世界銀行は、2022年の世界経済の成長率を3.2%と予測しています。これは従来の予測である4.1%から下方修正されたものです。
大きな成果を効果的に生み出すため、世界社会が集い、意思疎通を図る能力を強化しなければなりません。
サウジアラビアは、活力ある社会、繁栄する経済、そして世界各地の意欲的な国家の創出という主要な柱を軸に、世界的な協力の礎としてビジョン2030を世界に発信しました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックから私たちは、危機の際に協力、意思疎通、連帯がいかに重要かについて、とりわけ世界の安定を実現する過程で、いくつもの大切な教訓を学びました。
今日、一方的な政策、地政学的な相違、投機が資産バブルと商品価格の上昇を招くなか、世界経済の安定は再び脅かされています。この危機は開発途上国に不均衡な影響を及ぼし、社会、経済、人間の回復に向けた歩みを始めたばかりの国々の経済を不安定化させるでしょう。
世界経済の回復の遅れ
こうした状況が生まれるなか、パンデミックから得たばかりの教訓を見失うわけにはいきません。すべての人にとって有効な、協力に基づく相互利益の解決策を生み出すため、国際社会と連携しなければなりません。
世界は再び一丸となり、団結した行動の緊急性と有効性を改めて強く認識すべきです。
ロックダウンによる後退に苦しんだ国や地域社会は今、生活必需品価格の記録的な高騰、サプライチェーンのボトルネック、深刻な食料不足に直面しています。
団結が求められる時に一国主義を追求することへの警鐘は明らかです。世界銀行は現在、2022年の世界経済の成長率を3.2%と予測しており、従来の予測である4.1%から下方修正しました。そして今世紀に入って初めて、絶対的貧困のなかで暮らす人々の数が増加しています。
さらに国際通貨基金は3月、現在の紛争による食料と燃料価格の一段と急激な上昇が、サハラ以南のアフリカやラテンアメリカからコーカサス、中央アジアに至る一部地域で、社会不安のリスクを高めるおそれがあると指摘しました。
こうした新たな状況は、経済を活性化し、雇用を創出し、より包摂的な未来を築くために不可欠な取り組みを妨げています。
新型コロナウイルス感染症と同様に、一次産品の安定確保は世界的な課題であり、協力して取り組む必要があります。放置すれば、富裕層と貧困層の格差をさらに拡大させかねません。パンデミックの余波によって、すでに不平等は深刻化しています。
しかし、変化が突然かつ絶え間なく起こる世界に生きる私たちは、短期的な答えを探すよりも、戦略的な方向性を定めることに注力しなければなりません。それを実現するには、大きな成果を効果的に生み出すため、世界社会が集い、意思疎通を図る能力を強化するほかありません。
歴史から学ぶ
危機の時に世界は団結する。それが歴史の示すところです。1945年の国際連合(UN)設立後、国際社会は国際協力と連携の精神を生かし、数々の世界的な金融危機を乗り越えてきました。また、かつて世界を脅かした天然痘やポリオ、さらにはSARSやエボラ出血熱の流行などの疾病の撲滅にも取り組んできました。
近年では、サウジアラビアで開催された二つの重要な首脳会合、G20リヤド・サミットと、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに対する協調的な世界規模の対応を支援するために招集され、議長国を務めた臨時G20首脳会合で、国際協力の価値が世界に示されました。
パンデミックの嵐のただ中で開かれたこうした国際的な協議は、安全で効果的なワクチンを、世界各地で手頃な価格かつ公平な形で供給する道を開きました。パンデミックによって経済に大きな打撃を受けた貧困国や重債務国への支援に焦点を当て、世界経済を再び安定させるための国際的な取り組みのロードマップも示しました。
世界的な協力によって、各国は相違を脇に置き、社会全体に広く波及する問題について共通基盤を見いだすことができました。
世界経済の回復に向けた協力と対話への再注力
協力、対話、国際的な連帯に改めて注力する必要があります。どのような危機も、私たち全員に関わるものです。
各国政府は対話の新たな窓口を開かなければなりません。官民連携を前進させる必要があります。そして、私たち全員に影響を及ぼす課題を乗り越えるため、パートナーと協力して共通基盤へと歩み寄り、見解と優先事項をすり合わせながら、新しく革新的な方法を考案しなければなりません。
共に行動することも、別々に行動することもできます。しかし、世界的な危機に対する最善の防御は、常に連帯です。
二聖モスクの守護者サルマン・ビン・アブドルアジズ・アール・サウード国王と、皇太子ムハンマド・ビン・サルマン殿下の指導の下、サウジアラビアは国際的な統合と協力を強く支持し、その推進役を担っています。
政府はサウジ・ビジョン2030を通じて、サウジアラビア王国が世界経済上位15カ国の一つとなり、20カ国・地域(G20)の積極的な一員として、経済の多角化と産出における地域および世界のリーダーとなるための道筋を整えています。
特筆すべきは、サウジアラビアが、国内での意欲的な行動によって世界的な政策が強化されると認識していることです。前例のない経済・社会変革の道を歩み始めるなか、国全体でこの方針を実行しています。これにより、ビジネス、物流、医療、観光などの分野で、同国が世界をリードする存在になると確信しています。
この道のりで、最先端技術の導入、革新的な発想、そして明日を形作る重要分野の能力を高める大胆な政策立案を通じて、活力ある世界経済の潜在力を最大限に引き出すことを目指します。この取り組みは、変化や混乱にも備え、もともと機敏で強靱な、進化し続ける世界経済を生み出すでしょう。
テクノロジーは、私たちの多角化の取り組みの中核を成しています。革新的な第4次産業革命(4IR)ソリューションを取り入れ、デジタル変革を活用し、高速通信、ロボティクス、デジタルリアリティ、精密製造を通じて、人々と企業を世界と全面的に結びつけています。
そして、この新たなテクノロジー主導のデジタル時代を担う若者たちこそ、私たちの社会経済的な目標を加速し、実現するうえで重要な役割を果たします。世界有数の若年人口を擁するサウジアラビアには、新たな才能が豊富にあります。未来の働き方を形作るためのツール、スキル、考え方を身につけた若者たちは、私たちの変革を推進する力となり得ます。
王国における私たちの取り組みは、直面する課題に多面的に対処するものです。国民経済にさらなる価値をもたらす持続可能なサプライチェーンの確保、海外からの直接投資の拡大、そして世界の舞台で経済競争力を高める力となる若い人材の確かな育成基盤づくりが含まれます。
要するに、私たちは国民のために経済を機能させています。この成果は、皇太子ムハンマド・ビン・サルマン殿下の取り組みとビジョンによるものです。
国民が繁栄し、成功できる社会的・経済的条件を築くという皇太子殿下のたゆまぬ取り組みは、世界有数の経済大国となるための、わが国の戦略的かつ実践的な目標を支えています。
王国の将来の成功は、国際協力をさらに深めることで、地政学的安定の強化につながります。この精神のもと、サウジアラビアは、活力ある社会、繁栄する経済、そして世界各地の意欲的な国家の創出という主要な柱を軸に、世界的な協力の礎としてビジョン2030を世界に発信しました。
サウジアラビアにとって、国際的なパートナーシップは不可欠です。健全な成長水準を取り戻すためだけでなく、包摂性、平和、繁栄を備えた望ましい未来の実現に向けて前進するためにも重要です。
相違を乗り越える
新型コロナウイルス感染症の際、データやワクチンをめぐる協力から学んだように、持続可能な未来とより良い明日のため、世界的な対話と国際協力を強化する必要があります。
共通基盤への橋を築く方法を、私たちは絶えず見いださなければなりません。協力し、確固たる決意を持って取り組むことで、世界経済を守ることができます。より良い明日を確かなものにすることが不可欠です。





