世界の食料システムにおける地政学的リスクを低減する3つの方法

food system
Countries are called to invest in renewable energy, recycle their surplus of nutrients, and close the regional yield gap to depressurize the food system.Image: Unsplash/Polina Rytova
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  • 続く戦争は世界的な食料危機を悪化させています。ロシアとウクライナはいずれも、農業と食料生産における主要な担い手だからです。

  • 貿易の流れを維持し、ロシアへの依存を減らすことは、戦争が世界の食料システムに及ぼす影響を相殺するうえで不可欠です。

  • 食料システムへの圧力を和らげるため、各国には再生可能エネルギーへの投資、余剰栄養素のリサイクル、地域間の収量格差の解消が求められています。

ロシアによるウクライナ侵攻は、明らかにしました。食料システムにおける相互依存関係と、それに伴うリスクを。

ロシアとウクライナはいずれも農業と食料生産における世界的な大国であり、欧州での戦争は世界的な食料危機を悪化させています。そのため、短期的には、不可欠な農産物や投入財の貿易の流れを維持するため、あらゆる努力を尽くすべきです。また、個別の保護主義的政策によって食料価格がさらに高騰し、最も脆弱な人々に打撃を与えて一層の不安定化を招く事態を防ぐとともに、食料システムへの圧力を和らげるため、各国に食料備蓄の放出を呼びかけるべきです。

世界の食料システムにおける地政学的リスクの低減

しかし、長期的にはロシアへの依存を減らさなければならないことは明らかです。そのための具体的な方法を3つ紹介します(同時に、より環境に配慮した、脱炭素化の進んだ食料システムにもつながります)。

1)再生可能エネルギーに投資する

世界人口の約半数は、鉱物肥料のおかげで食料を得ています。そして現在、その生産には天然ガスが使われています。ロシアが欧州へのガス供給の約40%を占めていることを踏まえると、ロシアへの依存を減らすには、再生可能エネルギーへの大規模な投資が必要です。この転換はまた、グリーンアンモニアの生産を可能にし、海運向けの化石燃料を使わない燃料や肥料の供給に活用できます。これは、再生型農業への移行における大きな一歩です。

ウクライナでの戦争が世界的な食糧不足を引き起こす可能性
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2)栄養素のリサイクルに向けた取り組みを強化する

ロシアは、カリなどの肥料や栄養素を輸出する世界有数の国です。しかし、食料システムには利用されず余剰となっている栄養素が大量にあり、たとえば流出によって環境に悪影響を及ぼしていることは、よく知られています。リサイクルした栄養素を原料とする有機・鉱物質肥料の生産方法を見いだせば、再生型農業と自然にプラスの影響をもたらす解決策に向けて、さらに大きな一歩を踏み出せます。同時に、ロシアへの依存も減らせます。

3)発展途上国の生産性を高める

世界の農業生産性には地域間で大きな差があり、しばしば収量格差と呼ばれています。収穫量は、天候、種子や肥料などの投入財の最適な活用、農法など、多くの要因によって決まります。適切な意思決定ツールを使い、知識や質の高い投入財を利用できれば、小規模農家は収量を大幅に増やすことができます。たとえば、多くのアフリカ諸国で欧州諸国と同じ水準の農業生産性を達成できれば、レジリエンスを強化し、より多くの人々の生計を支え、ついには主要な食料輸入国から純輸出国へと転じることも可能になります。

ちなみに、これを実現するために多くの科学的ブレークスルーは必要ありません。技術や知識の大半はすでにそろっており、あとは導入するだけです。ただし、そのためには迅速かつ緊急に行動しなければなりません。

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