「働く未来」はすでにここで、今まさに起きています。
今日の経済を明日の経済へと形作るために、私たちは絶えず適応し続ける必要があります。そのためには、明確なビジョン、起業家精神、社会的結束、ディーセント・ワーク、そして社会正義が求められます。
官民パートナーシップが働く未来を形づくる原動力となり得る3つの方法を以下に示します。
働く未来は遠い先のことではありません。 それは、ここで、今まさに起きているのです。
食品を玄関先まで届けるプラットフォーム労働者、病院でのAIの活用、持続可能な方法で生産された製品に対する消費者需要の拡大は、過去10年間に仕事の世界がどのように変化してきたか、そして今後もどのように進化し続けるかを示す例です。
私たちは、人口構造の変化、デジタル生活への移行、(脱)グローバル化、グリーン移行、移住の流れなど、労働市場と仕事の世界に影響を及ぼす大きな課題に対して、機会を捉え、対処しなければなりません。
世界経済フォーラムは、働く未来に関して何に取り組んでいるのでしょうか?
繁栄と包摂的な未来に向けて力を結集する
今日の経済を明日の経済へと形作るために、私たちが絶えず適応し続けなければならないことは、極めて明白です。そのためには、明確なビジョン、起業家精神、社会的結束、ディーセント・ワーク、そして社会正義が求められます。
仕事が社会と個人に与える多大な影響を踏まえると、企業と政府が力を合わせれば、繁栄と包摂的な未来を創り出せると私は考えます。官民パートナーシップが働く未来の原動力となり、ひいてはすべての人にとってより良い未来につながることを示す3つの方法を説明させてください。
1. 何よりも「人」が重要
まず何よりも、人の視点を擁護する必要があります。国は、すべての国民が豊かになって初めて発展できると、私は深く確信しています。働く年齢にあるすべての人は、ディーセント・ワークを通じて生計を立て、スキルや才能を十分に伸ばす公正な機会を得るに値します。
これは、公平性と社会正義に基づく労働市場を意味します。では、実際にはどういうことでしょうか。それは、企業の成長を妨げることなく労働者の利益を守る効果的な労働法を整備し、労働者の権利を保障する規範的基準を推進して、グローバル市場における公正な競争条件を整えることを意味します。また、就労プロセスに参加できない人々への社会保護を確保しつつ、育児や医療へのアクセスを提供することも含まれます。
企業に対して:底辺への競争に加わることを拒否してください。代わりに、最も重要な成長の源泉である労働力を大切にしてください。包摂的な採用を考えてください。公正な賃金の支払いを考えてください。柔軟な勤務時間やリモートワークの可能性を考えてください。人の視点こそ、私たちの行動の出発点であり中核であるべきです。
2. 学びから成長へ
次に、政府と企業は、絶えず変化する仕事の性質に必要な生涯学習とスキル移行の分野で、互いに補完し合わなければなりません。
政府は、その未来の明確なビジョンと、それを どのように形づくるかについて明確な構想を持つべきです。そして、その未来がより環境に配慮し、より包摂的で、デジタル化がもたらすあらゆる恩恵を活かしたものであるべきことは、疑いようがありません。したがって政府は、こうした目標に向けた教育とスキル開発を、財政面(税制優遇、補助金)と規制面の両方から、例えば国境を越えたスキルの認定を可能にすることによって奨励すべきです。
政府はまた、必要とされるスキル移行について(データに基づく)知見を提供するとともに、それらの知見を収集するために企業と協力すべきです。
一方で企業は、従業員の適応力を優先することによって従業員を後押しすることができます。例えば、(未来の)仕事と今後の移行に引き続き対応できるよう、研修プログラムや見習い制度を提供することが挙げられます。また企業は、従業員の適応力への投資も考えるべきです。それは従業員の職務満足度を高め、より希望する場合には異なるキャリアの道を選ぶ力を与えるからです。
3. 成功にはすべての関係者の協力が必要
第三に、強力な社会対話を提唱するのがオランダの大臣であることは、驚くべきことではありません。私は日々、自国および国際的な場で、「ポルダー(polderen)」[交渉と合意によって統治するオランダの文化]の恩恵を実感しています。例えば、国際労働機関(ILO)においても同様です。
雇用の形態が変化する中、また世界の多くの地域で大規模なインフォーマル部門が存在する中、労働者と使用者の代表性を強化することは、政府と企業の双方にとっての課題です。すべての人に声を与えることは「慈善」の問題ではなく、人々、企業、そして社会全体に利益をもたらすものです。
それは、イノベーション、包摂、公正な環境、労働者の意欲向上、そして総じて繁栄する社会につながります。
これは、人間中心のアプローチへと私を立ち戻らせます。政府、企業、労働者、労働組合、そして私たちがそれぞれ代表する組織はいずれも単独では活動できず、互いのアイデア、懸念、夢に耳を傾け、それらを考慮に入れる必要があります。
私たちは自らに、そして互いに問う必要があります。私たちが望む未来とは何か。私たちは社会がどのような姿であってほしいと望んでいるのか。これらはすべての私たちに向けられた問いであり、共に取り組んでこそ、その未来を形づくることができるのです。
カリアン・ファン・ゲンニップは、ジョブズ・コンソーシアム(Jobs Consortium)の一員です。ジョブズ・コンソーシアムは、すべての人にとってより良い働く未来という共通のビジョンを掲げる、大臣、CEO、その他のリーダーによるグローバルな連合体です。ジョブズ・コンソーシアムの詳細は こちらをご覧ください。大臣は、ジョブズ・アクセラレーター(Jobs Accelerator)の共同議長を務めることにより、自国の労働環境の改善にも貢献できます。世界経済フォーラムのアクセラレーター・ネットワーク(Accelerators Network)の詳細は こちらをご覧ください。
これは、世界経済フォーラム2023年ダボス会議の際の動画です。動画には、オランダ労働・社会問題大臣のカリアン・ファン・ゲンニップ閣下、ランドスタッド・ホールディングのCEOサンダー・ファン・トノルデンデ氏、UNIグローバル・ユニオンの事務局長クリスティ・ホフマン氏、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールのサウル・P・スタインバーグ経営学・心理学教授アダム・グラント氏が登場し、週4日労働制の長所について議論しています。




