気候危機への取り組みは、消費者の保護とエンパワーメントから始まる

Consumer protection and empowerment will help build trust in sustainable purchasing choices. Pictured: A pile of shopping court boxes have protection from an umbrella:
Consumer protection and empowerment will help build trust in sustainable purchasing choices.Image: Shutterstock
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  • 持続可能な購買選択を促すには、消費者の賛同、保護、エンパワーメントが不可欠です。

  • 消費者保護とエンパワーメントをめぐる全体像は現状厳しいものですが、改善できる明確な分野があります。

  • 消費者擁護団体は、政府、企業などが優先課題に取り組むよう導くことができます。

考えてみてください。政治的リーダーシップは、率いる人々の同意がなければ成り立ちません。同様に、企業は顧客に奉仕するために存在し、その逆ではありません。こうした関係において、消費者の正当なニーズを満たすことが、消費者の賛同を得て、現代の最重要課題に取り組む鍵となります。

最重要課題の筆頭に挙げられるのが気候危機です。化石燃料への依存や過剰な温室効果ガスの排出を削減し、なくすうえで政治的決定は欠かせないかもしれませんが、最も大きな影響をもたらすのは消費者の行動です。

最近発表されたIPCC第6次評価報告書は、消費行動の変化が脱炭素化目標の達成に果たす大きな役割を認め、需要側の介入によって将来の排出削減の40~70%を実現できる可能性を示しています。同時に、消費者は変化を望んでいます。GlobeScanの調査によると、あらゆる市場で平均70%の人々が気候危機を懸念し、政治や企業のリーダーシップによる解決を望んでいます。消費者に受け入れられなければ、循環型ビジネスモデルは普及しません。

率直に言えば、消費者はこのところ、さまざまな混乱の大きな打撃をすでに受けてきました。世界は、パンデミックによる不安定な経済的影響から、食料や燃料など生活必需品の値上がりにつながったウクライナでの戦争へと、大きく揺れ動いています。

人々が苦境に陥るなか、ネットゼロ達成への取り組みをやり玉に挙げるなど、単純に見える答えが安易に選ばれかねません。短期志向をあおる人々がいなくても、持続可能な選択肢が高価になったり、どこにいる消費者にとっても手の届かないものになったりしないよう行動しなければ、気候変動が消費者の優先課題の順位を下げることは明らかです。

したがって、解決策には消費者の賛同が必要です。気候変動対策は、より幅広い消費者のエンパワーメントと結び付けなければなりません。そうでなければ、消費者の信頼低下につけ込まれやすくなります。このため私たちは、直近ではグラスゴーで開かれた国連気候変動会議において、COP26に際し、企業が何をすべきか、また他のステークホルダーがどう支援できるかについて、消費者の負担が最小限に抑えられる、より包摂的なロードマップを提唱してきました。

「消費者保護に関する国連ガイドライン」に示された消費者の正当なニーズ。Image: Consumers International

消費者保護とエンパワーメントの実現における隔たり

Consumers Internationalでは、世界各地で、自分たちは十分に保護されていないと感じ、企業が自分たちの利益を優先するという信頼を失いつつある消費者の例が増えているのを目にしています。

私たちの最新の分析ツール「消費者保護・エンパワーメント指数」は、隔たりと、消費者のために、また消費者とともに信頼を築ける領域を明らかにします。この指数は、各国が分野横断で、すべての人にとって安全、公正、持続可能な市場をどのように構築、維持、促進しているかを評価する初の世界的な調査です。保護とエンパワーメントの5つの主要分野について80カ国を評価しました。肯定的な結果も見られますが、取り組むべき課題がまだ多く残されていることは明らかです。

世界消費者保護・エンパワーメント指数の柱。Image: Consumers International

指数の世界平均スコアはわずか53/100で、消費者保護とエンパワーメントが実現できていないことを示しています。一方、心強いことに、今回の調査結果は、消費者保護とエンパワーメントの5つの主要分野で、重点を置き、取り組みを進めるべき領域を示しています。

  • 消費者保護は、事業規制の中心に据えなければなりません。そのためには、消費者が購入に至る各段階で必要な手段と知識を得られるようにする体系的なアプローチが必要です。ほぼ半数の国では、消費者保護に関する規定がいまだに憲法に盛り込まれていません。

  • 知識と情報を備えた消費者は、より適切な購入をする可能性が高くなります。消費者向け情報は、容易に入手でき、明確で透明性があり、分かりやすく提示されなければなりません。デロイトの調査では、米国の消費者2,000人のうち91%が、法的条件やサービス利用条件を読まずに同意していることが分かりました。

  • オンラインや海外で買い物をする人が増えるなか、世界規模の救済制度が必要です。2021年には、21億4,000万人がオンラインで買い物をしました。これは世界人口の4分の1を超える規模であり、安全策がなかったり、保護が不十分だったりすれば、政治的に持続可能とは言えません。したがって、取引と同様に救済措置も、国境や法域を越えて適用できなければなりません。

  • 消費者の購買選択が地球に与える害を最小限にしていると確信できることも重要です。私たちの2020年の調査では、評価対象となったラベルのうち、情報に基づいてリサイクルや購入の判断をするための質の高い情報を消費者に提供していたものは、わずか19%でした。消費者に、購入する品ごとに環境面の履歴やサプライチェーンをたどるよう求めることはできません。しかし、規制、優良事例の共有、正確な表示によって、十分な情報に基づく選択を支援できます。

  • 急速に発展するテクノロジーも、消費者の懸念を中心に据えるべきです。そうすれば、将来のツールが長く通用する原則に導かれるようになります。

パートナーシップの構築

将来の市場は、電子商取引や環境意識の高い消費者に対応するため、大きく進化する必要があります。関係が不均衡で、搾取的なままであってはなりません。現在の世界的課題と相まって、消費者が無力感を抱き続ければ、民主主義と経済の急激な不安定化を招くおそれがあります。

朗報は、消費者擁護団体の世界的なネットワークが存在し、政府、企業などとの橋渡し役を担って、ビジネスモデルや法的枠組みの中心に消費者保護とエンパワーメントを据えられることです。日々、会員団体は地域の知識やスキル、人脈、そして多くの場合は政府に意見を届ける法的権利を活用し、この実現に懸命に取り組んでいます。

実際、消費者団体、企業、政府のマルチステークホルダー連携を信じているからこそ、この連携を実現するために私たちは戦略を見直しました。だからこそ、私たちと協力したいすべての人に門戸を開いています。誰もが繁栄できる安全で持続可能な世界の実現を、ともに後押しするためです。

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