セルビア政府はデジタル化を重点課題としている。
2017年6月、電子政府サービスの導入を開始した。
それ以来、A4用紙を約1億8,000万枚節約したと推定している。
デジタル化や電子ガバナンスは、抽象的な概念に思えることがある。
しかし、世界経済フォーラムの世界技術ガバナンス・サミットでのセッションで、セルビアのアナ・ブルナビッチ首相は、オンライン化が現実世界に影響をもたらす例を紹介した。
紙、木々、水、電力を節約
ブルナビッチ氏は、政府が達成しようとしているあらゆることの中心にデジタル化が据えられていると説明した。
その一環として、政府を「完全に市民中心」にするため、電子ガバナンスへ移行したと同氏は説明した。その恩恵は、効率性の向上や透明性の強化にとどまらない。
2017年6月1日に電子サービスの導入を開始して以来、政府はA4用紙を1億8,000万枚以上節約したと、ブルナビッチ氏は産業変革をリードするセッションで語った。
「つまり、紙を900トン節約したことになります。これは木18,000本、7,600万リットルを超える水、6,000メガワット時を超える電力に相当します」と同氏は説明した。
そして、これは『小さなセルビア』だけの話だと同氏は付け加える。より大きな国々が同じことをすれば何が起こるのか、地球にどのような影響が及ぶのか、想像してみてほしい。
デジタル化を重視する姿勢は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる困難を乗り越えるうえでも役立った。特に教育面では、子どもたちがオンライン学習に切り替えられたことが大きな成果となった。
データがもたらすエネルギーへの影響
もちろん、書類をオンライン化しても、それに伴う環境上の懸念がなくなるわけではない。
パンデミック前の調査によると、データセンターのエネルギー消費量は年間2,000億キロワット時と推定されている。世界の電力需要のわずか1%だが、一部の国のエネルギー消費量を上回る。そして、この消費量は増加する見通しだ。あるモデルでは、10年末までにICTの電力使用量が世界全体の20%を超える可能性が示されている。
しかし、アマゾン・ウェブ・サービスやフェイスブックなどの組織は、データセンターの持続可能性向上に取り組んでおり、その電力源として再生可能エネルギーの利用を拡大している。
つまり、電子ガバナンスは利便性と効率性を高めるだけでなく、A4用紙を1枚ずつ節約しながら、地球を守ることにもつながるかもしれない。




