製品が気候に与える影響全体に取り組むため、企業はいまこそ「スコープ3」排出量に向き合うべきだ

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  • 国連によると、世界の温室効果ガス排出量は2030年に2010年比で10%増加する見通しです。

  • 間接排出量は企業のカーボンフットプリントの70%を占める一方、依然として多くの企業が直接排出量を主な削減対象としています。

  • 大企業は上流と下流の生産活動における排出量を削減し、スコープ3排出量に重点を移すべきです。

世界の気温上昇を1.5℃に抑える目標の達成に向けた競争は始まっていますが、真に問われるのは「スコープ3」排出量を削減できるかどうかです。

国連によると、世界の温室効果ガス(GHG)排出量は、2030年に2010年比で10%増加する見通しです。そのため企業は、自社の排出量だけにとどまらず、バリューチェーン全体に目を向けることが不可欠です。

温室効果ガスプロトコルの企業基準は、企業のGHG排出量を次の3つのスコープに分類しています。

  • スコープ1排出量は、所有または管理する排出源からの直接排出量です。

  • スコープ2排出量は、購入したエネルギーの生成に伴う間接排出量です。

  • スコープ3排出量は、スコープ2に含まれない間接排出量で、企業のバリューチェーンの上流と下流の両方で発生します。

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直接排出量の削減だけでは不十分

多くの企業は直接排出量の削減を主な課題としていますが、地球温暖化を抑え、パリ協定を実現するには、それだけでは到底不十分です。スコープ3排出量は通常、企業のカーボンフットプリントの70%超を占める一方、環境・社会・ガバナンス(ESG)報告書では一般に報告されていません。気候目標の達成には、この区分に重点を移すことが欠かせません。

11月、業界関係者と世界最大の政府系ファンドであるノルウェー銀行インベストメント・マネジメント(NBIM)がパリに集まり、スコープ3排出量の削減促進について話し合いました。同様に、ヤラは複数の食品企業とこの種の排出量に協働で取り組み、幅広いサプライヤー、パートナー、顧客に行動計画の策定を呼びかけています。企業は単独では取り組めません。協働こそが唯一の道です。

ノルウェーの1兆3,000億ドル規模のファンドを率いるニコライ・タンゲンCEOは、ネットゼロ目標を掲げる企業への投資に取り組んでいると強調しました。また、興味深い数字も明らかにしました。9,000社を超える投資先のうち、排出量の最大70%はわずか174社に由来します。この数字は、大企業が負う責任の重さを示しています。ヤラのような企業には、バリューチェーン全体を正しい方向へ動かす力がありますが、そのためには新たな発想が必要です。

下流にも目を向ける

ヤラの立場から言えば、当社は排出量を50%削減し、さらに30%削減する軌道に乗っています。それでも当社のデータによれば、総排出量の78%はスコープ3に該当します。つまり、上流の生産活動で削減するだけでは不十分であり、農地での排出量を減らすために下流にも目を向けなければなりません。来年、当社は再生可能エネルギーを利用した肥料を導入し、ポテトチップスやパンから牛乳、オレンジジュースに至るまで、食品生産に伴う排出量を大幅に削減します。

農家から原料を調達する他の業界にも同じことが当てはまります。ファッション業界もその一例です。たとえば、綿製品の生産や輸送において化石燃料を使わない代替手段を採用すれば、業界のカーボンフットプリントを大幅に削減できます。

最近、アルゼンチン最大のジャガイモ生産者であるエル・パルケ・パパスを、オスロの本社に迎えました。同社を率いるウォルター・エルナンデス氏は、排出量削減における自身の役割を認識し、次のように述べました。「ポテトチップスの大量生産は、多くの要素が絡む非常に複雑な事業です。2024年に、完全に環境に配慮した、排出のないジャガイモを実現することが私の使命です。」

エルナンデス氏の生産量の60%超はポテトチップス業界向けであり、同氏の取り組みは顧客であるチップスメーカーにも同じように利益をもたらします。同じ目標に向けた共同の取り組みが、食品サプライチェーン全体のフットプリントをいかに削減できるかを示す好例です。

成功に欠かせない4つの基本原則を紹介します。

1)バリューチェーン全体で考える:

BCGによると、GHG排出量の50%を占める上位8つのバリューチェーンの脱炭素化にかかるコストは、わずか1~4%です。この数字は十分に対応可能な水準であり、「削減が困難」または「削減コストが高い」業界という見方を明確に覆します。

2)縦割りを解消する:

知識を共有し、信頼を築く必要があります。すべては、協力しようとする意志と能力にかかっています。

3)再生可能エネルギーに投資する:

再生可能エネルギーへの投資を加速させ、脱炭素製品のコストを引き下げる必要があります。数年以内に、化石燃料を利用した製品とコストを同等にし、需要を喚起することを目指すべきです。

4)炭素を通貨とみなす:

気候に関するデータを支持し、活用する必要があります。企業や人々が低排出の製品やソリューションに資金を投じるには、表示や性能データを信頼できなければなりません。通貨を信頼するのと同じように、炭素を通貨として捉えるべきです。

ESGは今もさまざまな方面から批判を受けています。その多くは、製品や企業の環境フットプリント全体を考慮できていないことに起因します。企業が次に取り組むべきなのは、スコープ3排出量を公の議論に引き上げ、グリーンウォッシュを行う企業と、実際に行動する企業を見分けることです。

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