仕事の未来:テクノロジーが「ほぼすべての業務」をどう変えているのか、専門家2人が解説

Experts explain the future of jobs
Future of jobs: 75% of organizations are planning to introduce AI over the next five years.Image: Unsplash/Sigmund
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  • 工場で働く場合も、デスクワークの場合も、テクノロジーはほぼあらゆる職務を変え続けています。

  • 世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023」によると、ほとんどのテクノロジーは今後5年間、雇用にプラスの影響をもたらすと見込まれています。

  • しかし、グリーン移行を含むさまざまな影響が表れるにつれて、仕事のほぼ4分の1が変化するでしょう。

  • オンライン学習企業CourseraのCEOジェフ・マギオンカルダ氏と、世界経済フォーラムのマネージング・ディレクター、サーディア・ザヒディ氏が、このレポートが雇用主と労働者に及ぼす意味について語ります。

「工場労働者でも、最前線で働く人でも、デスクに座る知識労働者でも、私たちはほとんど同じ状況にあります。テクノロジーによって、ほぼすべての仕事のタスクの進め方が変わりつつあります。」

これは、急速に変化する労働の世界で雇用主や求職者が直面する課題について、オンライン学習企業CourseraのCEO、ジェフ・マギオンカルダ氏が示した見解です。同氏は、世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023」についてコメントしました。このレポートにはCourseraもデータを提供しています。

新技術の導入とデジタル化が、企業と仕事の変革を促す要因の上位2つであり続けているのは、驚くことではありません。

変化を促す主なトレンド。Image: 世界経済フォーラム

今後5年間、ほとんどのテクノロジーが雇用にもたらす正味の影響はプラスになると予想されています。一方、雇用主は、雇用の23%に及ぶ労働市場の構造的な入れ替わりを予測しています。これは、雇用が10.2%増加し、12.3%減少することを合わせたものです。

さらに、この期間に労働者のスキルの44%が変化を迫られ、認知的な問題解決力が前面に出るほか、分析的思考力やテクノロジーリテラシーも重視されるようになります。

世界経済フォーラムのポッドキャスト「Radio Davos」は、急速に変化する世界に適応するために必要なスキルや、レポートのその他の調査結果について、ジェフ・マギオンカルダ氏と同フォーラムのマネージング・ディレクター、サーディア・ザヒディ氏に話を聞きました。以下に、主な発言を紹介します。

仕事の未来レポート2023:労働者のスキルのほぼ半分が変化を迫られる。Image: 世界経済フォーラム

「仕事の未来レポート」とは?

「2年ごとに、最高経営責任者、人事責任者、戦略責任者を対象に大規模な調査を行い、現在、仕事の世界に何が影響を及ぼしていると考えるかを尋ねています」とザヒディ氏は言います。

「導入されそうなテクノロジーは何か。直面するその他のメガトレンドは何か。そして、それは各社や各業界の具体的な職務にとって何を意味するのか。スキルにとっては何を意味し、人材の獲得や育成の方法にどのような影響を与えるのか、と尋ねています。」

「今回で4回目となり、約45か国、27の異なる業界クラスターを対象としています。調査対象の雇用主が代表する労働者の総数は約1,130万人です。世界全体では、私たちが何らかの分析を行える職種は約6億7,300万に上ります。」

雇用市場に最も影響を与えているトレンドは?

「いくつかのマクロトレンドについては、不確実性が非常に大きな要素です」とザヒディ氏は言います。

「非常に前向きなトレンドもあります。グリーン移行への投資が雇用に大きなプラスとなることは明らかです。また、ESG基準がさまざまな企業や業界に広く適用されることで、成長が促される可能性が高いことも明らかです。

「一方で、長期的な景気後退のリスクもあります。高インフレが続き、投入コストだけでなく消費者の購買力にも影響しています。こうしたトレンドは、最終的に雇用にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いでしょう。」

しかし、ザヒディ氏によれば、「今日の話題」である技術変化と企業がテクノロジーを導入する速さについては、見通しは一様ではありません。

「約半数の企業は雇用の見通しを非常に前向きに捉えていますが、4分の1はかなり否定的に見ています。具体的なテクノロジーによりますが、グリーン移行ほど前向きではなく、私たちが目にしている経済トレンドほど否定的でもありません。」

今後5年間に導入が見込まれるテクノロジーの中で、AIの順位が上がっています。Image: 世界経済フォーラム

生成AIは雇用やスキルにどのような影響をもたらすと考えられますか?

ザヒディ氏は言います。「私たちは以前から、自動化とその他の技術変化の両方を調査してきました。『人間と機械の境界』と呼ぶものを捉えようとしてきました。どのようなタスクやスキルが自動化されつつあるのか。調査回答者の平均では、タスクが自動化されやすくなったとは、3年前と比べて考えられていません。

「身体を使う作業や手作業の自動化は、3年前より加速しているわけではありません。ある程度は、すでに進んでいたからです。

「しかし、人と人との調整、意思決定や推論の支援、コミュニケーションといった、人間らしさが色濃い特性については、実際に自動化の見込みが高まっています。以前よりも自動化が進むと予測されているのは、まさにこうした領域です。

「生成AIの動向や、さまざまな業界で急速に導入が進んでいる様子を誰もが目にしているので、驚くことではありません。今後さらに大きな変化が起きると予測されているのは、まさにこの領域です。」

今後、人間と機械の間でタスクがどのように分担されるか。Image: 世界経済フォーラム

AIは職種にどのような影響を与えるでしょうか?

AIとビッグデータは、現在、一般的な中核スキルとしては合わせても15位にとどまります。しかし、2027年までの企業研修戦略では、すでに優先度が3番目に高い項目です。従業員5万人超の大企業では、最優先に挙げられることさえあります。業界全体では、組織の75%が今後5年間にAIを導入する計画です。

「創業者のアンドリュー・ンは、AIは新しい電気だとよく語っています」とマギオンカルダ氏は言います。「AIは社会のあらゆるものに浸透していくでしょう。汎用技術と呼ぶ人もいます。あらゆるものを変えるでしょう。

「準備ができているかどうかにかかわらず、デジタル化されたもののほとんどは変化し、AIを活用するようになるでしょう。」

雇用に起きている入れ替わりについて説明していただけますか?

仕事の未来については、全体としてかなり大きな変化が見られます、とザヒディ氏は言います。

「過去3年間、パンデミックが多くの労働力に大きな混乱をもたらしました。地政学的な混乱もさまざまな業界に影響し、旅行・観光から食料やエネルギーの生産にまで及びました。労働者は再び労働市場に戻ることをためらっています。こうした業界は大きく変わり、求められるスキルも大きく異なるため、必要なスキルセットを持つ人材の確保に苦労しています。

「一部業界のレイオフについては、パンデミックの最中に大幅に事業を拡大した後、今は調整局面にあります。しかし、ほとんどの先進市場では、全体の数値が労働市場の極めて逼迫した状態を示しています。

「この調査が対象とする新興国や発展途上国の多くも忘れてはなりません。そこでは逆の懸念があります。失業率はパンデミック前の水準まで回復しておらず、当時もすでにかなり高い状態でした。特に若者の失業率がそうです。」

雇用のほぼ4分の1が、増加と減少を通じて変化します。Image: 世界経済フォーラム

最も増加が見込まれる職種は?

ザヒディ氏によれば、現在の規模に対する比率でも、絶対数の変化でも、雇用の大幅な増加が見込まれる中核分野が3つあります。

「最も大きな成長が見込まれるのは、グリーン雇用やグリーンスキルが求められる分野です。サステナビリティの専門家から、グリーンエネルギーの生産や再生可能エネルギー源に携わる人、再生可能エネルギーの技術者、太陽光発電設備の設置作業員まで含まれます。各国政府が行っている投資や、企業にそうした分野への投資を促すために設けているインセンティブに沿って、これらの分野は成長する可能性が高いでしょう。

世界経済フォーラムの「仕事の未来レポート2023」による、増加・減少が見込まれる職種。Image: 世界経済フォーラム

「しかし、絶対数で最も大きく増え、最も多くの雇用が創出されるのは、教育と農業です。教育業界全体では約10%の成長が見込まれ、職業教育の教員や大学・高等教育の教員の雇用が約300万人増えるでしょう。農業関連の専門職では、農業機械の運転手、等級判定員、選別作業員が15~30%増加し、約400万人の雇用増につながると予想されます。」

雇用主が今求めているスキルは?

「仕事の未来レポート2023」は、組織が業務の中核と考えるスキルを示しており、認知スキルが最上位に挙がっています。

「仕事の未来レポート2023」によると、認知スキルが最上位です。Image: 世界経済フォーラム

「分析的思考力を持つ人や、創造性のある人への注目と関心が高まっています」とザヒディ氏は言います。

「リーダーシップや社会的影響力、他者と協働する能力も非常に重要になっています。人間らしさを形作る特性があるからこそ、互いに関係を築き、職場で革新的で創造的な仕事を成し遂げられるのです。

「同時に、職場に登場した新しいテクノロジーを労働者が使いこなし、より深く理解し、生産性を高められるようにすることに、雇用主がどれほど関心を寄せているかも軽視したくありません。

「つまり、分析力と創造性、リーダーシップと社会的影響力、そしてテクノロジー、とりわけビッグデータを実際に使う能力を組み合わせることが重要です。」

こうしたトレンドに適応できるよう、人々のスキル向上やスキル転換をどのように進めるのが最善でしょうか?

「組織は体制を一新する必要があると認識しつつあります」とマギオンカルダ氏は言います。「変化に対応するため、異なる種類の人材、あるいは少なくとも異なる才能を持つ人々が必要になります。

「通知や会話があちこちに飛び交うリモートワークの世界では、仕事のタスクに集中し続けることが非常に難しくなります。変化や不確実性が激しい時期に、個人がどれだけうまく力を発揮できるか、また多様なグローバルチームと協働できるかが重要になると思います。」

「あなたや私のような人々が職場で毎日使っているスキルのほぼ半分が、今後4~5年だけでも変化を迫られます」とザヒディ氏は付け加えます。

「つまり、スキルの再習得や向上を非常に速いペースで進める必要があります。自発的に取り組む労働者も多いでしょう。しかし、多くの場合、雇用主自身がそうした機会を提供する必要があります。また、政府がもっと大きな支援を行わなければならない場合もあります。」

「仕事の未来レポート2023」によると、この戦略的方針と従業員向けスキル研修の増加との相関はほとんど見られません。Image: 世界経済フォーラム

企業はAIを優先すると述べていますが、「仕事の未来レポート2023」によると、この戦略的方針と従業員向けスキル研修の増加との相関はほとんど見られません。

同様に、大学もこうした継続的な変化への適応に苦労していると、マギオンカルダ氏は言います。

「産業界がより大きな役割を担い、パートナーシップを通じて大学に関わるような、高等教育のハイブリッド型を考えていくことになるでしょう」。Courseraはすでに、ペンシルベニア大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン大学などとこのモデルに取り組んでいます。

こうすることで、学生は双方の長所を得られるとマギオンカルダ氏は説明します。学問的な厳密さと幅広い教育的素養を備えた大学の学位に加え、仕事に直結するより深いスキルも身につけられます。

政府にも大きな役割があります。調査対象企業の45%が、スキル研修への資金提供は、人材獲得を支援するために政府が取れる有効な方法だと回答しました。スキル向上や再習得への政府資金は、雇用の柔軟性拡大、税制優遇、学校制度の改善、移民法の改正を上回る支持を得ています。

「もう一つの視点があります」とザヒディ氏は付け加えます。「雇用主は、人のスキルを示すものについて非常に伝統的な指標に頼るのではなく、考え方を大きく変える必要があります。その人の学位は本当に重要なのでしょうか。どこで、どの種類の学位を取得したか、あるいは10年前にどの職場で働いていたかでしょうか。それとも、職場で実際に何を示せるかでしょうか。」

仕事の未来:組織の82%が研修への投資を計画。Image: 世界経済フォーラム

雇用主はスキルの見方をどう変えていますか?

「仕事の未来2023」調査によると、雇用主は大学の学位を採用判断の基準にするよりも、応募者のスキルを評価する傾向を強めています。

「企業はスキル重視の採用に移行していると言いますが、大学の学位などの学習資格も職務経験もない場合、スキルをどう見極めるのかという疑問は残ります」とマギオンカルダ氏は指摘します。「その人にスキルがあると、どうすれば分かるのでしょうか。」

雇用主のうち、短期講座やオンライン認定資格、いわゆる「マイクロクレデンシャル」の修了を、上位3つの評価基準の一つとするのは5分の1にすぎません。こうした資格を認めれば、低所得層の学習者から職場復帰を望む親まで、これまでアクセスできなかった人材層に目を向けられる可能性があります。

ザヒディ氏は言います。「採用、定着、昇進にあたって雇用主がスキルを優先するようになれば、人々が実際に何を知り、何ができるかに基づいて評価できます。また、スキルの再習得や向上を図るプログラムの対象を、より的確に定めることもできます。

「スキルを優先する方針を前面に出し、大学の資格やその他の伝統的な指標への依存を少し減らせば、より多くの人に機会が生まれます。特定の種類の学位や認定を取得した人材プールだけに限られなくなるからです。

「大学に進学していない人には、企業がより多くの人材を必要としている特定分野に向けてスキルを再習得・向上させる力がないという証拠はありません。これは多くの問題を同時に解決し、社会的な上昇移動を促し、企業が適切な人材を見つける助けとなります。また、政府が労働力の一部に限った支援ではなく、幅広い繁栄にもっと注力できるようにします。」

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