パンデミック中に生産性が向上したのなら、なぜイノベーションは鈍化しているのか?

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  • 新たな調査によると、パンデミック中にリモートワークへ移行した多くの企業では、生産性は横ばいを維持するか、さらには向上している。

  • 一方、イノベーションは大幅に減少している。

  • 不確実な時期には、企業は一般に支出を抑え、リスクを取らない傾向がある。

  • しかし、現在のイノベーションの不足は、リモートワークがもたらす協働の難しさに起因すると考えられている。

新たな調査によると、コロナウイルスのパンデミック中にリモートワークへ移行した多くの企業では、生産性は横ばいを維持するか、さらには向上している。一方で、リーダーと従業員の双方が互いに距離を感じるようになったことで、イノベーションは打撃を受けている。

不確実な時期には、企業は支出を抑え、リスクを取らない傾向がある。さらに研究者らは、現在のイノベーションの不足は、在宅勤務に伴いがちな協働の難しさにも起因すると指摘している。ビデオ会議やインスタントメッセージングアプリでは、同じ部屋に集まり、アイデアを練り上げ、同僚同士のエネルギーを感じ取る状況を完全に再現することはできない。

「チームとのつながりを感じ、自信を持ち、効果的にコミュニケーションを取るのは難しい課題です。多くの研究から、創造性とイノベーションは主に協働を通じて生まれることがわかっています」と、ウォートン校のマネジメント担当教授はマイケル・パークは、SiriusXMの「Wharton Business Daily」ラジオ番組の一コーナーでこう述べた。(このページ上部のポッドキャストで聴くことができる)。

パーク氏は、アンケート調査に基づく研究を指揮した。この研究はマイクロソフトの委託により、ボストン コンサルティング グループとKRCリサーチが実施したものである。本調査では、ヨーロッパ全域の15市場にある大企業の管理職と従業員約9,000人を対象に意見を聴取し、各国約600人の回答者を得た。

調査によると、パンデミック中の生産性低下への懸念は、大部分において根拠がないことが示されている。Image: マイクロソフト

調査対象企業のうち、パンデミック前に柔軟な勤務制度を導入していたのはわずか15%だった。夏までにその割合は76%へと急増した。パンデミックがヨーロッパ全域および世界の他地域へ広がるにつれ、各企業は伝統的な勤務日のあり方を見直すことを迫られた。さらに、回答者の大多数である88%が、パンデミック終息後もなんらかの形でハイブリッド型のリモートワークが続くと予想していると答えた。

「こうした背景を踏まえ、どのような利点と課題があるのか、また働き手がそれらの課題にどう適応したのかを検証しようとしました」とパーク氏は述べた。

スウェットパンツと机の下の犬

特筆すべきは、パンデミック中の生産性低下への懸念は大部分において根拠がないと、本調査が示している点である。従業員は自宅にいるからといって怠けているわけではない。実際、自宅ならではの快適さによって、多くの従業員は同じ生産性を維持し、さらにはそれを上回ってもいる。服装をくだけたものにできること、ペットを近くに置けること、そして仕切りの向こうからのぞき込む詮索好きな隣人と共有せずに済む、自分好みにカスタマイズできる仕事空間を楽しんでいるのだ。

「従業員は本当に集中できますし、自分の慣れた環境で快適に過ごせます」とパーク氏は述べた。「通勤時間が減り、出勤のために身支度を整えたり、きちんとした服装をしたりする必要もなくなります。在宅勤務の快適さやくだけた雰囲気といった多くの要素が、[本調査で]明らかになりました」。

生産性の面でもう一つのプラス要素は、少なくとも 世話をすべき幼い子どもがいない人 にとって、作業中の中断が減ることである。「会議や、話を中断される場面がどれほど多いかを考えてみてください。それこそが、従来から人々の生産性低下の大きな原因であることがわかっています」とパーク氏は述べた。「オフィスに自分一人だけでいるときの方が、仕事をより効果的に組み立てることができるのです」。

バーチャルでもイノベーションは可能である

調査によると、イノベーションの低下がリモートワークの最大の欠点である。しかし、パーク氏は、管理職がこの障壁を乗り越えるために取れる簡単な方法が3つあると述べた。

第一に、従業員が幅広い協働ツールを利用できるようにすることである。Zoomやメールだけに限定せず、複数のプラットフォームを導入し、各従業員が自分に合ったものを見つけられるようにすべきである。

「ここでの考え方は、人々が柔軟性と多様性を備えていれば、自分自身の性格やコミュニケーションスタイルに合ったツールを選べるということです」とパーク氏は述べた。

「多くの研究から、イノベーションと創造性は協働を通じて生まれることが多いとわかっています。」

――マイケル・パーク

第二に、従業員にリモートワークの方法を研修することである。リモートワークは生まれつき備わっているスキルではないため、少しの指導が大きな効果をもたらしうる。パーク氏によると、本調査では、研修が「従業員の協働の効果、エンパワーメント、そしてチーム内で情報を共有する能力に寄与したもう一つの主要な要因」であることがわかったという。

最後に、チームとつながるための定型的な方法を確立し、それを守ることである。本調査では、管理職が定期的な会議の習慣(タウンホール、1対1のレビュー、ブレインストーミングなど)を持っていた職場ほど、それらの習慣を維持したことにより、リモートワークへの移行がうまくいったことがわかった。

パーク氏は、本調査から得られるより大きな教訓の一つとして、パンデミックが企業にもたらしている「学びの機会」を挙げた。研究者たちは当初、生産性の低下を確実に見込んでいた。しかし実際には、イノベーションを高い水準で維持することに関する、予想外に異なる課題が明らかになった。

「私たちに強いられたこの実験は、従業員が生産性を発揮できることを示しています。また、従業員はその自律性を大いに楽しんでいる面もあるため、組織は信頼をさらに高めるべきです」と同氏は述べた。「同時に、このリモートワーク環境において良好な協働を維持する能力を育成する必要があります。個人の柔軟性は、当然ながら協働上の課題も生み出しうるからです」。

マイケル・パーク教授とはTwitter(@michaelparke)およびLinkedInでつながることができる:https://www.linkedin.com/in/mparke/

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