ダボス2023:モロッコ政府首脳アジズ・アハヌーシュ氏による特別演説

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  • モロッコ政府首脳アジズ・アハヌーシュ氏が、ダボス2023で講演します。

  • 同氏は、若者の力の活用、建設的な対話、そして「新しい経済に伴うリスクに直面する中での警戒」を呼びかけています。

  • 特別演説の全文はこちらからお読みいただけます。

本日、私たちが同時に多くの課題が前例のない形で同時に顕在化しているという状況の中でお話しできることを、特に嬉しく思います。これらの課題には、生態系への移行を加速させ、生産様式と連帯のあり方を再構築する緊急の必要性が含まれており、同時に、深刻な地政学的変化も考慮に入れる必要があります。

モロッコ王国は、ムハンマド6世国王陛下(神のご加護がありますように)の啓発された指導の下、新世紀の到来以来進行している深刻な変化を、早くから見極めてきました。そのため、戦略面と戦術面の双方から対応する準備を整えてきました。

国王陛下が示された深く改革志向で連帯に基づくビジョンのおかげで、同国は、社会経済面で不可欠な根本的改革を明確に示す幅広い戦略を打ち立てるとともに、当面の緊急の懸念にも対応してきました。特に、社会の中で最も脆弱な層に関して。

この成果と連帯の二つの要請により、モロッコは新型コロナウイルス感染症危機を模範的な形で乗り越えることができました。世界で最も低い死亡率の一つを達成し、世界銀行をはじめとする複数の機関から手本として取り上げられるほどの社会経済的な回復力を示しています。

当然なことながら、これは偶然によるものではありません。モロッコのこの回復力は、同王国が数十年にわたって享受してきた制度面および マクロ経済面での安定に根ざしています。

さらに、この困難を乗り越えてきた力は、国王陛下が強力に支持してこられた社会的な取り組み、すなわち持続可能な開発において連帯を打ち出す民主主義、そして独自性を育みながら世界の進歩に積極的に参加しようとする国家を実現するという取り組みの重要性も浮き彫りにしました。

モロッコ王国は、連帯に基づく民主主義の特質を長年にわたり育んできました。特に法の支配については、この20年間で大きな進展を遂げており、憲法によって保障された権利と自由を強化するために、私たちは不断の努力を続けています。

この点に関して、国王の指示に従い、モロッコは権利と自由を現代化する第二世代の改革に取り組んでいます。その例として、男女平等、表現の自由、行政決定に対する不服申し立ての権利、障害者のアクセスと実質的平等、そして過ちを犯す権利などが挙げられますは、象徴的な例のほんの一部です。

こうした法的な進展は、社会国家の柱を強化し、国家と市民の間の約束を刷新するという、より広範な取り組みの一環です。ここでの狙いは、市民を公共の取り組みの中心に据えることであり、いくつかの根本的な歪みを是正することによって、機会の平等へと前進することです。

この目的のために、私たちは多くの資産を有しています。その第一は、そのうちの無形のものです。世界の一部の人々が、一つのボールと二十二人の選手が関わる大きな国際スポーツイベントの最中に、モロッコ人が祖国にどれほど深い愛着を持っているかを最近知ったようですが、このことは国民共同体にとって驚きではありませんでした。

国民は一体となり、国家の結束力である君主制によって、国内外に暮らすモロッコ人は祖国との間に独自の絆を保っています。王国が、ユーロ・アフリカ・パートナーシップにおける重要なプレーヤーとなるまでに至った、模範的な発展の軌跡を通じて野心を明確に示すにつれて、その絆はさらに強まっています。また、地中海地域における主要な工業拠点の一つでもあります。

最後に、彼らがこの絆を育んでいるのは、王国が、国王陛下の啓発された指導の下で真の「静かな革命」を開始したからです。モロッコのすべての国民のための社会保護の取り組みを効果的に実施していることにより、モロッコは、アフリカで初めて、所得や職業にかかわらず、国民に医療や、退職を含む社会給付を提供する国となりました。

競争力の観点からは、包摂的で連帯に基づく制度と、保健制度の大幅な改革が相まって、極めて短期間のうちに魅力を高めることが可能になるはずです。実際、これは、私たちの一流の物理的インフラを補完するものであり、これらのインフラによって、モロッコは空・陸・海の接続性において、この地域で比類のない地位を確立しています。具体的には、2,000キロメートルの高速道路網、アフリカで初の高速鉄道路線、アフリカ大陸最大の地中海側の港、そして間もなく大西洋側でも最大となる港、さらに、アフリカへの非常に大きな展開能力を提供する14の国際空港などです。

紳士淑女の皆さま、

モロッコでは、私たちは自らの資産と、目指すべき地位を十分に認識しています。同時に、前途に横たわる課題も十分に認識しています。

これらの課題には、「現在に未来を与える」必要性が含まれます。それは、わが国とアフリカ大陸で最も大きな富である若者が、正規の労働市場に参入するだけでなく、起業を通じてその創造的エネルギーを解き放つための、十分な機会を得られるようにすることです。

こうした観点から、私たちが最近導入した改革の意味は、税制を調和させ、簡素化することにあります。また、国際的な最高水準に近づけると同時に、成長の最も重要な原動力である零細企業および中小企業の税負担を軽減することも目的としています。

実際、古い経済と新しい経済が衝突している今日――クラウス・シュワブ氏、あなたが著書『第四次産業革命』で予見的に明確に示したように――両者が組み合わさることが望ましい時に、若者の問題は、これまで以上に不可分なものとなっています。一貫性と包摂性を備えた開発計画において、この問題は欠かせません。

この計画は、モロッコが2035年までに展開しようとしている計画を反映しています。これにより、経済と社会の側面をより強く結びつけると同時に、現在では私たち全員に求められている生態系への移行という一貫した方針を強化します。

実際、この野心は重要な問いを提起しています。市場が創造的エネルギーを解き放ち、その社会的機能を果たせるようにするには、どうすればよいのでしょうか。同時に、わが国を再びの大きな危機から守るにはどうすればよいのでしょうか。

私の考えでは、これらが二つの本質的な問いです。なぜなら、私たちは流動性を保つ義務に直面しており、経済の機械を停滞させないようにしなければならないと同時に、警戒を一層高める義務にも直面しているからです。それは、新しい経済に伴うリスクに直面する中での警戒です。

紳士淑女の皆さん、私たちは、ご承知のとおり、歴史の転換点に立っています。2000年を過ぎてから二十年を経て、ようやく世界は本当の意味で二十一世紀に入ったのかもしれません。当時、私たちは皆「大きなバグ」を恐れていました……。

このバグは2020年によううやく現実のものとなりました。ウイルスによって世界経済が鐘で覆われたかのように停止し、歴史の劇的な加速により、私たちは新しく台頭しつつある経済モデルの欠陥と強みに向き合わざるを得なくなりました。

しかし全体として、私たちが共通して学べる教訓は、世界はもはや支配されるものではなく、分かち合われるべきものだということです。

これは、連帯と持続可能な社会を目指すモロッコの取り組みの意味でもあります。それは、ムハンマド6世国王陛下のビジョンに基づくものであり、陛下はパートナー国との対等な協力関係の確立を呼びかけておられます。

このグローバルでありながら不均衡な議論において、私たちは、モロッコ独自の経験を示すことで、その役割を十分に果たしたいと考えています。

したがって本日、私は改めて、私および国王陛下の政府の全閣僚が、皆さまとの対話に全面的かつ完全に応じる用意があることを表明いたします。この対話が、私の願うところでは、共有された、価値の創出につながることを期待しています。

ご清聴ありがとうございました。

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