革新的な資金調達はミナミシロサイの個体群保護にどう役立つのか

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  • 野生生物の違法取引は、実際には世界で4番目に規模の大きい犯罪で、年間70億~230億ドルと推定されています。

  • 種の保全に向けた長期的な資金調達策を確立し、生計手段の開発を通じて人々を関与させることは、保全活動の強化に不可欠です。

  • 「サイ債」として知られる野生生物保全債(WCB)は、期間5年、1億5,000万ドルの持続可能な開発債で、南アフリカの2つの保護区におけるミナミシロサイの個体群の保護と増加に貢献します。

  • サイ債の特徴は、具体的な保全成果の達成に向けて投資資金を振り向ける金融商品である点です。この場合、成果はミナミシロサイの個体群の増加によって測定されます。

世界各地の違法活動について尋ねられたとき、多くの人が思い浮かべるのは、麻薬、人身取引、武器などでしょう。すぐには思い浮かばないかもしれませんが、野生生物やその製品の違法取引も、実際には世界で4番目に規模の大きい犯罪で、年間70億~230億ドルと推定されており、しばしば高度に組織化された国際的な犯罪ネットワークによって運営されています。

保全活動の費用が増加

野生生物取引の大半は合法で、必ずしも問題があるわけではありません。しかし、産業規模の違法活動や地球上の種の全般的な減少とあいまって、世界の動物個体数が50年間で約70%減少している現状では、象徴的な種の一部がいない世界で暮らすことになる可能性があります。

とりわけミナミシロサイの個体群は大きな圧力にさらされており、野生の個体数は1970年の7万頭から、現在はわずか約2万7,000頭にまで減少しました。また、ミナミシロサイの96%が1972年から1996年の間に密猟されたと報告されています。前例のない水準に達したサイの角への需要が価格と密猟を押し上げ、角の価格は1キログラム当たり最高6万米ドルに達したと伝えられています。その結果生じた違法取引により、サイは死亡数が出生数を上回り始める転換点へと追い込まれています。

こうした圧力の結果、ミナミシロサイの個体群を守る保全活動の費用は増加しています。多くの保護区では資金不足に直面しており、従来の資金源では、高度に組織化された大規模な犯罪活動の拡大に追いつけなくなっています。保全管理者は、サイの日常的な管理や保護に必要な資金の調達にも苦労しており、長期にわたって活動を続けるための資金はなおさら確保が難しい状況です。

残念ながら、これは生物多様性保全が直面するより広範な課題を反映しています。ポールソン研究所などによる2020年の報告書『自然への資金調達:世界の生物多様性資金ギャップを埋める』によると、生物多様性と生態系の保全には、今後10年間、年間5,980億~8,240億ドルの資金不足が見込まれています。

世界経済フォーラムは自然に関してどのような取り組みを行っているのでしょうか?

自然・気候センターは、気候、自然、経済発展の相互関係をリーダーが理解するための支援をしています。また、地球の限界の範囲内でレジリエンスと繁栄を支える道筋を探るためのプラットフォームを提供しています。

分野や地域を越えた協力を促すことで、センターは共通理解を実践的な気候・自然ソリューションへとつなげる取り組みをパートナーとともに進めています。

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保全資金モデルの転換

これは複雑な問題です。世界規模の旺盛な需要や組織犯罪に、地域レベルの貧困、汚職、法執行の不備、政治的不安定が絡み合っています。種の保全に向けた長期的な資金調達策を確立し、生計手段の開発を通じて人々を関与させるには、保全活動への資金提供のあり方を変える必要があります。

この問題への取り組みを始めるには、対象を絞り、規模を拡大でき、投資機会と測定可能な改善を結びつけるアプローチが必要です。そうした解決策の一つが「サイ債」です。サイの保全成果を投資家への支払い、そして投資の成功に直接結びつけることを目指しています。

世界銀行(国際復興開発銀行、IBRD)はこのほど、クレディ・スイスを唯一のストラクチャリング・アレンジャーとして、絶滅危惧種の保全に向けた南アフリカの取り組みを支援する野生生物保全債(WCB)の発行条件を決定しました。

サイの個体群はアフリカに集中しており、とりわけ南アフリカに多く生息しています。同国はアフリカのサイ個体群の推定79%を擁しています。サイはアンブレラ種とされ、数え切れないほどの他の動物が依存する生態系全体の形成に重要な役割を果たしています。

「サイ債」としても知られるWCBは、期間5年、額面1億5,000万米ドルの持続可能な開発債です。南アフリカの2つの保護区におけるミナミシロサイの個体群の保護と増加に貢献します。対象となるのは、アッド・エレファント国立公園とグレート・フィッシュ川自然保護区です。債券の発行による資金は、世界銀行の持続可能な開発プロジェクトやプログラム(生物多様性に重点を置くものを含む)の世界各地での資金調達を支援します。WCBのクーポン支払い1,000万ドルは投資家ではなく、サイ保全の資金としてこの2つの保護区に支払われます。

この債券には、次の効果が期待されています。

  • 絶滅の危機に瀕するサイの個体群を保護し、増やす

  • 生物多様性を守り、地球の健全性の改善を支える

  • 保全資金の調達戦略を転換し、保全活動への投資機会を拡大する。

各国が協力してサイを救おうとしている――そしてそれは成果を上げている
各国が協力してサイを救おうとしている――そしてそれは成果を上げている
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ミナミシロサイの個体群の数で成果を測定

サイ債の特徴は、具体的な保全成果の達成に向けて投資資金を振り向ける金融商品である点です。この場合、成果はミナミシロサイの個体群の増加によって測定されます。また、サイの個体群の成長率に応じて、地球環境ファシリティ(GEF)から成果に基づく支払いが行われる可能性があります。重要なのは、このモデルが指標とエビデンスに基づいていることです。これにより、関係者は保全課題を分析・理解し、進捗を定義して成果に焦点を当てるよう促され、短期的なアウトプットから長期的なインパクトへと重点を移すことができます。

WCBを通じて、民間部門の投資を、絶滅の危機に瀕する種の保護と個体数増加に向けた活動の資金調達に直接充てることができます。さらに、生物多様性への直接的な貢献に加え、南アフリカの農村部にある支援が行き届いていない地域で、保全関連の雇用を生み出し、地域社会に仕事をもたらす可能性もあります。また、豊かな自然資本を身近に有する地域社会の意識変革を後押しします。これは、現在脅威にさらされている種の長期的な存続に欠かせません。

WCBモデルは、保全活動の資金調達方法に新たな青写真を示すものであり、2020年以降の「生物多様性に関する世界的枠組み」の実施を可能にする重要な手段となる可能性があります。さらに、このモデルは世界各地で他の保全活動や気候変動対策、開発目標にも適用し、規模を拡大できる余地があります。対象の例としては、ゾウや個別の保護区そのものも挙げられます。

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