彼らの仕事に依存しています。森林減少、気候変動、上流の水力発電ダム、乱獲が重なり、ここ数年でこの地域の魚類の生息数は大幅に減少し、地域と住民の生計が脅かされています。
ケンさんは、トンレサップ湖の再植林イニシアチブの一員です。この取り組みは、地域住民を植樹や持続可能な調達に参加させ、トンレサップ湖畔の森林を再生することを目指しています。Conservation Internationalが主導し、1,260エーカーにわたって20万本を超える木々を回復させるとともに、重要な20億ドル規模の漁業を持続可能な形で支えることを目指しています。
このイニシアチブは、炭素排出の抑制と自然景観の回復を通じて気候変動に対処する、世界的に急務となっている取り組みに貢献します。気候変動の影響を受けやすいカンボジアでは、その必要性がとりわけ高まっています。このようなプロジェクトは、トンレサップ湖がカンボジアの人々の命綱であり続けるために役立ちます。
協働を通じた包摂的経済の再生と成長
Conservation Internationalは、MastercardのPriceless Planet Coalitionの景観再生戦略を導く二つの環境非営利団体の一つです。同連合は、気候変動と世界的な森林減少に取り組む100を超える組織からなるコンソーシアムです。世界各地のリスクにさらされた地域で、2025年までに1億本の木を回復させることを目標に掲げ、今週初め、トンレサップ湖が6大陸で始動する15の新規プロジェクトの一つになると発表しました。
ケンさんの物語は、人々と地球との本質的なつながりを浮き彫りにし、どちらか一方だけでは繁栄できないという考えを裏付けています。また、意図的に行動すれば、トンレサップ湖などで深刻化する気候の圧力に対処し、地域社会と経済を支えられる可能性も示しています。しかし、残された時間は切迫しています。
気候、健康、安全保障、食料、経済の危機が重なる状況では、繁栄の促進は理想論に聞こえるかもしれません。しかし、誰もが繁栄の機会を得られる持続可能で包摂的な経済の基盤を築くことは、かつてないほど必要であり、同時に困難でもあります。
共通の原則と包摂的な経済
最新の報告書を公表した気候変動に関する政府間パネルは、気候危機への対応が急務であると警鐘を鳴らしました。また今後数週間のうちに、世界銀行のFindex報告書の結果が公表され、金融包摂の拡大に向けた進捗が明らかになるとともに、さらなる取り組みが必要な分野も示されます。しかし、これらを互いに切り離された別個の取り組みと捉えてはなりません。
グローバルで持続可能かつ包摂的な経済の実現は容易ではありません。それには、公共、民間、市民社会の各部門による協調行動、取り組みへのコミットメント、協働が必要です。
そのためMastercardは、株主に長期的な成長をもたらし、ステークホルダーとの信頼を築き、より公正で豊かな世界に貢献できるよう、企業目的の「なぜ」と事業戦略の根幹にある「何を」を結びつけることに注力しています。
社会により大きなインパクトをもたらすには、各部門の経験と専門知識を生かすことが欠かせません。そのためには、Edison Allianceを通じて実現したような協働と、包摂的な経済を支える共通の原則の策定が必要です。これらの原則は、金融包摂に向けた共同の取り組みを促し、すべての参加者が誰もが利用できる金融システムの共同創造者として結集することを目指します。
現代の課題に応えるデジタルソリューション
また、必要な資源を、それを必要とする人々へ迅速に届けるための、より良い手段を築くことも必要です。パンデミックで農業のサプライチェーンが文字どおり停止した際、私たちはインドのアーンドラ・プラデーシュ州政府と協力し、デジタル技術で農家をつなぎ、買い手に直接販売できるよう支援しました。その結果、損失が減っただけでなく、農村世帯の収入も50%以上増加しました。
どの世代も、その時代に前例のない課題に直面していると考えてきました。私たちの世代も例外ではありません。実際、目の前にある課題のように複雑かつ緊急性の高いものがいくつも重なる状況は、想像しがたいほどです。幸い、民間部門では、こうした問題への取り組みに関わろうとする意欲がかつてないほど高まっています。公共、民間、社会の各部門に携わる私たち全員に求められているのは、それぞれが持つ資産と視点を持ち寄り、共通善に向けて協力する新たな革新的な方法を見つけることです。





