都市における自然を活用した解決策は、気候変動との闘いの未来だ。資金をどう確保するか

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  • 世界の都市の80%が、気候に関連する極端な事象に直面しています。

  • 自然は、レジリエントで活気にあふれ、将来に備えた都市づくりを支える、最も資源効率の高い解決策です。

  • しかし、自然を活用した解決策の実施には資金が必要です。グリーン移行に資金を投じる5つの方法を紹介します。

今後10年間に新たに都市に住む人々の90%超を、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの市長たちが迎えることになります。膨張する都市の統治は、都市設計や再生だけでなく、気候変動への備えという点でも、継続的な課題です。

現在、世界の都市の80%が気候に関連する極端な事象に直面しており、世界最大の都市圏に暮らす14億人以上が自然災害の脅威にさらされています。

気候変動との世界的な闘いを主導するうえで都市が極めて重要な役割を果たすことは広く認識されています。しかし、気候変動に強い都市づくりの要となる、健全な生態系が決定的に欠けています。

自然:最も費用対効果の高い解決策

都市の住民は、健康、幸福、繁栄、安全を支える自然の恵みに大きく依存しています。都市と市民は自然に頼っているため、自然を守ることで多くの恩恵を得られます。都市は経済と人口の増加に伴うニーズへの対応に苦慮していますが、自然はその助けとなります。

都市インフラの世界全体の投資需要は、年間4.5~5.4兆ドルと推定されており、現在のインフラ投資水準と比べると、年間3,500億ドルの資金不足が見込まれます。インフラ向けの自然を活用した解決策(NbS)は、従来の人工インフラより50%低コストであり、建築環境の脱炭素化、気候レジリエンス、土地価値の回収、雇用創出など、28%の付加価値をもたらします。効果が実証されているにもかかわらず、都市インフラへの現在の支出のうちNbSに充てられているのは0.3%未満です。

NbSへの支出不足や不適切な介入は、成長だけでなく都市の安定にも壊滅的な影響を及ぼしかねません。あらゆる都市と国が、インフラの改修や開発において、自然を活用した気候変動対策を導入することが不可欠です。

都市で自然を活用した解決策に資金を投じる5つのステップ

複数の利害関係者やセクターを横断するパートナーシップは、都市のレジリエンスを高める自然を活用した解決策への投資を増やし、都市の構造的な課題を解決する可能性があります。その実現には、次の5つが必要です。

1. 金融インフラを改革する。

インフラや気候変動対策に自然を活用した投資を行うための予算上の自律性を欠く都市もあります。予算上の自律性があれば、都市は今後の気候、自然、社会インフラの課題に対応できます。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック中、メルボルンとキトは国、地域、自治体の資金機会を活用して、復興の取り組みに気候変動対策を組み込み、アクティブモビリティや自転車インフラの計画を策定・実施しました。従来の信用力評価基準では融資の対象となるだけの資源がない都市も、新たな革新的金融メカニズムから恩恵を受けられる可能性があります。

国際機関や民間投資家は、都市と直接連携し、最も支援が必要な分野を対象とする革新的な金融手段を開発すべきです。資金を社会と自然にとって望ましい成果に結び付けることで、都市の投資計画や民間の資金調達手段は、科学的根拠に基づく気候目標と公平性の原則に沿ったものになります。パンデミックから気候変動まで、さまざまなショックへのレジリエンスを高め、非正規居住地の形成から移住の変化に至るまで、都市の成長がもたらすと予想される影響を見越す必要があります。

2. 投資可能な段階にあるプロジェクトを特定する。

適応資金のうち、特定可能な気候適応プロジェクトに充てられたのはわずか2~9%で、そのうちサハラ以南アフリカ向けは1%未満、南米向けは3%未満でした。善意だけでは不十分です。書面上の解決策や政策提言だけでも不十分です。

都市には、排出量を削減し、気候変動を緩和・適応し、都市インフラ向けの自然を活用した解決策への投資を増やす力がありますが、実際に実施することが不可欠です。融資可能なプロジェクトを整えて、基盤を築かなければなりません。規模の経済を実現するため、都市には標準化された手続きとプロジェクトを束ねる方法が必要です。都市と投資家それぞれの視点からプロジェクトを集約すれば、拡大しやすくなり、投資先としての魅力も高まります。

こうした道筋を実現できるよう、政策、金融メカニズム、空間的な介入を含めた連合を築くために、関係者が結集することが重要です。これには、世界規模で拡大できる官民連携の成功モデルを選び出し、地方政府の能力を高め、共同計画や共同投資の新たな手法を試行することが含まれます。

実績のある解決策を特定し、自然と気候を担当する専門チームを設けるとともに、自然にとってプラスとなる投資を行う必要があります。

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3. 政策と法制度を改革する。

有害な介入を規制しながら、税制優遇や効果的な補助金によって自然にとってプラスとなる投資やプロジェクトを促進することが不可欠です。

活動家から企業のリーダーまで、幅広い専門家や利害関係者を巻き込み、自然にとってプラスとなる基準や考慮事項を法律や規制の枠組みに盛り込む必要があります。

政策と法制度の改革は、持続可能な慣行を広く実施し、より安全でレジリエントな都市環境を実現するための大きな一歩です。

競争力を高め、イノベーションを促進し、持続可能な移行を加速するため、研究開発(R&D)への投資も優先すべきです。建設セクターは、研究開発(R&D)投資が不足しているため、従来は保守的でローテクな産業と見なされてきました。投資額は、売上高に占める割合で一桁台前半と推定されています。グリーン手法の革新的な活用に関する英国のR&D税額控除などの税制優遇措置は、成長と持続可能なイノベーションへの投資を促す助けとなります。

4. 企業とのパートナーシップを築く。

従来型の調達方法と比べ、官民パートナーシップ(PPP)は、プロジェクトの全ライフサイクルを通じて効率性と有効性を高める点で優れています。

公共部門による計画や投資を補完するうえで、民間部門は市場に関する知識と先端技術を製品へ移転してきた経験を生かし、独自の立場から革新的な解決策を開発できます。

Hydromediaはその一例です。Holcimが設計した透水性コンクリートで、非常に速い速度で水を吸収し、雨水の再利用を助けます。同時に洪水を防ぎ、ヒートアイランド現象を軽減します。これは、公共部門やインフラ事業に明確な用途を持つ民間部門のイノベーションです。

同様に、ソニーは拡張生態系を試み、東京の複合施設の屋上庭園に200種を超える植物を導入し、都市環境に自然の生態系を再現しました。人工知能を活用した取り組みです。

5. 包摂的な意思決定と共同設計を確保する。

政府、企業、地域コミュニティ、市民社会団体など、すべての利害関係者が都市における自然を活用した解決策の拡大に役割を担っています。パートナーシップは、その恩恵を広げるうえで鍵となります。

中新天津エコシティは、その一例です。かつての産業廃棄物処分場に建設されたこの都市では、広範な緑と水のネットワークが中心部に緑の肺を形成し、水の循環と水質を改善します。これにより生態環境が向上するとともに、ビジネスやレクリエーション活動に魅力的な環境が生まれます。

フリータウンは、コミュニティの参加と専門家による自発的な技術支援を活用して証拠を集め、意欲的な「Transform Freetown」プログラムの事業計画を策定することで、市議会が抱える制約に対処しました。

持続可能な都市のために、自然を活用した解決策に資金を投じる

私たちの都市は、気候変動、汚染、生物多様性の損失という地球規模の三重危機の最前線にあります。これらの課題に対処するため、ただちに行動しなければなりません。

自然を活用した解決策は、国連の持続可能な開発アジェンダの達成と気候変動の影響への対処に欠かせません。生態系、市民の健康と福祉、そして経済に恩恵をもたらします。自然への投資は、気候変動対策と生態系の回復を加速するうえで不可欠です。

議論の時は終わりました。自然は人々、経済、地球にとって不可欠であり、都市はその最前線にあります。都市と住民を守り、すべての人にとってより良い世界を築くため、自然を活用した解決策を実施する手段と資金を都市に提供しなければなりません。

この記事は、「BiodiverCities by 2030」イニシアチブおよび都市のレジリエンス向上に向けて自然への投資を増やす世界的な取り組みの一環です。国連環境計画、ペンシルベニア大学、ICLEI、C40、地球環境ファシリティ、Climate Policy InitiativeのCCFLA、Resilient Cities Network、Adrienne Arsht-Rockefeller Foundation Resilience Centerとの協力により作成されました。

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