遊びを取り入れた学びが子どもの社会性と情動面のスキルを育む方法

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  • 将来世代を脅かす世界的な課題が広がるなか、子どもたちの学びに早急に目を向ける必要があります。

  • 従来の教育制度を変革し、社会性と情動面のスキルの育成を取り入れなければなりません。

  • 行動を起こすべき時は今です。新型コロナウイルス感染症の影響とウクライナでの戦争によって一層厳しさを増す不確実で不安定な世界を生き抜くため、子どもたちにはこうしたスキルが必要です。

  • 遊びを取り入れた学びは、子どもたちが社会性と情動面のスキルを身につける最も効果的な方法の一つです。

次世代が複雑で不確実な未来を生き抜くために必要な全人的なスキルを身につけられるようにすることは、私たちの喫緊の責務です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、子どもたちの発達に深刻な影響を及ぼしました。ユニセフは、これにより16億人を超える学習者が影響を受けたと推計しており、今や世界規模で幼児期の危機に直面しています。しかし、世界的な教育の回復は、より良い教育制度を再構築し、社会性と情動面のスキルの育成を教育制度に取り入れるまたとない機会をもたらしています。

しかし、私たちだけでは実現できません。

社会性と情動面のスキルの育成を取り入れる教育改革

教育制度の改革は複雑なプロセスであり、政治、経済、社会の課題に直面する国々では特に困難です。各国の政策立案者は、持続的な制度改革を実現するため、他国の取り組みからヒントや学びを得ることができます。

レゴ財団が初めて発表した報告書『「制度の再構築――社会性と情動の学び改革をめぐる各国の事例」』は、学習者の社会性と情動面のスキルをより効果的に育むため、教育制度の改革に取り組んだ政府の先駆的な政策立案者6人の経験を詳述しています。オーストラリア、コロンビア、フィンランド、ペルー、南アフリカ、韓国の政策立案者は、国レベルで重要な改革を実施するためにさまざまな戦略を用いました。

教育制度改革の成功には、いくつかの要因が寄与することが分かりました。

改革は一度きりの出来事ではなく、道のりである

制度改革は、単一の出来事や瞬間で成し遂げられるものではありません。多くの時間と労力、関係者の参加に加え、妥協と交渉が求められます。一つひとつの段階的な取り組みが、長期的な影響を左右します。

オーストラリアでは、初の全国カリキュラム委員会が2008年に設置されましたが、改革が完了したのは2015年でした。この改革により、連邦制に基づく制度から移行し、オーストラリア初の全国カリキュラムが策定されました。政策立案者は、新たな技術の進歩や複雑な世界的圧力を見据え、オーストラリアの子どもたちが生涯にわたって直面する状況に対応できる、外の世界に開かれた新制度を確保しました。現在、より多くの学校や教員が、子どもたちの学びを豊かにする新たな活動を推進しています。例えば、地域社会に働きかけて関わりを深め、子どもたちが多面的な市民へと成長できるよう支援しています。

複雑な国ごとの状況に対応するなかで、遊びを取り入れた学びを重視する

政治的不安定、暴力、極度の貧困、資源不足に直面する国々では、教育改革が非常に複雑になり得ることは間違いありません。

例えば、従来のコロンビアの教育制度は、社会性と情動面の能力の育成よりも、知識内容の反復に重点を置いていました。政策立案者は、ロールプレイが子どもたちに異なる視点を理解させるうえで有効だと気づき、今では遊びが、全人的なスキルの育成を支えるものとしてカリキュラムに積極的に取り入れられています。社会性と情動面のスキルを育む取り組みが、社会における高い暴力水準の低減に大きく寄与し、社会を前向きな方向へ導く新世代の育成につながることが期待されています。

同様にペルーでは、2012年にOECDの「国際学習到達度調査(PISA)」で65か国中65位となり、政策立案者は教育危機に対応していました。状況を改善するため、学校における能力ベースの学習をどう深め、子どもたちの能力をより幅広く育成できるかを検討しました。カリキュラムの中心に「全人的な人間」を据え、今ではプロジェクト型学習や遊びを取り入れた学びを通じて、子どもたちは感情を自分で調整し、民主的に暮らし、共通善に貢献するとともに、確かな自己認識を育む方法を学んでいます。

動機は異なっても、社会性と情動面のスキルの育成という目標は変わらない

世界各地で、カリキュラムに社会性と情動面のスキルを取り入れる政策立案者の動機はさまざまです。しかし、子どもたちと社会は一貫してその恩恵を受けます。

子どもたちにこうした力を身につけさせることの価値は、南アフリカに見ることができます。共通の教育理念を軸に社会を結束させるため、全国教育調整委員会は「人民の教育」と呼ばれる取り組みを推進し、アパルトヘイト後の制度においてそれがどのようなものになるべきかを明確に示しました。何十年にもわたる組織的な差別と搾取によって、人々の自己概念や自己像が損なわれていたため、これは必要なことでした。カリキュラム改革の一環として導入された「ライフ・オリエンテーション」という教科では、「関係づくり」という分野を通じて、肯定的な自己概念と自己像を育むことを目指しています。子どもたちは、自分自身や他者、より広い社会との良好な関係を築く方法を学びます。南アフリカの学校では、こうした中核的価値を教える手段として、遊びがしばしば用いられます。

韓国では、改革の動機は異なっていました。名門大学への進学を目指して学業成績を上げるよう求める圧力が、学生の個人的な成長や課外活動への参加を犠牲にしていました。政策立案者は教育の変革力を信じ、試験中心の教育制度から教育の多様化を重視する制度へ移行するため、一連の改革を実施しました。大学進学に代わる現実的な選択肢として職業学校を設立し、その魅力が高まるにつれて、名門大学への進学を目指す圧力は和らぎました。これは職場における創造性や多様なスキルへの経済的な需要に応えると同時に、ストレスを軽減して子どものウェルビーイングを高める取り組でもありました。

制度改革の設計と実施には、すべての関係者が参加すべきである

社会性と情動面のスキルを育成する改革プロセスには、すべての関係者が参加しなければなりません。特に教員には、経験や専門知識を政策立案者が取り入れ、十分な支援を提供し、こうしたスキルが子どもにとって重要な理由への理解を深められるよう、当初から関わってもらう必要があります。また、子どもたちが教育制度に何を望み、何を必要としているかについて、保護者や養育者の考えを把握することも欠かせません。

フィンランドでは、学校における意欲やウェルビーイングの低さが政策立案者の懸念となっていました。改革の設計と推進は、教育庁に委ねられました。幅広い関係者が参加できるよう、公開協議で寄せられたすべての意見を誰もが閲覧できるウェブサイトで公開しました。人々が改革の目的を理解し、その形成に参加すると、当事者意識と受容がより高まる余地が生まれました。

報告書に含まれる6か国すべてに共通していることが一つあります。子どもたちは、重要な社会性と情動面のスキルを育むための手段を与えられると、健やかに成長します。行動を起こすべき時は今であり、世界の教育制度と主要な関係者には、子どもたちにこうした能力を身につけさせる責任があります。運任せにしたり、家庭環境に委ねたりすることはできません。子どもたちは未来を担います。絶えず変化する世界の複雑な課題や不確実性に対処するために必要な、幅広いスキルを身につけられるようにしなければなりません。

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