次の10億人の労働者:各国は未来の世界的な労働力をどう呼び込めるか?

Government leaders must prepare now to attract the workforce of the future.
Government leaders must prepare now to attract the workforce of the future.Image: Getty Images/iStockphoto.
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  • 世界の人材プールの分布が変化している。世界人口は増加し、教育水準も高まっている。

  • 現在、移民人材に依存している多くの国は、将来の人材ハブとなる国々との重要なつながりを欠いている。

  • オープンネス指数は、文化的、地理的、またはディアスポラを介した結びつきが弱い移住先に対し、出身国ごとにどの程度開放的かを明らかにする。

  • 政府の指導者は、国全体の魅力を高めるだけでなく、相互に利益をもたらすつながりを築くため、的を絞った戦略を展開しなければならない。

2040年までに、国際人材の供給は過去最高に達するが、その人材は新たな地域に見いだされる。政府の指導者は、未来の労働力を呼び込むため、今から備えなければならない。

移民は、世界最大級の経済圏の多くにとって成功の基盤である。しかし、そのうち相当数の国で、重要な変化が進行している。各国が一貫して人材を受け入れてきた人材プールは、いくつかの世界的な潮流が重なるにつれて変化し始める(図表1参照)。

図表1:多くの国が一貫して人材を受け入れてきた人材プールは、変化し始める。Image: ヴィットゲンシュタイン・センターの人口統計における中央値推計シナリオ;国連の二国間移民データ;BCG分析。

第一の潮流は、人口の規模そのものに関わる。多くの高所得国と中所得国では人口減少に直面しており、労働年齢人口(20~64歳)は2040年までに2億人減少すると予測される一方、世界全体では労働年齢人口が7億人増加する見込みだ。この増加の大部分はアフリカ、南アメリカ、アジアで起きる。

第二の潮流は、新たな教育機会によるものだ。2040年までに、労働年齢の成人の60%が高校卒業資格を取得する(2020年から13ポイント上昇)。また、その80%がアフリカ、アジア、南アメリカまたは中央アメリカに居住する。ヨーロッパと北アメリカに居住するのは、2040年にはこの層のわずか19%となり、2020年から8ポイント低下する(図表2参照)。

図表2:多くの新興市場で、国際移動可能な人材の供給が大幅に増加する。出典:ヴィットゲンシュタイン・センターの人口統計における中央値推計シナリオ。

つまり、国際移動可能な人材の供給はかつてない規模になるが、その人材は新たな地域に見いだされる。政府の指導者は、新たな人材プールがどこに生まれるかだけでなく、どのプールから最も人材を呼び込めるかを見極め、橋渡しを始めるため、今から計画を立てる必要がある。

オープンネス指数

各国は、ビザ手続きの簡素化、生活水準の向上、社会統合支援の充実など、幅広い施策によって移住を検討する人々への訴求力を高められる。しかし、移住経路に継続的に影響し、指導者が対処するのがより難しい要因が三つある。文化的共通性、地理的近接性、移民ネットワークの規模だ。(文化的共通性はさまざまな形で捉えられる。ここでは、文化的類似性の代替指標として、歴史的な植民地関係と共通言語の影響を検討する。)

しかし、私たちの調査によれば、こうした要因の重要性は出身国によって異なる。各国の移住経路と文化的、地理的、ディアスポラを介した近接性との相関を調べ、その違いを捉えるオープンネス指数を作成した(図表3参照)。将来の人材ハブとのつながりを築こうとする公的機関の指導者は、移住投資の優先対象となる出身国を選ぶ際、人材プールの増加率と規模に加えて、オープンネスも考慮できる。

図表3:各国の人口増加と、新たな移住経路を探ることへの開放性との相関。 Image: 最高学歴別のヴィットゲンシュタイン・センター人口統計;国連の二国間移民データ;BCG分析。

オープンネス指数の活用

成長率2倍の線より右側に位置する国々の住民の多くは、アフリカと中東に集中しており、海外で雇用機会を探す可能性が高い。ナイジェリアとエチオピアは、このグループの中でも最大級の人材プールを擁する。しかし、オープンネス指数によれば、両国からの移住者は主に、すでにつながりのある移住先に引き寄せられてきた。一方、人材プールがそれぞれ700万人を超えるケニア、タンザニア、アフガニスタン、イラクでは、移住者はつながりの少ない場所へ移ることにも、より積極的な姿勢を示している。

人口増加が比較的緩やかな国では移住率が低い可能性があるものの、世界の主要な人材供給源であり続けると見込まれる。インドと中国は、2040年に高校卒業以上の成人を最も多く擁するハブとなる(それぞれ約3億2,000万人、約2億5,000万人)。しかし、この指数によれば、両国からの移住者は結びつきの強い国を好む傾向がある。メキシコ、アルゼンチン、ベトナム、バングラデシュなどの国でも、高校卒業者の人口は相当規模で、今後増加するが、移住先の選択においては、より高い開放性を示している。

未来の労働力に向けた戦略の策定を始める

人材をめぐる変化を踏まえ、政府の指導者は国全体の魅力を高めるだけでなく、的を絞った戦略を展開しなければならない。すでに、この必要性に注目すべき形で取り組み始めている国もある。

  • 二国間で連携する:2021年に締結されたポルトガルとインドの二国間労働移動協定は、ポルトガルの雇用主がインド人労働者を採用するための標準的な手続きを定めた。ポルトガル側がインドの一元的な政府機関に求人情報を共有し、同機関が適格な候補者を選考して、ビザ手続きを支援する。インドは現在、ポルトガルへの移民の増加率が最も高い出身国としてブラジルと並んでおり、2021年から2023年にかけて13%増加した。

世界の労働力における女性の地位 2022
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  • 採用活動を個別化する:重要な求人を埋めるため、カナダのニューブランズウィック州は、オンラインの国際採用説明会を、ナイジェリア、アラブ首長国連邦、アルゼンチンなど、特定の国の住民を対象に開催してきた。これらの説明会は、当面の労働力不足に対処すると同時に、成長する人材プールとの的を絞ったつながりを築くという二つの役割を果たす。

  • 避難先を提供する:高校卒業者の供給源として成長率が特に高く、比較的開放的なアフガニスタンは、2021年に庇護希望者の最大の出身国でもあった。避難を余儀なくされたアフガニスタン人を受け入れた、将来移民に依存する国々は、人道的支援の手を差し伸べると同時に、将来性の高いこの人材ハブとのつながりを強めた。たとえばドイツは、20万人を超えるアフガニスタン難民および庇護希望者を受け入れ、アフガニスタンの隣国パキスタンとイランに次ぐ3番目に大きな受け入れ先となった。(移住率の急上昇につながる危機が、必ずしも開放性の高まりにつながるわけではない点に留意すべきだ。文化的、地理的、ディアスポラを介した結びつきは難民の定住先を決める際に特に大きな影響を及ぼすことがある。また、避難を余儀なくされた移民が、庇護を提供する、遠く離れたなじみの薄い移住先へ向かうこともある。庇護を提供することで、移住先は差し迫った支援を必要とする人々に避難場所を与えると同時に、成長する人材ハブとのディアスポラを介したつながりを強めることもできる。)

検討すべきその他の戦略として、対象を絞った広告キャンペーンの実施や、将来の人材ハブとなる国々に対するビザ発給枠の拡大が挙げられる。学校、研究機関、企業の間の制度的な連携も、移住を促し、実現を後押しできる。

私たちの調査によれば、ディアスポラのネットワークは、時間の経過とともに移民の移住経路にますます影響を及ぼしている。つまり、今日形成されるつながりは、自発的な移住によるものでも、悲劇的な避難によるものでも、将来の移住経路を形づくる可能性が高い。適切な戦略と短期的な十分な投資により、各国は世界の人材に人気の移住先として将来を確かなものにし、それによって経済の長期的な回復力と成長の基盤を整えられる。

さらに読む:多様な移民を呼び込むことは、経済的な成果につながる移住戦略を構成する6つの要素の一つにすぎない。残る5つの要素については、BCGヘンダーソン研究所の新しい報告書「成長とイノベーションのための新たな移住戦略」をお読みください。

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