COVID-19パンデミックを通じて得られた最も重要な教訓の一つは、真に世界規模の官民パートナーシップが、困難な状況下でも成果を上げられるということである。
官民パートナーシップは、パンデミックに取り組んだのと同じ緊急性をもって、気候変動に対処する必要がある。
政府と政策立案者は、新技術およびデジタルソリューションの展開を促進するため、規制および政策の枠組みを積極的に支援・実施するよう努めなければならない。
18か月前、COVID-19パンデミックが世界を席巻し始めた頃、アストラゼネカは新型コロナウイルスに打ち勝つワクチンを開発する緊急の必要性を認識した。今日、私たちはさらに大きな課題に直面しており、それにはさらなる緊急性、イノベーション、協力が求められている。それが気候危機である。
気候危機は、世界のシステムを覆し、人々の健康を害し、地球を不可逆的に傷つける力を持っている。その影響はすでに深刻で、極端な気象現象により地域社会が住居を追われ、大気汚染に関連する呼吸器疾患などの慢性疾患が増加している。これらは、人々が充実した健康的な生活を送る能力を低下させている。
しかしCOVID-19パンデミックとは異なり、世界社会は気候変動への取り組みに同じような緊急性をもって臨んできたとは言えず、この状況は変わらなければならない。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最近の報告書は、気温上昇が健康にとって重大な許容限界に達しつつあることを明らかにしている。今すぐ行動すべき理由が、これほど明確であったことはない。
官民パートナーシップの重要性
COVID-19パンデミックを通じて得られた最も重要な教訓の一つは、真に世界規模の官民パートナーシップが、困難な状況下でも成果を上げられるということである。気候危機に取り組むためにも、私たちは同様のアプローチを取らなければならない。
アストラゼネカによるワクチン開発の経験が、このことを裏付けている。オックスフォード大学、COVAXなどの多国間機関、各国政府、供給パートナーとのパートナーシップがあって初めて、これが可能になった。その結果、低・中所得国を中心とする世界170か国以上に、11億回分を超える有効なワクチンを届けることができた。
気候変動との闘いには、同程度の規模で、地域や分野を越えた協力が必要である。例えば、ネットゼロのヘルスケアを実現するためには、官民双方のセクターが結集し、取り組み方を集団として転換し、より持続可能で強靭なヘルスケアシステムを実現する先駆けとなる必要がある。
その鍵となるのは、サービスとケアの提供方法を変えることであり、それは疾病の予防、早期発見、早期治療への投資を奨励することで可能になる。これにより、病院の負担とヘルスケアのカーボンフットプリントを削減できる。健康は削減すべきコストではなく、投資すべき戦略的資産と捉えなければならない。
Ambition Zero Carbon(ゼロカーボン・アンビション)
2020年1月のダボス会議で主力プログラムであるAmbition Zero Carbon(ゼロカーボン・アンビション)を立ち上げた際、私たちは、2025年までに世界中の事業活動からのカーボンエミッションをゼロにし、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンネガティブとなるという目標の達成には、パートナーとの協力が中心になると確信していた。すでに順調に進展しており、2015年から2020年の間に温室効果ガス排出量を60%削減した。
また、私たちはAZ Forest(AZフォレスト)プログラムの一環として、他の組織とも協力しながら、2025年までに世界中で5,000万本の樹木を植樹し、維持管理している。植林は、気候変動の悪影響を緩和し、地域社会、地域経済、自然、そして地球に積極的に貢献する重要な方法である。
気候危機に取り組むための革新的なソリューションが、あらゆる分野で必要とされている。政府と政策立案者は、新技術およびデジタルソリューションの導入を促進するため、規制および政策の枠組みを積極的に支援・実施するよう努めなければならない。
これほど多くの人命が失われた健康危機から得た教訓を振り返ることは、容易な作業ではない。しかし、それは極めて重要な作業である。何もしないことは、もはや選択肢にはない。





