今後、私たちが耳にする機会が大幅に増えそうな新しい食品があります。小麦草から開発された「カーンザ」は、気候変動に対抗する武器として称賛されており、環境を守り、農業に革命をもたらす可能性もあるとされています。小麦の5分の1ほどの大きさしかない穀物にとっては、大きな期待です。
アメリカ人はすでに、この穀物を使ったパスタ、ピザ、パン、ビールを購入できます。この穀物は、カンザス州のザ・ランド・インスティテュートによって「カーンザ」の商標登録がなされたものです。先月には、米国の食品大手がこの穀物から作られた朝食用シリアルを発売しました。ゼネラル・ミルズはまた、カーンザの背後にある植物育種チームに50万ドルを提供し、本格的な商業生産に向けた取り組みを支援しています。
カーンザを試した人々は、味が良いと言っています。 しかし、この穀物にはさらに重要な目的があります。小麦、大麦、その他の穀物と異なり、収穫後も根を地中に残して再生させることができる多年生植物です。
そのため、毎年畑を整地し、耕起し、再播種する必要がなくなり、エネルギーを節約し、農家の炭素排出量を削減します。カーンザは既存の農機具を使って収穫することもできます。
カーンザは農業に革命をもたらすと思いますか?
持続可能な成長
カーンザの根は土壌の3メートル以上の深さまで伸び、小麦の2倍以上の深さに達します。これにより土壌の安定化、保水、野生生物の生息環境の改善に役立ちます。この穀物から初めて商業的に製造された製品は、「ロング・ルート・ペール・エール」というビールでした。
カーンザは根に炭素を取り込む能力にも優れています。この穀物を開発したザ・ランド・インスティテュートの会長フレッド・イウツィは、これを大気中の炭素を取り出して土壌に蓄えるポンプのようなものだと説明しています。また、窒素を取り込み、河川や湖沼に流れ込むのを防ぎます。
より大きく、より優れた品種
カーンザを農家や食品生産者にとってより魅力的なものにするため、イウツィと彼のチームは、より高い収量を持つ新品種の開発を計画しています。現在、カーンザの粒は小麦よりはるかに小さいですが、カンザス州のチームは、はるかに大きな種子を持つ品種を作り出せると考えています。一般にインターミディエイト・ウィートグラス(学名 Thinopyrum intermedium)として知られるものから開発されたカーンザは、長い間家畜飼料に使用されてきました。米国北部のプレーリー地帯のような、冷涼な気候に適しています。
カーンザを原料とする製品が一般のスーパーマーケットで広く販売されるようになるまで、あと10年ほどかかるかもしれません。しかし、進展は急速です。ザ・ランド・インスティテュートは、パン製造での品質向上が期待される、矮性品種の開発に取り組んでいます。また、カーンザのビールは、カンザス州サリーナス町のブルー・スカイ・ブルワリーで販売されています。
穀物は大きな市場であり(私たちのカロリー摂取量の45%を占めています)、カーンザには強力な競争相手がいます。小麦は1万年以上前から存在していますが、カーンザは新参者です。初めて品種改良されたのは20年足らず前のことですで、現在、この作物の栽培面積は500ヘクタール未満です。
ザ・ランド・インスティテュートは、気候変動によって私たちは主食をカーンザのような多年生植物から調達すべきだという結論に至ると述べています。ゼネラル・ミルズのカスカディアン・ファーム・ブランドのカルラ・ベルノン副社長も、この見解に同意しています。「この穀物が生態系に好ましい影響をもたらす可能性を信じています」と彼女は語っています。






