世界経済フォーラムの「持続可能な開発インパクト会合」(SDIM)が、9月23日から27日までニューヨークで開催されます。
第79回国連総会(UNGA)の一般討論およびClimate Week NYCと同時期に開催されます。
選挙、地政学的対立、経済的課題が気候変動対策の勢いを鈍らせかねない重要な年に、SDIMでは気候変動、自然、エネルギー転換が注目を集めます。
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今年は40億人が投票所に向かい、不確実な未来と予測困難な地政学的情勢に対処する指導者を選びます。
一方、地球システムは新たな均衡状態へと移行しています。夏の間に 気温記録が更新されたことを受け、2024年は観測史上最も暑い年となり、2023年を上回る可能性が高いとみられます。自然の閾値、すなわち気候のティッピングポイントのうち5つが超えられる見込みで、経済、社会、人間の暮らしやすさに甚大な連鎖的影響を及ぼします。
気候目標の勢いを保とうとする世界の指導者たちは、緩和策を遅らせる数々の世界的混乱に直面しています。重点を定めることが不可欠であり、革新的な解決策を推進するには、政府、企業、市民社会、慈善活動の担い手の連携も欠かせません。
こうした状況の中、世界の指導者たちはニューヨークに集まり、第79回国連総会(UNGA)およびClimate Week NYCに参加します。開催期間は9月24日から30日です。
同時に世界経済フォーラムは、国連の持続可能な開発目標の達成に向けた行動と連携を促すため、政治、ビジネス、市民社会の指導者を招き、持続可能な開発インパクト会合(SDIM)を9月23日から27日まで開催します。
会期中には新たな報告書が発表され、指導者間の対話では、持続可能な開発と資金調達、自然資本への投資に関する報告書、自然保護、汚染への対処、COP29に向けた道筋といった主要テーマを取り上げます。
知っておきたいことをご紹介します。
気候とエネルギーに関する注目セッション
鉱業から製造業まで、エネルギー転換を成功させ、ネットゼロ排出を実現するには、産業界が脱炭素化を加速させる必要があります。脱炭素化の効率性、費用対効果、拡張性を高める新たなイノベーションや技術には、どのようなものがあるでしょうか。
Vivek Salgaocar氏(Prospect Innovation PTE LTDマネージングディレクター兼創業者)は、Melissa C. Lott氏(コロンビア大学気候学部教授)、Barinder Rasode氏(Tersa Earth Innovations CEO兼共同創業者)とともに登壇し、Sadaf Hosseini氏(世界経済フォーラムUpLink、成長・パートナーシップ・イノベーション・エコシステム責任者)が司会を務めました。
セッション全編は以下からご覧いただけます。
今年、生物多様性、気候変動、砂漠化に関する3つのCOPに、世界の意思決定者が集まります。公共部門と民間部門の担い手は、現在の地経学的緊張を乗り越え、より包摂的な経済を実現しながら、炭素排出を抑制し生物多様性の損失を食い止めるために必要な行動をどう起こせるでしょうか。
Ibrahim Thiaw氏(国連事務次長、国連砂漠化対処条約(UNCCD)事務局長)は、Maria Susana Muhamad氏(コロンビア環境・持続可能な開発省大臣)、Sumant Sinha氏(ReNew会長兼CEO)、Jesper Brodin氏(Ingka Group(IKEA)CEO)とともに登壇し、Mirek Dušek世界経済フォーラム専務理事がセッションの冒頭で紹介しました。
Thiaw氏は、3か月間に3つのCOPが開催されることについて、「各国や締約国にとって、ある条約に特化した決定が別の条約に悪影響を及ぼしかねない状況を避け、実際にもっと全体的な視点を持つ素晴らしい機会です」と述べました。
「生物多様性や気候、土地劣化の問題を個別に解決することはできません。非常に一貫した視点を持つ必要があります」と付け加えました。
Sinha氏は、ほかの2つのCOPも同じように重要であるため、私たちはそこにももっと深く関与する必要があると述べました。
「企業部門は、実際のところ、このほか2つのCOPへの関与がさらに遅れていると思います。」
「自然と協力しなければ、気候変動を抑えることはできません」とMuhamad氏は述べ、3つのCOPの相乗効果は今年明らかになるだろうと付け加えました。
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汚染は世界最大の環境関連の疾病リスク要因であり、世界の死亡者の6人に1人に関係しています。経済を近代化し、資源をさらに採掘し、成長を続ける中で、経済、社会、環境の健全性を支えるために、汚染の発生源と影響にどう対処すべきでしょうか。
Leslie Johnston氏(Laudes Foundation CEO)は、Stefan Klebert氏(GEA CEO)、Jane Burston氏(Clean Air Fund CEO)とともに登壇し、Douglas McCauley氏(ベニオフ海洋科学研究所所長、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が司会を務めました。
Burston氏は、大気汚染によって8人に1人が命を落とし、喫煙を抜いて死亡原因の第2位になったと述べました。「何らかの対策を講じなければ、大気汚染による死亡者数は2050年までに倍増すると予想されます。」
さらに、「心臓発作、肺がん、ぜんそく、脳卒中が大気汚染によって引き起こされたことを、多くの人は理解していません」と述べました。
Klebert氏は、大気汚染に関する政策について話し合うこと、そして企業が汚染の測定を始め、削減するための対策を実行に移すことが非常に重要だと述べました。
WTOによると、世界貿易は2025年に3.3%成長する見込みですが、この成長を世界の自然・気候目標に沿わせるには多くの課題が残っています。経済発展を促しながら次世代技術を支援し、環境の持続可能性を確保する貿易の枠組みをつくるため、企業と政府はどう協力すべきでしょうか。
John F. Kerry氏(米国務省気候変動担当大統領特使(2021~2024年))は、Laurence Tubiana氏(欧州気候基金CEO)、Catherine Feingold氏(米国労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)国際部長)とともに登壇し、フォーラム会長のBørge Brende氏が討論の司会を務めました。
Kerry氏は、炭素国境調整メカニズム(CBAM)が米国でも浸透し始めていると述べました。
「世界の貿易構造は不公平で、WTOは崩壊寸前です。米国の選挙後には、非常に真剣な貿易協議が必要になるでしょう。
「世界全体で本当に必要なのは、炭素に価格を付けることです。地球上の国々が集団で選択できることの中で、これが最も大きな影響をもたらす唯一の施策です。実現は間近ではなく、それが課題です。」
さらに、「気候危機という課題への対応は、産業革命以来、地球が経験した最大の経済的機会です。文字どおり、あらゆるものを変えなければなりません」と述べました。
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知っておきたい報告書と発表
気候変動による最も壊滅的な影響を緩和するには、緊急の行動が不可欠です。地球観測(EO)技術とイノベーションは、気候インテリジェンスの新時代を切り開き、前例のない知見と解決策をもたらして、差し迫った課題への対処を支えています。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボと共同で執筆した本ホワイトペーパーは、気候インテリジェンスと予測におけるEOの変革的な可能性を示します。
2018年から2022年にかけて、世界の企業慈善資金のうち気候と自然に充てられたのは5%未満でした。2024年1月、フォーラムの「地球の行動を拡大する寄付」(GAEA)は、2030年までに気候・自然関連の取り組みに賢明で触媒的な資金10億ドルを動員する「人々と地球のための企業慈善チャレンジ」を開始しました。本ホワイトペーパーは、社会に前向きな影響をもたらすうえで企業慈善活動が果たしうる役割を探ります。
自然資本への投資:自然に必要な資金調達を支えるイノベーション - 9月24日発表
フォーラムの自然・気候センターは、自然への資金を拡大するため、多様な関係者の大規模な連携を調整しており、重点分野を3つ定めています。(1)意思決定への自然資本の主流化、(2)自然にプラスの影響をもたらす金融セクターへの移行支援、(3)自然への資金調達に向けた革新的なアプローチの推進です。本報告書は、各分野の知見をまとめ、「自然資本への投資は不可欠であり、魅力的で、実現可能である」という明確なメッセージを伝えます。テクノロジー、人々、新たなビジネスモデルがこれを可能にし、自然への資金を拡大する新たな方法を紹介することを目指しています。本報告書は、フォーラム自然・気候センターの「ネイチャーポジティブ」部門と、フォーラムのオープンイノベーション・プラットフォームUpLinkの共同制作です。
国家管轄権外区域の海洋生物多様性を管理する:民間部門の役割と機会 - 9月24日発表
国家管轄権外区域(ABNJ)は、地球に残された貴重な共有財産の一つであり、地球上の生命を維持するうえで極めて重要です。これらの区域は、画期的な国家管轄権外区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国連海洋法条約に基づく協定によって保護されます。世界の海洋の3分の2を占めるこの区域には、未確認の種が数百万種生息し、熱を吸収して大気中の過剰な二酸化炭素を蓄えることで、気候の調整に不可欠な役割を果たしています。また、世界貿易の90%がこの区域を通過し、重要なインフラが置かれているほか、世界の漁獲量の最大12%を占め、世界の食料安全保障にも貢献しています。国連グローバル・コンパクトとの協力により、本ホワイトペーパーは協定の実施に向けた民間部門の関与を支援する提言を示します。
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