国連の4つの機関が、政策立案者が数百万人の命を救えるよう、保健と環境に関する前例のない指針集をまとめました。
この指針集は、安全な水や廃棄物管理から放射線対策や生態系の保護に至るまで、あらゆる分野にわたる500の対策と提言をまとめたものです。
環境による健康リスクの規模と、最も影響を受けている人々の状況は以下のとおりです。
汚染や化学物質から安全な水の不足に至るまでの環境リスク要因が、世界中の死亡の約4分の1を引き起こしていると、世界保健機関(WHO)は指摘しています。
環境リスク要因に起因する死亡の3分の2は、心臓病、脳卒中、がんなどの非感染性疾患によるものです。
有害な大気を吸い込むことだけで、年間700万人が死亡しています。WHOのテドロス事務局長はこれを「静かな公衆衛生上の緊急事態」と呼んでいます。
数百万人の命を救うため、国連の4つの機関は前例のない保健と環境に関する指針集をまとめました。400の文書を統合し、政策立案者と実務者のための、500の対策と提言を収めた「生きた」リポジトリとしています。
米国のジョー・バイデン大統領が、気候変動は「存亡の脅威」であると厳しく警告したことと時を同じくして、これらの対策はかつてないほど重要になり得ると、WHOの専門家は述べています。
「北米での観測史上最高の気温、欧州や中国での大規模な洪水、そして壊滅的な山火事の季節などの出来事は、環境リスク要因の健康への影響を排除するために各国がより一層の行動を起こす必要があることを、ますます頻繁に、そして痛ましい形で私たちに思い起こさせています」と、WHO環境・気候変動・健康局のマリア・ネイラ局長は述べています。
「この指針集に盛り込まれた対策の実施は、COVID-19パンデミックからの健全でグリーンな回復の一環であるべきであり、それを超えても、持続可能な開発目標の達成に不可欠です。国連は、各国のこの取り組みを支援するため、保健と環境に関する専門知識を結集しています。」
指針集とは何か、そしてなぜ必要なのか?
この指針集は、WHO、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画、国連児童基金(UNICEF)による指針を一か所にまとめたもので、定期的に更新することができます。
500の対策は、清浄な空気、安定した気候、適切な水、衛生と手洗い、化学物質の安全な使用、放射線からの防護、廃棄物管理、健康で安全な職場、健康的な都市と建築環境、持続可能な食生活、そして生物多様性と生態系の保全を対象としています。
クリーンエネルギーへの移行に向けて、世界経済フォーラムは何をしているのか?
国連機関によれば、より健康的な環境をつくるための行動は、多くの感染性疾患および非感染性疾患、ならびに傷害を減らすことができます。
例えば、世界各地で環境が改善されれば、以下を防ぐことができる可能性があります。
虚血性心疾患による死亡の29%
脳卒中の28%
がんの21%
呼吸器感染症の55%
下痢性疾患の61%
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の53%
道路交通傷害の40%
意図しない中毒の76%。
例えば2016年には、有害な化学物質への危険な曝露により、世界で160万人が死亡しました。
最もリスクの高い子どもたち
「幼い子どもは環境リスクの影響を特に受けやすく、それは子どもの生存と生涯にわたる健康や幸福に影響を及ぼしかねません」と、UNICEFの保健プログラム局長であるアブバカル・カンポ氏は述べています。
「健康な環境は、健康な子どもの前提条件です。私たちの評価によれば、環境の改善は命に関わる様々な疾患を予防でき、また特に、5歳未満の子どもの死亡の最大4分の1を防げることが示されています。
「さらに、健康な環境は予防的な医療として機能し、家庭の不必要な医療費の削減にも役立つため、家計は社会経済の発展に投資できるようになります。」
低所得国および中所得国は、環境条件に関連する疾病や傷害の影響を最も受けています。そのため、この指針集が健康の公平性の達成にも役立つことが期待されています。





