観光は旅だけでなく、平和にもつながる

Now is the time for all countries to prioritize tourism and back the sector through post-COVID recovery and beyond.
Now is the time for all countries to prioritize tourism and back the sector through post-COVID recovery and beyond.Image: Unsplash/Kyle Glenn
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  • 世界が着実に再び開かれるなか、観光の再開は世界中の人々に希望をもたらしている。

  • この部門の回復は、観光が人々と地球に及ぼす影響を見直し、より包摂的で持続可能かつ強靱な未来を築くまたとない機会となる。

  • 世界経済フォーラムの最新の旅行・観光開発指数は、課題の大きさとともに、観光が秘める膨大な未開拓の可能性、とりわけ開発途上国における可能性を明らかにしている。

観光がこれほど重要性を増したことはない。社会と経済の双方にとってのその重要性も、今ほど明白になったことはない。パンデミックは、渡航制限の導入と旅行需要の大幅な落ち込みを招き、この部門をほぼ全面的な停止状態に追い込んだ。その結果、数百万人の雇用が危機にさらされ、何百万もの企業が存続の危機に陥り、文化遺産と自然遺産の保全に不可欠な資金も急減した。

世界が再び着実に開かれるなか、観光の再開は世界中の人々に希望をもたらしている。さらに、観光の復活は、この部門を特徴づける価値、すなわち平和、連帯、国際協力を改めて示す機会となる。この部門の回復はまた、観光が人々と地球に及ぼす影響を見直し、より包摂的で持続可能かつ強靱な未来を築くまたとない機会でもある。

世界経済フォーラムの最新の旅行・観光開発指数は、課題の大きさとともに、観光が秘める膨大な未開拓の可能性、とりわけ開発途上国における可能性を明らかにしている。また、持続可能性と強靱性が観光の成長を支える重要な柱であること、そして人々、地球、繁栄が一体となる体系的なアプローチに基づいてこそ、観光開発は成功することも示している。

デジタル化の一層の進展、自然を生かした体験への関心の高まり、デジタルノマドの出現など、需要の変化は多くの課題をもたらす一方、新たな企業や起業家、そして地域社会全体に大きな機会をもたらす。

従来とは異なる嗜好を持つ旅行者に応える観光地が、すでに生まれている。しかし、こうした機会を実現するには、この部門への経済的・実務的な支援が必要だ。今こそ、すべての国が観光を優先し、COVID後の回復期からその先に至るまで、この部門を支援するときである。観光の新たなガバナンス体制を築くのも今だ。そこには政府と民間部門の双方が関わる。政府は観光を開発政策の中心に据える必要があり、民間部門は、より緊密な調整や連携に加え、新たな革新的資金調達を通じて貢献できる。

UNWTOが2022年3月に収集した国際観光データ。Image: 世界観光機関

持続可能な観光

世界観光機関(UNWTO)は、責任ある、持続可能で、あらゆる人が利用できる観光の促進を担う国連機関である。世界の多くの地域が再び開かれ始めるなか、UNWTOは、観光産業を持続可能で包摂的かつ強靱な形で拡大できるよう、観光地を支援するプロジェクトへの投資を促進している。また、観光分野の排出量ネットゼロを実現するという野心的な目標も掲げている。

この点で、革新的な資金調達を可能にすることは、不可欠なインフラの整備や開発途上国の社会経済的な強靱性の強化など、あらゆるレベルで観光を変革するうえで鍵となる。

また、投資は、世界各地の観光地が消費者の変化する需要に対応し、持続可能な開発目標の達成を目指しながら適応していくためにも不可欠となる。もちろん、各国や地域社会が観光をより持続可能なものへと変えていく取り組みに参加し、この部門が気候変動対策上の責務を果たせるよう、必要な経済的支援をもたらす役割も担う。

グラスゴーで開催されたCOP26の決議を受け、UNWTOは「国連ネットゼロ観光ファシリティ・エコシステム」の創設を目指している。このエコシステムは、次の柱を基盤とする。

  • 国連のパートナーによる独自の連合体「UN TOURISM」が、世界および各国レベルで変革を主導する。

  • 必要なグリーン投資を支援する国際金融機関と株式ファンド。

  • 観光分野の排出量ネットゼロの実現に向け、変革と投資の双方を支援する国際機関、開発パートナー、そして民間部門全体。

2021~2024年の観光シナリオImage: 世界観光機関

観光への投資の重要性

観光への投資は、大きな利益をもたらす。とりわけ観光地と受け入れ地域社会にとってそうである。その実現は、かなりの程度、安定と平和に左右される。戦争や不確実性、旅行や世界のガバナンス、制度への信頼の欠如は、観光の復活を妨げ、この部門が持つ独自の可能性の発揮を阻むだけだ。

こうした理由から、UNWTOはすべての政府と国際パートナーに対し、平和の柱としての観光の役割を認識し、この部門の回復と、より広範な回復の始動を可能にする適切な条件を整えるよう呼びかけている。

この重要な局面で観光を支援することは、社会で最も脆弱な立場にある人々の命綱となり、雇用と教育を通じてその力を引き出す。現在、この部門の約80%は中小企業で構成され、その多くは個人経営または家族経営の事業である。これは部門の脆弱性を示す一方、草の根から変革と発展を推進する独自の力も示している。観光の再開と回復は、ひいては世界全体の包摂的な回復を促し、将来の危機に対する強靱性を築く助けとなる。

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