民間セクターが公平なワクチン研究開発と製造を支援すべき理由

The Open Society and others support companies committed to taking the risks involved in creating more distributed COVID vaccine production.
Supporting a private sector committed to more distributed vaccine production.Image: Tima Miroshnichenko from Pexels
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  • 今後どこへ向かうのか、そして私たちが直面している根本的な不平等に対処するうえで、民間企業がどのような役割を果たすのかについて、差し迫った問いがある。

  • オープン・ソサエティなどは、ワクチン生産の分散化に伴うリスクを引き受ける企業を支援するため、連携してきた。

  • 世界の製薬業界の幹部は2022年、COVID-19ワクチンの供給を迅速に拡大し、長期的には異なるビジネスモデルを提示するという決意を示さなければならない。

COVID-19の最初の感染拡大から2年を迎えようとするなか、世界の対応、あるいは対応の欠如によって、世界に深く根差す不平等、とりわけ医療へのアクセスにおける不平等が露呈したという議論が盛んだ。

確かに、民間企業は政府支援の研究を基盤とすることも多く、効果的なワクチンを驚くべき速さで開発・供給してきた。しかし同時に、グローバルサウスにワクチンを十分に行き渡らせることには、まったく失敗している。

ワクチン接種率が依然として極めて低い国々への供給を増やすことは、明らかに緊急の課題だ。しかし同時に、今後どこへ向かうのか、そして世界経済フォーラムの企業会員にとっては、私たちが直面している根本的な不平等に対処するうえで民間企業がどのような役割を果たすのかという、差し迫った問いがある。

ここには、行動を起こす歴史的な機会もあると私は考える。ただし、それには私たち全員の先見的な思考が必要だ。

次のパンデミックに備えるには

数字を改めて示すと、2021年12月までにG7諸国の人口の約66%が2回のワクチン接種を受けた一方、アフリカではわずか8%だった。

この深刻な状況の主な責任は、疑いなく、最富裕国の政府と、国益に突き動かされたワクチン供給の争奪にある。しかし民間セクターも批判を免れない。12月にフィナンシャル・タイムズが報じた記事では、特にファイザーへの批判が取り上げられた。世界最大のCOVID-19ワクチン生産企業が、「ワクチンへのアクセスに対する影響力と支配力を利用し、必要不可欠なワクチンや治療への世界的なアクセスよりも短期的な利益を優先した」との批判だ。

ファイザーは間違いなく異論を唱えるだろう。しかし、ワクチンの緊急需要に応えようとする競争の結果、一企業がこれほど大きな市場支配力を獲得したという事実は、私たち全員に懸念を抱かせるはずだ。

業界全体としては、かなり防御的な姿勢を取っている。とりわけ、COVID関連技術の特許免除を世界貿易機関に求める南アフリカとインドの要求に、予想どおり反対している。

しかし民間セクターにとって最大の問いは、次のパンデミックにどう備えるか、そして健康へのアクセスにおける世界的な不平等に真摯に対処する機会をどう生かすかかもしれない。これは、オープン・ソサエティ財団をはじめ、多くの民間慈善資金提供者が懸念する課題だ。

そこには、将来、グローバルサウスへの供給と手頃な価格でのアクセスを確保する唯一の方法として、アフリカ連合などが呼びかける、あらゆる医療用品についてグローバルサウスに研究・開発・製造能力を築く取り組みに、業界がどう応えるべきかも含まれる。

Image: Our World in Data

ワクチン生産の分散化に取り組む民間セクターを支援する

これを実現するには、世界的なパンデミックの脅威から安全を守る唯一の方法は、全員の安全を確保することだという公共政策上の言説だけでは明らかに足りない。

しかし今のところ、民間セクターと市場原理は、この課題に十分な答えを出せていない。現地の能力と専門知識を育てる必要に加え、ニューヨークやロンドンの株主からの要求によって、製薬企業は最も価値の高い市場に注力するよう促される。利益率が低い可能性の高い新市場の開拓に、なぜ投資するのだろうか。

オープン・ソサエティが他の慈善投資家やインパクト投資家とともに、より分散した生産体制の構築に伴うリスクを引き受ける民間企業を支援するため連携してきたのは、その理由の一つだ。特筆すべき取り組みとして、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力し、今年、革新的で低価格なラテラルフロー方式の診断検査を開発する英国の大手企業Mologicを、非営利の枠組みで買収した。新たな非営利事業体Global Health Accessを通じ、セネガルのパスツール研究所ダカール支部との既存の生産提携を、東南アジアやラテンアメリカを含む他の地域に拡大することを目指している。

低価格の検査法は、COVID-19だけでなく、商業診断企業が見過ごしている深刻な熱帯病についても開発されている。分散型の現地製造ネットワークは、顧みられない感染症の流行に迅速に対応できるほか、将来パンデミックが起きた際には生産を拡大し、各地の市場で最良の検査を利用できるようにする。

しかし、この投資のより大きな目的は、はるかに野心的だ。手頃な価格とアクセスをビジネスモデルに組み込めば、こうした取り組みが利益を生み得ることを示すことだ。私たちの場合、利益はすべて事業に再投資する。慈善投資家やインパクト投資家、そして譲許的融資を提供する他の組織が、率先して取り組むべきだと考えている。

これに続く民間企業や投資家は、より大きな全体像を考えるとよいだろう。アフリカは急速な経済成長を続けており、医療が十分に行き届いていない巨大な市場を抱えている。世界の企業が積極的に進出したいと考える市場だ。そうした国々に生産能力を確立することは、信頼と評判の回復に向けた取り組みに欠かせない。

アフリカ連合は、大陸内での医薬品製造に対するアフリカの政治指導者たちの関心を生かす取り組みを主導している。理想的には、既存の製造業者が、現地、少なくとも地域に拠点を置く新たな事業者と提携し、現地の利害関係者と国際的な株主の双方に利益をもたらすべきだ。

世界の製薬業界の幹部は2022年、COVID-19ワクチンの供給を迅速に拡大し、長期的には異なるビジネスモデルを提示するという決意を示さなければならない。化石燃料会社や石油会社の経営陣が、株主からの圧力を受け、気候変動の現実の影響に遅まきながら向き合い始めているのと同じように、製薬業界の経営陣もいつか、世界経済の安定を支えるために必要な長期的な強靭性と健康の公平性を促す措置を取らなかった理由を説明しなければならなくなるだろう。世界のためでないとしても、少なくとも自社の最終利益のために。

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