再生可能エネルギーはポストコロナの復興をどう後押しできるか

A truck drives in front of a power-generating windmill turbine on the Paris-Lille highway during sunset in Wancourt, France, April 3, 2019. REUTERS/Pascal Rossignol - RC1D3F655480
Europe has set aside a portion of its recovery package to invest in renewables.Image: REUTERS/Pascal Rossignol
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  • 各国は、将来の災害に備える保険として、グリーンで健全な復興に投資を振り向ける必要がある。

  • 再生可能エネルギーは、「グリーン」雇用の創出、エネルギー安全保障の確保、レジリエンスの強化を通じて経済を活性化できる。

  • 欧州は、世界的なグリーン復興に向けた初期の基準を示してきた。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界中で人命、生計、経済に壊滅的な打撃を与えた。しかし、暗雲の中にも明るい兆しがあった。より良い世界の片鱗、すなわち大気の浄化、青空、排出量の減少を目にする機会をもたらし、公衆衛生の価値を改めて示したのだ。

各国政府が経済再始動に向けた景気刺激策を策定する今、私たちは重要な岐路に立っている。「従来どおり」に戻り、炭素集約型で持続不可能な成長モデルを追求し続ける余裕はない。むしろ、世界的な復興策は、グリーンで公正かつレジリエントな未来を目指すべきだ。

各国が「リセット」ボタンを押すにあたり、正しい選択をし、将来の災害に対する最善の備えとなるグリーンで健全な復興に投資を振り向ける必要がある。パンデミックは、クリーンエネルギーへの移行を加速させる必要性をいっそう強めた。「より良い復興」を進める際には、持続可能性を後回しにせず、再生可能エネルギーやその他のクリーン技術を再建戦略の中核に据えなければならない。

低炭素型の成長経路は、経済を刺激すると同時に気候リスクを緩和できる。再生可能エネルギーは、「グリーン」雇用の創出、エネルギー安全保障の確保、レジリエンスの強化を通じて経済を活性化できる。再生可能エネルギーやエネルギーの柔軟性に投じられる100万ドルごとに少なくとも25人の雇用を創出できる一方、効率化への投資100万ドルごとに約10人の雇用が生まれる。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、再生可能エネルギーを基盤とするエネルギーシステムへの転換により、2050年までに世界のGDPが98兆ドル増加し、再生可能エネルギーとエネルギー効率化の分野で世界全体に6,300万人の新たな雇用が生まれると推計している。ロックダウン中に1億人を超える雇用が失われたインドでは、2022年までに再生可能エネルギーによる160 GWを達成すれば、130万人分のフルタイム雇用を創出できる。

エネルギー転換により、2050年までにエネルギー部門で1,100万人を超える雇用が新たに生まれる。Image: IRENA

再生可能エネルギーへの転換は、輸入額を大幅に減らすことで、インドや中国などの国々が貴重な資金を節約する助けとなる。発電された再生可能電力の半分を輸入石炭の代替に使うだけでも、インドは2021年から2030年までに900億ドル超を節約できる。有害な排出の主要な発生源である石炭は、常に負の影響と結びついてきた。多くの国で再生可能エネルギーが今やより安価な選択肢となっていることから、石炭輸入への支出を再生可能エネルギーの導入加速に振り向けるべきだという説得力ある根拠が生まれている。また、特に原油価格が急落している今、化石燃料補助金が依然として大きい地域では、その削減も欠かせない。

パンデミックにより、きれいな空気と健康への配慮が最重要課題として浮上した。世界では、年間で大気汚染が原因とされる早期死亡者は400万人を超える一方、世界保健機関(WHO)は、気候変動が感染症と薬剤耐性の拡大を引き起こす主要因であり、将来の流行リスクを高めていると指摘している。

再生可能エネルギーを軸とする復興は、温室効果ガス排出を抑えることで、大気汚染と気候変動という二つの課題に取り組み、命に関わる病気への脆弱性を低減できる。さらに、エネルギーへのアクセスを改善することで、より公正で包摂的な成長にも貢献する。医療、食料、水といった基本的な生活必需品を確保し、不利な立場にある地域社会の生活水準を大きく向上させることができる。

欧州は従来、気候変動対策で世界をリードしてきた。意外ではないが、今回も世界的なグリーン復興に向けた初期の基準を示した。トランプ政権が環境保護策を大幅に削減し、中国も石炭火力発電所への最近の投資に見られるように、相反する姿勢を示す中、EUは復興パッケージ約8,500億ユーロの25%を確保することで、エネルギー効率の高いインフラの整備、再生可能エネルギーや蓄電池、クリーン水素、炭素回収などのクリーン技術への投資、低炭素型モビリティの推進とEV充電設備100万か所の設置、持続可能な土地利用の促進と生物多様性の保全に取り組む。EUはまた、他国からの炭素集約型輸入品に対する画期的な国境炭素税も検討している。

各国がグリーン景気刺激策を発表した例もいくつかある。例えばフランスは、エールフランスへの110億ドルの救済策について、同社が2024年までに国内排出量を半減することを条件とした。デンマークは社会住宅の環境配慮型改修に40億ドルを投じる計画を立てており、英国はグリーン技術の研究開発に向けた440億ドルのクリーン成長基金を設立した。

他の政府も欧州の取り組みに倣い、持続可能で公正な復興に向けた政策・投資対応を採用することが重要だ。他の関係者にも行動が求められる。企業は持続可能でクリーンな事業慣行を採用し、投資家はポートフォリオの脱炭素化を進めて再生可能エネルギー部門を支援する必要がある。市民社会も、持続可能なライフスタイルを実践し、グリーンで公正な復興計画を積極的に後押ししなければならない。

世界的な復興計画は、公正で健全かつレジリエントな未来に向け、国連の持続可能な開発目標(SDGs)と「アジェンダ2030」の理念に沿う必要があることは明らかだ。エネルギー転換をより広範な復興計画の不可欠な要素とすることで、各国はパンデミックや同様の混乱によるショックを吸収するために必要な能力を構築できる。国際社会全体の協力を強化すれば、強固な行動計画を策定し、世界的なグリーン復興を加速するための十分な資金を確保できる。経済を再始動する今、正しい道を選び、低炭素型の開発モデルを採用することは、未来の世代に対する私たちの責務である。

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