気候目標と再生可能エネルギー目標の達成には、まず蓄電の難題を解決する必要がある

India will have to tailor its battery storage adaptation to its own needs.
India will have to tailor its battery storage adaptation to its own needs.Image: Unsplash/Karsten Würth
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  • インドは再生可能エネルギーの発電量を増やし、2030年の気候目標達成を急いでいる。そのためには、同時に安定性を確保する柔軟な蓄電池システムが必要だ。

  • 再生可能エネルギーに関するインドの意欲的な目標は、雇用創出と経済の活性化にもつながる。

  • 課題には、太陽光・風力設備の急速な拡大に追いつくことが含まれる。その克服には、原材料の確保、蓄電池の多様な用途を評価して投資を促すこと、重い税負担への対処が必要となる。

インドは現在、2030年までに気候目標を達成するため、再生可能エネルギー(RE)による発電の割合を、現状の12~13%から総発電量の3分の1超へ急速に高めようとしている。しかし、その一方で、拡大する国内送電網の安定性と柔軟性を確保するため、自然エネルギー源の変動に積極的に備える必要がある。

この計画には、必要に応じて電力を吸収・貯蔵し、送電網に再び供給する柔軟な蓄電システムを含めなければならない。これは緊急かつ大規模な課題だ。今から9年も経たないうちに、インドは前例のない約300 GWの再生可能エネルギーを追加し、2030年の気候目標である、化石燃料以外による発電容量500 GWの達成を目指す。

蓄電池システムに適応性と柔軟性を取り入れる

米国政府の国立再生可能エネルギー研究所は、南アジアのエネルギー貯蔵に関する報告書で、次のように述べた。「エネルギー貯蔵の開発は、インドの電力システムの柔軟性と再生可能エネルギーの割合を高め、最終的にはインドの脱炭素化を可能にする重要な道筋の一つである。」

インドは自国のニーズに合わせて蓄電池の活用方法を調整する必要があるが、ゼロから始める必要はない。米国や英国などの市場では、すでに蓄電が送電網に適応性と柔軟性を取り入れるのに役立っている。

再生可能エネルギーの導入に欠かせないことに加え、コストが大幅に低下し、今後さらに下がる見込みであることも、蓄電の魅力を高めている。

蓄電池システムのコストは下がり続けている。Image: BNEF

インドの経済計画を担う中核機関であるNITI Aayogは、同国の蓄電市場が、1,000 GWhを超える規模に達すると予測している。現在のごく小規模な市場から、2030年までに実現する見通しだ。

蓄電容量を合計1,000 GWhまで導入する取り組みは、蓄電および関連プロジェクトの製造・建設分野で数千人の雇用を生み、経済全体にも貢献する。

しかし、太陽光・風力設備の急速な拡大に蓄電が追いつくようにするには、インドはいくつかの課題を克服しなければならない。

現在の課題

原材料を確保する

蓄電池の国内製造を軌道に乗せるため、インドと政策担当者は、コバルトやリチウムなどの原材料を確保しなければならない。そうでなければ、インドはこの重要な移行を支えるために他国に依存し続けることになる。近年の地政学的な出来事が示すように、それはリスクを伴ううえ、供給業者主導で費用が法外に高くなり、重要な局面で大きな負担となる。

事業性を見極める評価

蓄電の必要性は明らかだが、周波数管理サービス、市場取引による裁定取引、再生可能エネルギー発電の変動抑制など、蓄電池の多様な用途を適切に評価し、それぞれに対価を支払うことが不可欠だ。

したがって、蓄電への投資を事業として成り立たせるため、インセンティブを設け、投資を可能にする政策を整えることが重要である。オーストラリアやカリフォルニアのエネルギー市場で見られたように、初期のいくつかのプロジェクトが弾みをつけるだろう。

税負担が重すぎる

もう一つの障壁は、現在、蓄電池に40%を超える関税や税金が課されていることだ。これにより事業性が損なわれ、初期投資家の参入も妨げられている。蓄電設備そのものは発電しないため、この課題はさらに深刻になる。

課題の解決

国内での取り組み

歴史的なクリーンエネルギーへの移行を支える国内蓄電エコシステムを築くため、インドはフロー電池、ナトリウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池、圧縮空気エネルギー貯蔵システムなど、代替蓄電技術の開発を推進する必要がある。これらの技術に使われるナトリウム、硫黄、亜鉛などの金属や鉱物は、インドに豊富に存在する。

たとえば、ナトリウムイオンなどの蓄電技術は短時間から中時間の貯蔵に使われ、長期的にはリチウムを基盤とする技術より安価になる可能性がある。通常4~6時間のバックアップが必要となる長時間の用途には、ナトリウム硫黄電池を利用できる。圧縮エネルギー貯蔵なら、さらに長い6時間超のバックアップも提供できる。

税・関税負担の緩和

再生可能エネルギー発電の初期段階では、資本設備に対する関税や物品税の減免措置が強固な需要パイプラインの形成に役立った。同様の措置は蓄電池にも有効だろう。政府は、エネルギー貯蔵システムを低いGST税率区分(5%)に設定し、初期の数年間は輸入関税を撤廃することを検討できる。インドの蓄電池製造の自立度が高まるにつれて、関税を段階的に引き上げることも可能だ。

さらに、初期のいくつかのプロジェクトでは、投資家や送電網運営者を呼び込むため、採算性ギャップ補助金(Viability Gap Funding)の活用を検討する価値がある。

蓄電池市場を適切に整備する

蓄電を効果的に活用するには、発電プロジェクトだけでなく、送電や配電を含む電力エコシステムのあらゆる段階での導入が必要だ。蓄電池を導入する際は、資産を最大限に活用するため、用途ごとの価値を幅広く引き出すことが鍵となる。したがって、エネルギー貯蔵の多様な用途を開発し、参加型の市場を実現する適切な政策を策定することが不可欠だ。

蓄電池の導入と再生可能エネルギーの拡大を、インドのクリーンエネルギーの理想に沿って進めることで、エネルギー移行の成功につなげなければならない。

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