世界の漁業活動の広がりを示す地図

Fishing boats float near a dock after Tropical Storm Nate in Cancun, Mexico October 7, 2017. REUTERS/Henry Romero - RC1CA935D890
Fishing activity now covers at least 55 percent of the world’s oceans—four times the land area covered by agriculture.Image: REUTERS/Henry Romero
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衛星追跡、機械学習、一般的な船舶追跡技術を用いて、研究者らは産業漁業が世界に及ぼす影響の広がりを直接定量化した。

研究者らのデータからは、意外な事実も明らかになった。公海での漁業の85%超を5か国が占め、祝祭日が魚の回遊や海洋環境よりも漁業パターンに大きな影響を与えている。

研究者らはインタラクティブな地図を作成した。この地図は一般に無料公開されており、個々の船舶や船団の漁業パターンをほぼリアルタイムで確認できる。誰でも身近な海域で何が起きているかを把握し、政策上の境界が設けられている場所と、そうでない場所を確認できる。

この研究は、世界の船団の管理を改善し、気候、政策、経済などの変化に対する船団の対応をより適切にする道を開く。

世界規模で見る

漁業活動は現在、世界の海洋の少なくとも55%に及んでいる。これは農業が占める陸地面積の4倍に当たる。現在では個々の船舶の動向まで、ほぼリアルタイムで監視できる。実際、2016年には世界の漁船団の7万隻が合計4億6,000万キロメートルを航行した。これは月まで往復する旅に換算して600回分に相当する。

「広大な海域のどこで人々が漁をしているのか、これまで実際には分かっていなかったと知れば、多くの人が驚くでしょう」と、共著者でカリフォルニア大学サンタバーバラ校ブレン環境科学・管理大学院の教授、クリストファー・コステロ氏は述べる。「この新しいリアルタイム・データセットは、魚や生態系、漁業者にとって望ましい形で世界の海洋管理を改善するための設計に、大きく役立つでしょう。」

このデータセットは従来の世界規模の調査より解像度が数百倍高いものの、実際に漁業が行われている海域の総面積は、推定された55%を上回る可能性が高い。衛星によるカバー率が低い地域や、自動船舶識別装置(AIS)を利用する船舶の割合が低い排他的経済水域での漁業活動の一部が含まれていないためだ。

研究チームは機械学習技術を使い、2012年から2016年にかけて船舶のAIS位置情報から公に発信された220億件のメッセージを分析し、「商業漁業の行動を左右するものは何か」という問いに取り組んだ。Global Fishing Watchのアルゴリズムは、船舶の移動パターンだけに基づいて、7万隻を超える商業漁船を特定し、船の大きさやエンジン出力、漁法、さらに漁を行った日時と場所を1時間・1キロメートル単位で明らかにした。

漁業を世界規模で捉えるこの新たな視点は、衛星技術とビッグデータ処理の進歩を活用している。

では、漁業活動を左右するものは何だろうか。

研究者らは2016年に4,000万時間を超える漁業活動を観測した。大半の国は主に自国の排他的経済水域内で漁をしているようだった一方、公海で観測された漁業の85%を、中国、スペイン、台湾、日本、韓国が占めていた。

Image: Global Fishing Watch

「このデータセットは漁業活動を非常に高い解像度で捉えているため、地域ごとの漁業者の休漁時期など、文化的なパターンまで見て取れます」と、共著者でブレン環境科学・管理大学院の持続可能な漁業グループのプロジェクト科学者であり、ナショナルジオグラフィック協会の『プライスティン・シーズ』にも参加するフアン・マヨルガ氏は述べる。例えば、世界最大の中国漁船団では、春節の期間中、漁業活動が政府による季節的な禁漁期間と同程度まで減少する。

調査チームはさらに、漁業がいつ、どこで行われるかは、魚の回遊や海洋の食料生産といった自然の周期よりも、政治や文化と強く結び付いていることを明らかにした。

「私たちの分析により、政策、文化、経済が漁業行動を大きく左右することが示されました」とコステロ氏は述べる。「また、燃料価格が高いときに漁業活動が減るかどうかを調べましたが、反応はわずかでした。こうしたことは、これまでずっと推測されてきたものの、検証できずにいたのです。今回、初めて検証できました。」

「このデータを公開することで、政府、管理機関、研究者が、漁業活動をより適切に規制し、保全と持続可能性の目標を達成するため、透明性の高い十分な情報に基づく判断を下せるよう、必要な情報を提供しています」とマヨルガ氏は述べる。

この研究は、海洋管理の改善への道を開くだけでなく、漁業活動が異なる管理体制に応じて明確に区分されていることも確認した。これは、適切に執行される政策が乱獲の抑制に果たし得る役割を示している。

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