ナレンドラ・モディ首相のダボス・アジェンダ演説全文

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  • インドのナレンドラ・モディ首相は1月17日(月)、オンライン形式で開催されたダボス・アジェンダで演説しました。

  • サプライチェーンからテクノロジー、環境に至るまで、各国間の協力を呼びかけました。

  • ヒンディー語の原文から翻訳した演説全文を紹介します。

ナマステ!

世界経済フォーラムに集まった世界各国の要人の皆さまに、インド国民13億人を代表してごあいさつ申し上げます。皆さまにお話ししている今、インドは警戒を怠らず、注意深く、新たなコロナの波に対処しています。同時に、インドは経済面でも多くの明るい成果を上げながら前進しています。今日のインドは、独立75周年の祝賀に胸を躍らせるとともに、わずか1年で16億回分のコロナワクチン接種を実施したことに自信を深めています。

皆さま、

インドのような強い民主主義国家は、希望の花束という美しい贈り物を世界全体に贈りました。この花束には、民主主義に対する私たちインド国民の揺るぎない信頼があり、21世紀を切り開くテクノロジーがあり、私たちインド国民の気質と才能があります。私たちインド国民が暮らす多言語・多文化の環境は、インドだけでなく世界全体にとって大きな力です。この力は、危機の時に自分のことだけを考えるのではなく、人類のために働くことも教えてくれます。コロナ禍において、「一つの地球、一つの健康」という理念のもと、インドが多くの国に必要な医薬品やワクチンを提供し、何億もの命を救っている姿を私たちは目にしてきました。今日、インドは世界第3位の医薬品生産国であり、世界の薬局です。また、インドの医療従事者や医師は、その思いやりと専門性を通じて、世界の人々から信頼を得ています。

皆さま、

危機の時にこそ、思いやりが試されます。今、インドの力は世界全体の模範です。この危機のさなか、インドのIT部門は昼夜を問わず働き、世界各国を支えてきました。今日、インドは記録的な数のソフトウェア技術者を世界に送り出しています。インドでは500万人を超えるソフトウェア開発者が働いています。インドは今日、世界でユニコーン企業の数が3番目に多い国です。過去6か月間に1万社を超えるスタートアップが登録されました。インドには今日、大規模で安全性が高く、実績のあるデジタル決済プラットフォームがあります。先月だけで、インドでは統合決済インターフェース(UPI)を通じて44億件の取引が行われました。

皆さま、

インドが長年にわたり開発し、導入してきたデジタルインフラは、今日、インドの大きな強みとなっています。コロナ感染者を追跡するアロギャ・セトゥ・アプリや、ワクチン接種のためのCoWinポータルといった技術的ソリューションは、インドの誇りです。インドのCoWinポータルが提供するオンライン機能は、接種枠の予約から証明書の発行まで、大国の人々の注目も集めています。

皆さま、

かつてインドはライセンス・ラージ(許認可制度)と結び付けて認識され、多くのことが政府の管理下にありました。当時、インドで事業を行ううえでどのような課題があったか、私は理解しています。私たちは、あらゆる課題を克服しようと絶えず取り組んでいます。今日、インドはビジネスのしやすさを高め、政府の介入を最小限に抑えています。法人税を簡素化して引き下げ、世界で最も競争力のある水準にしました。昨年だけで、2万5,000件を超えるコンプライアンス要件を撤廃しました。遡及課税などの改革により、インドはビジネス界の信頼を取り戻しました。ドローン、宇宙、地理空間マッピングなど、多くの分野で規制も緩和しています。IT分野やBPOに関連する時代遅れの通信規制についても、大規模な改革を行いました。

皆さま、

インドは、世界のサプライチェーンにおいて信頼されるパートナーとなることを目指しています。多くの国との自由貿易協定に向けて道を開いています。インド国民のイノベーションや新技術を取り入れる力、そして起業家精神は、世界のパートナーすべてに新たな活力をもたらすことができます。ですから、今こそインドへの投資に最適な時です。今日、インドの若者の起業家精神は新たな高みに達しています。2014年には登録スタートアップは数百社でしたが、今日、その数は6万社を超えています。ユニコーン企業も80社を超え、そのうち40社以上が2021年だけで誕生しました。海外在住のインド人が世界の舞台で力を発揮しているように、インドの若者も、皆さまのインドでの事業を新たな高みへと導く準備を十分に整えています。

皆さま、

インドが深い経済改革に取り組んでいることも、今日、投資先として最も魅力的な国となっている大きな理由です。世界が量的緩和プログラムのような介入策に注目していたコロナ禍に、インドは改革への道を切り開きました。デジタル・物理インフラを近代化する大規模プロジェクトは、コロナ禍のさなかに前例のない勢いを得ました。国内の60万を超える村々が光ファイバーで接続されつつあります。特に接続インフラに1兆3,000億ドルが投資されています。資産の収益化などの革新的な資金調達手段を通じ、800億ドルを生み出す目標を掲げました。インドはまた、開発を促進するため、あらゆる利害関係者を同じ基盤に集める「ガティ・シャクティ国家マスタープラン」を始動させました。この国家マスタープランのもと、インフラの計画、開発、実施を統合的に進めます。これにより、物資、人々、サービスのシームレスな接続と移動に新たな弾みがつくでしょう。

皆さま、

自立への道を歩みながら、インドは手続きの簡素化だけでなく、投資と生産の促進にも力を入れています。この方針のもと、今日、14分野で総額260億ドルの生産連動型インセンティブ制度を実施しています。ファブ、チップ、ディスプレー産業の展開に向けた100億ドルの奨励策は、世界のサプライチェーンを円滑にするという私たちの決意の表れです。「インドで作り、世界に届ける」という精神で前進しています。通信、保険、防衛、航空宇宙に加え、半導体分野でも、インドには今、無限の可能性があります。

皆さま、

今日、インドは現在の課題と今後25年間の目標を見据え、政策を策定し、決定を下しています。この期間について、インドは高い成長と、福祉・健康の充実を目標に掲げました。この成長は、環境に配慮した、クリーンで、持続可能かつ信頼できるものとなります。世界全体の利益のために大きな約束を掲げ、それを果たす伝統を受け継ぎ、2070年までのネットゼロ目標も定めました。世界人口の17%を占めるインドの世界の炭素排出量に対する寄与は5%、わずか5%かもしれません。しかし、気候変動への取り組みに対する私たちの決意は100%です。国際太陽光同盟や、気候変動への適応を目指す「災害に強いインフラのための連合」といった取り組みが、その証拠です。ここ数年の努力の結果、今日、エネルギーミックスの40%を非化石燃料由来のエネルギーが占めています。インドがパリで表明した公約は、目標期限より9年早く、すでに達成しました。

皆さま、

こうした取り組みの中で、私たちのライフスタイルも気候にとって大きな課題であることを認識しなければなりません。「使い捨て」文化と大量消費が、気候変動の課題をより深刻にしています。今日の「採取・製造・使用・廃棄」型経済を、循環型経済へ迅速に移行させることが極めて重要です。COP26でお話ししたミッション「LIFE」の理念も、同じ精神を核としています。LIFEは「環境のためのライフスタイル」を意味し、気候危機への対処だけでなく、将来の予測不能な課題にも役立つ、強靱で持続可能なライフスタイルを目指すものです。したがって、ミッション「LIFE」を世界的な大衆運動へと発展させることが重要です。LIFEのような市民参加型の取り組みは、「P-3:地球を大切にする人々(Pro Planet People)」の大きな基盤となり得ます。

皆さま、

2022年の初めにあたり、ダボスでこうした課題について議論する中、インドは、さらにいくつかの課題を皆さまに知っていただく責任も感じています。今日、世界秩序が変化するにつれ、世界という家族として私たちが直面してきた課題も増えています。これらに立ち向かうには、すべての国、すべての国際機関による連携した協調行動が必要です。サプライチェーンの混乱、インフレ、気候変動は、そうした課題の例です。暗号資産もその一つです。暗号資産に関わる技術を考えれば、一国だけの決定ではその課題に対処するには不十分です。共通の認識を持たなければなりません。しかし今日の世界情勢を見たとき、多国間機関は新たな世界秩序と新たな課題に対処する準備ができているのか、そうした力が残されているのか、という問いが浮かびます。これらの機関が設立された当時と、今日とでは状況が異なります。したがって、現在と将来の課題に対処する役割を果たせるよう、各民主主義国にはこれらの機関の改革を重視する責任があります。ダボスでの議論を通じて、この方向に向けた前向きな対話が行われると確信しています。

皆さま、

新たな課題に直面する今日、世界には新たな道筋と新たな決意が必要です。世界のあらゆる国が、これまで以上に互いの協力を必要としています。それがより良い未来への道です。ダボスでのこの議論が、協力の精神を広げると確信しています。改めて、皆さまとオンラインでお会いする機会をいただきました。皆さまに心より感謝申し上げます。

免責事項:これは首相の発言をおおよそ翻訳したものです。原文はヒンディー語で行われた演説であり、以下から転載しています。インド外務省。

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