英国の水域は汚染がひどく泳げない――欧州諸国に解決策

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  • 専門家によると、現在「良好」な生態学的状態にある英国の河川はわずか14%で、主な水質汚染の原因は農業排水と未処理下水です。

  • 一方、欧州の他の多くの国では、ここ数十年で水浴場の水質が大幅に改善したと報告されています。

  • 1991年から2019年にかけて、水質が「優秀」と評価された欧州の水浴場の割合は53%から85%に上昇しました。

  • この記事では、エンジニアが水質改善を成し遂げた欧州4カ国を取り上げ、英国が学べる教訓を探ります。

英国の水路はほぼすべて汚染されています。2022年、英国下院委員会の英国の河川の状況に関する報告書は、イングランドには化学物質汚染のない河川が一本もないと結論づけました。「良好」な生態学的状態にある英国の河川はわずか14%でした。

英国で河川汚染の主な原因となっているのは、農業排水と未処理下水の放出です。2021年、水道会社はイングランドの水路に未処理下水を合計で250万時間を超えて放出しました。

下水の放出には、いくつかの異なる原因がありました。

老朽化したインフラへの投資不足により、多くの下水管は定期的に処理能力を超えています。そのため、水道会社は下水の逆流や公共空間、住宅への浸水を避けるため、しばしば合流式下水道越流システムを通じて別の場所へ下水を放出します。

ブレグジットと新型コロナウイルスのパンデミック後、廃水処理用薬品の供給が滞ったことも、状況の改善を妨げました。環境庁はこうした不足に対応するため、2021年に一時的な免除措置を導入し、水道会社が十分に処理されていない排水を一時的に環境中へ放出することを認めました。

未処理下水は人の健康に影響を及ぼし、野生生物にも脅威となります。未処理下水には有害な細菌やウイルスが含まれるだけでなく、下水の放出によって河川に栄養塩が流入し、藻類の大量発生を促します。こうした藻類は水の深い層まで光が届くのを妨げ、一部の植物が光合成できなくなります。水中の酸素量を減らすこともあり、その結果、生息環境の質が悪化します。

電気ボートがアムステルダムの水路を変革する
電気ボートがアムステルダムの水路を変革する
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欧州では、英国の水路の汚染は例外的です。他の多くの国では、水浴場の水質がここ数十年で大幅に改善したと報告されています。実際、アムステルダム、ベルリン、コペンハーゲン、ウィーンなど一部の首都でも、今では水浴びが可能です。

1991年から2019年にかけて、水質が「優秀」と評価された欧州の水浴場の割合は53%から85%に上昇しました。オーストリア、ギリシャ、マルタなど複数の国では、水浴場の95%以上が現在「優秀」に分類されています。

では、水質改善を成し遂げた欧州諸国から、英国はどのような教訓を学べるでしょうか。

1. クロアチア

2009年には、クロアチア国民のわずか44%しか下水収集システムを利用できず、何らかの廃水処理を受けられる人も25%未満でした。未処理下水をアドリア海に放出する慣行により、クロアチア沿岸の水質は低下しました。

しかし2009年から2015年にかけて、世界銀行からの8,750万米ドル(7,000万ポンド)の融資により、クロアチアの衛生環境改善プロジェクトが実施されました。このプロジェクトには、新たな廃水処理施設14カ所の建設と、下水道網162kmの敷設が含まれていました。

2016年までに、廃水処理サービスを利用できるクロアチア国民の割合は72%に増加しました。クロアチア沿岸の水質はその後も改善を続けています。2021年には、水浴場の95.7%で水質が「優秀」でした。

未処理下水をアドリア海に放出する慣行により、クロアチア沿岸では深刻な水質汚染が起きました。Image: Unsplash/Datingjungle

2. ドイツ

ルール川はドイツ西部を流れ、同国の主要な工業地帯であるルール地方を通ります。1971年には、深刻な汚染を理由に、川での遊泳が禁止されました。汚染の原因は下水に加え、地元の鉄鋼業や鉱業からの化学物質を含む排水でした。

2010年から2015年にかけて、ドイツ連邦教育研究省は「セーフ・ルール」という研究プロジェクトに資金を提供しました。このプロジェクトは、川の水浴場を再開することを目指し、大規模な廃水処理と水質モニタリング、細菌やウイルスが川に流入する経路のモデル化、短期的な水質汚染に対する早期警戒システムの開発を組み合わせました。

このプロジェクトにより、エッセン市の南にあるバルデナイ湖の人気水浴場が2017年に再開しました。

世界経済フォーラムは、世界的な水問題にどう取り組んでいるのでしょうか。

3. アルバニア

2015年、アルバニアの水浴場の40%は水質が不良と分類されていました。主な原因は、同国の上下水道網が未整備だったことです。

しかし近年、アルバニア沿岸部の水浴場の水質は大幅に改善しました。3分の2を超える水浴場で現在、水質が「優秀」と評価されています。西部のドゥラスなど、国内有数の観光地も含まれます。

世界銀行の資金援助を受け、地域の下水道網が改善されました。ドゥラスの海岸沿いには新たに廃水処理施設5カ所が設置され、50万人の住民に対応できる処理能力を備えています。

この投資により、水浴場の水質は急速に改善しました。2019年までに、水質が不良だったアルバニアの水浴場はわずか5.9%となりました。

アルバニアは、水浴場の水質汚染に対処するため、地域の下水道網を改善しました。Image: Unsplash/Renaldo Kodra

4. イタリア

イタリア北部にある小さな湖、ヴァレーゼ湖の水質は、1960年代以降、長期にわたって悪化していました。工業排水による栄養塩の増加が原因とみられる大規模な藻類の発生が起きていました。

しかし1990年代以降、欧州委員会とイタリア環境省が支援する研究計画によって、湖の水質は回復しました。2000年と2001年には、栄養塩の不活性化や浚渫などの方法で、湖から直接栄養塩が除去されました。湖にある3カ所の水浴場のうち、2カ所は現在、水質が「優秀」です。

重大な政治課題

英国では今、水質が重大な政治課題となっています。労働党党首のキア・スターマー氏は最近、政府を非難し、「英国の水路を開放下水道に変えている」と述べました。

こうした追及を受け、英国政府は、環境を汚染した水道会社に科す罰金の上限を引き上げる計画を確認しました。前年にはすでに、下水の放出を減らすため、これらの会社に水道インフラに560億ポンドを投資するよう求める新たな要件が課されていました。期限は2050年です。

こうした圧力の高まりによって、英国の河川、湖、海岸が水浴びにより安全になるかどうかは、まだ分かりません。欧州を手本に、廃水・下水道インフラと水質モニタリングに大規模な投資を行えば、より多くの人が自然の中で水泳を楽しめるようになるでしょう。

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