女性の健康:社会全体の利益につながる投資としてコストを捉え直す

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  • パンデミックによって女性の健康は深刻な後退を余儀なくされました。投資をさらに拡大しなければ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進展を回復することはできません。

  • 女性への投資は、社会全体の健康に対する投資収益という点で比類がありません。

  • 女性に焦点を当てた研究に推定3億ドルを投資すれば、130億ドルの経済的リターンが見込めます。

女性の健康とウェルビーイングに関して、私たちは重大な局面を迎えています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、女性の健康は壊滅的な後退を余儀なくされ、投資を拡大しなければ、パンデミックによる損失を取り戻し、SDGsの達成に向けた進展を回復することはできません。

この点は、主要セッションで、今週初めに世界経済フォーラムが開催した会合でも認識されました。このセッションには、さまざまな分野の世界のリーダーが集まり、女性への投資がもたらす大きな経済的利益や、すべての人にとってより健康で公平な世界を実現するため、健康分野を世界的に優先し、投資を加速する方法について話し合いました。

女性の健康は社会の豊かさ

あまりにも長い間、女性とその家族は、満たされない健康ニーズと、それに伴う身体的、経済的、社会的な負担に対処することを余儀なくされてきました。これは個人の問題と見なされてきましたが、その認識を変える必要があります。

女性への投資は、社会全体の健康に対する投資収益という点で比類がありません。女性の健康に投資することは、個々の女性だけでなく、その家族や地域社会、さらには自国の経済と未来への投資でもあります。以下をご覧ください。

世界経済フォーラムは、医療の現状を改善するためにどのような取り組みを行っていますか?

保健医療センターは、世界各地の医療制度が直面する、アクセス、公平性、レジリエンス、備えなどの課題について理解を深めるため、リーダーをつなぎます。

信頼に基づく対話と官民連携を通じて、同センターはパートナーが共通の優先課題に取り組み、健康の改善に向けた集団的な行動を進められるよう支援します。

同センターの取り組みを見る

流れを変える解決策を見いだす

セッションでは、パネリストが幅広い重点分野を取り上げ、女性と少女の健康を改善するための優れた実践例や革新的なアプローチ、今後の道筋を示しました。

意図しない妊娠を防ぐために女性を支援する:新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こる前から、数億人の女性が家族計画サービスを利用できませんでした。その後、パンデミックによって避妊へのアクセスが大きく妨げられ、状況はさらに悪化しました。国連人口基金(UNFPA)の調査によると、家族計画サービスや物資へのアクセスが妨げられた結果、115カ国で1,200万人の女性が避妊手段を利用できなくなり、最大140万人の意図しない妊娠につながりました。現在、妊娠の半数が意図しないものとなっているのも不思議ではありません。

持続可能な開発の観点から、家族計画へのアクセスを拡大するためには、さらに多くの取り組みが必要です。分野横断的なパートナーシップがいくつか生まれ、避妊の選択肢が利用しやすくなりました。今後は、女性がどこに住んでいても最新の避妊法を利用できるよう、地域間の格差を縮小することに重点を置く必要があります。女性が自らのリプロダクティブ・ヘルスを管理できるようになれば、教育やキャリアの機会を優先し、経済を活性化して貧困を減らす可能性が高まるからです。

MomCareは低所得の女性に人生を変えるような妊娠ケアを提供しています
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ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進:各国政府が自国でユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現を目指すなか、国家戦略にはジェンダーの視点を取り入れ、女性と少女に固有のニーズと機会を政策、計画、予算の中心に据える必要があります。

例えばインドでは、政府資金による医療サービスを、社会的に疎外された地域の1億世帯に届けるプログラムが実施されています。このサービスには、女性が乳がんや子宮頸がんの検診を受けられるよう支援する取り組みも含まれます。アクセスを中心に据えた政策立案と、婦人科がんをめぐる文化的障壁への対応を組み合わせた多面的なアプローチにより、女性は医療を利用しやすくなり、自らの健康を変えていく力を得ています。

飛躍的な進歩をもたらすイノベーションの推進:あまりにも長い間、女性の健康はリプロダクティブ・ヘルスと同義とされ、女性の健康ニーズは優先されてきませんでした。その結果、女性だけに見られる、あるいは女性に偏って見られる疾患が広く顧みられない状況が生じています。バイオ医薬品の研究開発費全体のうち、女性特有の疾患に充てられるのはわずか4%です。FDAが2022年に承認した処方薬は計37品目でしたが、女性特有の健康状態を対象としたものはわずか2品目でした。女性向けの解決策に対する承認が驚くほど少ないこの傾向は、毎年繰り返されています。

しかし、女性の健康分野にはイノベーションの兆しもあります。オルガノンのような民間企業は、女性の健康におけるイノベーションへの持続的な注力を実現するうえで重要な役割を担っています。例えばオルガノンは過去18カ月間に、産後出血や子宮内膜症など、満たされていないニーズが大きい分野で、新薬やその他の製品を取得またはライセンス導入するため、8件の事業契約を締結しました。オルガノンは商業モデルを構築することで、この分野に関心を集め、女性の健康のイノベーションが花開く豊かなエコシステムづくりに貢献しています。

世界規模で求められる協働

複合する危機に世界が直面するなか、ジェンダーを包摂するパートナーシップ、政策の変革、イノベーションを迅速かつ断固として、そして協力して進め、女性の健康を改善し、経済的機会を広げ、SDGsの実現を目指さなければなりません。集団的な進展を促すには、女性のニーズを包摂し、それに応える取り組みとし、女性の声を生かして行動を加速する必要があります。これほど大きな課題に取り組み、女性、社会、経済にとってより健康な世界を実現するには、民間、公的機関、多国間組織など、分野を超えた前例のない協働が不可欠です。

フォーラムの旗艦イニシアチブ「女性の健康」のように、分野横断的な視点を生かす連合は、より賢明な投資を促し、従来の縦割りを解消し、世界的な対話を始める助けとなります。そうすることで、女性の健康への投資はコストではなく、真の投資機会であり、極めて重要な世界的優先課題として捉えられるべきです。それは、次の世代以降にわたる未来を形づくるものです。


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