実質的な気候変動対策の前進には、排出量相殺と発生源での徹底的な脱炭素化の両方が必要であり、二者択一ではない。
森林伐採・劣化に由来する排出の削減(REDD+)プロジェクトを炭素市場から除外する時間的余裕も論理的根拠もない。
BCPの2つのREDD+プロジェクトはいずれも、年間285,358トンのCO2eを追加で削減している。
アフリカの乾燥地帯の森林におけるREDD+プロジェクトが、排出削減と生物多様性保護のサービスで果たしている役割は、適切に評価されるべきである。
本ブログは、すべての気候変動緩和策を拡大するための「and/and」アプローチを促し、この重大な局面において「either/or」という神話を打ち砕くことを目的としている。最新のIPCC報告書は、私たちがパリ気候協定の目標から後れを取りつつあることを鮮明に示している。パリ気候協定。古い森林の保護は気候変動とは無関係だと考える人々もおり、そのため森林減少・劣化に由来する排出の削減(REDD+)プロジェクトはもはや価値の高い投資ではないとの見方がある。2020年には世界の森林減少率が12%増加して年間1,200万ヘクタール(ha)に達し、2021年には大気中の炭素濃度が420ppmを超えた。したがって、REDD+REDD+プロジェクトを炭素市場から除外する時間的余裕も論理的根拠もない。
ロワー・ザンベジREDD+プロジェクト
ザンビアは、アフリカで最も森林に覆われた国の一つ(森林率60%)である一方、年間の土地被覆による森林減少面積がアフリカの国の中で最も多い国の一つでもあり、年間約30万ヘクタールに上る。また、ザンビアは世界銀行によって重債務貧困国(HIPC)にも指定されている。過去12か月間に、バイオカーボン・パートナーズ(BCP)は、ルアングワ・コミュニティ森林プロジェクトに参加する12のコミュニティに対して、総額476万ドルの直接的な変革的支払いを行った。これは、パンデミックがなかったとしても、コミュニティにとって観光収入を上回っていたであろう受益の流れである。COVID-19による観光業の崩壊により、REDD+の支払いは、歴史上最大のコミュニティ収入源となった。
ルアングワ・コミュニティ森林プロジェクトに隣接するのは、BCPが試験的に実施している4万ヘクタールのロワー・ザンベジREDD+プロジェクト(LRZP)であり、ルサカからわずか90キロメートルの距離にある。2012年に設立されたLZRPは、アフリカで初めてCCBAのトリプル・ゴールド認証を受けたREDD+プロジェクトとなり、その後8回のVerified Carbon Standard(VCS)検証を通過している。最初のいくつかのVCS監査の後、プロジェクトが森林の喪失回避に重点を置いていた一方で、樹木は成長していることが明らかになった。
当社の森林在庫データから、年間の平均幹直径の増加と、ヘクタール当たりの樹木数の増加が明らかになった。これにより、樹木1本当たり平均して年間1.1キログラムの二酸化炭素換算量(CO2e)が除去されている。LZRPの樹木の平均密度を1ヘクタール当たり498本と仮定すると、プロジェクトの算定対象地域における CO2e の蓄積量は年間18,561トンのCO2eとなる。これをBCPが実施する両プロジェクトの計100万ヘクタールに拡大すると、このREDD+プロジェクトは年間285,358トンのCO2eを追加で除去しており、これは両プロジェクトの年間の正味排出削減量の19%に相当する。

成長する森林は炭素を蓄積し貯蔵する。光合成の過程で、樹木は大気中のCO2を取り込み、セルロース、リグニン、その他の化合物として貯蔵する。炭素蓄積の速度は、成長によって追加される炭素から、除去および分解による炭素を差し引いたものに等しい。適切に管理された森林では、成長量が除去量および分解量を上回るはずであり、そのため貯蔵される炭素量は全体として増加する。
研究によると、2001年から2019年の間に、世界の森林は排出量の約2倍のCO2を吸収し、年間で正味76億メートルトンのCO2を吸収した(これはアメリカが年間に排出する炭素量の1.5倍に相当する)。
ミオンボ林
ミオンボ林は地球上で3番目に大きい森林タイプであり、ミオンボ・バイオームはアフリカにおいて生態系サービスにとって最も価値の高い生息地であり、他のどの生息地タイプよりもアフリカの農村コミュニティに直接的な恩恵をもたらしている。火災と草食動物による影響は、ミオンボ・バイオームの進化を形作る基本的な撹乱要因である。ミオンボ林は火災とともに進化してきたため、他の大半の森林タイプとは異なり、火災発生後に速やかに回復する。回復の程度は、火災の強度、頻度および季節によって左右される。ミオンボ林での火災は生活の一部であるが、管理される必要がある。
アフリカの火災地図を見ると、ザンビア、モザンビーク、アンゴラなど、ミオンボ林が優勢な国々の広大な地域で毎年火災が発生していることがわかる。メディアではカリフォルニア、オーストラリア、ネパールでの火災の映像が目立つが、実際には、サバンナ火災による排出の75%は実際にアフリカで発生している。新たな研究によると、ミオンボ林での火災の発生回数を年1回から3年に1回に減らすだけで、年間ヘクタール当たり1~2トンのCO2eを追加で除去できる可能性がある。
気候だけでなく、人と野生生物の数も憂慮すべき状況にあり、特にアフリカでその傾向が顕著である。1974年以降、ゾウの数は約140万頭から40万頭へと71%減少し、ライオンの数は1975年の推定20万頭から現在はわずか2万頭へと90%減少した。2100年までに、アフリカの人口は45億人に増加すると予測されている。これは今後79年間で291%の人口増加に当たる。2018年、アフリカの経済は世界の経済総生産の3%未満であったが、この大陸には世界人口の17%が暮らしている。
アフリカに残る森林と野生生物は、今日まずます圧力にさらされており、森林炭素市場を脇に追いやる時間的余裕がないことをさらに裏付けている。炭素市場は、森林を回復させ保護するための、この世代における最良の手段を提供する。人口増加とともに機会費用が大幅に増加する可能性があるため、その機会費用を相殺するには相殺価格の引き上げが必要である。
REDD+プロジェクトが炭素市場に継続的にアクセスできることが必要であり、これは技術的解決策や植樹と組み合わせて効果を増幅させる役割を果たす。また、土地所有者が野生生物の保護を促進するような政策や、炭素相殺プログラムの一環として野生生物の増加と火災の削減を可能にする方法論も必要である。REDD+プロジェクトを開発するための資本へのアクセスが拡大し続けることは重要であり、相殺価格を引き上げ、REDD+プロジェクトが提供するサービスの真の価値を反映させることが不可欠である。
世界経済フォーラムの持続可能な開発インパクト・サミットとは何か?
大規模な生息地の回復には費用がかかることはよく知られている。炭素相殺は、保全資金のギャップを埋め、数百万人を貧困から脱出させる現実的な方法を提供する。これは国連生態系回復の10年であり、アフリカの乾燥地帯の森林におけるREDD+プロジェクトが排出削減と生物多様性保護のサービスで果たす重要な役割が適切に評価されることを切に願うものである。排出量相殺と発生源での徹底的な脱炭素化の両方が必要であり、二者択一ではない。
気候変動に対して実質的な前進を遂げるには、より速く、より遠くへ進む必要があり、これは一つの手段だけを選ぶのではなく、あらゆる手段を一緒に用いることを意味する。





