革新的な取り組みが、世界的な食料・栄養危機の解決に向けた機会を生み出す方法

The image shows children eating around a table illustrating the importance of nutrition to health and wellbeing
Good nutrition is vital to ensuring healthy, smart and productive people.Image: Photo by Bill Wegener on Unsplash
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  • 前回の世界的な食料危機の後、各国の指導者は結束し、より強靱で栄養に配慮した食料システムの構築に取り組んだ。

  • こうした教訓は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて生じた現在の世界的な食料危機に、より適切に対処する助けとなる。

  • 政治指導者と意思決定者は、各国が自国主体・自国主導の食料・栄養対策に足並みをそろえられるよう、資金面と技術面の両方で支援を強化しなければならない。

15年前、世界で最も貧しい国々の一部で何百万人もの命を奪った世界的な食料危機を前に、世界は「二度と繰り返さない」と誓った。各国政府の指導者は、強靱な食料システムを築くために協力し、その基盤として栄養を重視することを約束した。しかし今、再び世界的な食料・栄養危機に直面し、世界中で何百万人もの命が脅かされている。将来の危機に対する解決策を前進させ、より強いレジリエンスを築くために、「私たち」の力をどう生かせるだろうか。

過去10年間に得られた進歩は、現在の世界的危機ですべて失われたという人もいるが、私はそうは思わない。気候変動に関連する危機であれ、紛争であれ、パンデミックであれ、危機は常に起こり得る。進歩が失われるか、さらに前進するかを左右するのは、危機の存在そのものではなく、人々が危機を予測し、対処し、さらにはイノベーションの機会を見いだせるかどうかだ。

世界の指導者が、カロリーを意味する食料安全保障だけに目を向け、栄養上のニーズを顧みない時代遅れの手法を今なお取りがちなことを懸念している。一方で、現在の食料・栄養危機に、より先を見据えて共に対応しようとする人々や地域社会の取り組みには期待を寄せている。栄養改善拡大(SUN)ムーブメントのコーディネーターとして、最も大きな影響を受けている国々から、こうした対応を直接見聞きしている。

世界的な栄養不良の危機が迫る

SUNムーブメントは最近、65の加盟国と一連の対話を開催した。これらすべての国は、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とする食料、燃料、肥料の価格上昇や供給減少の影響を受けている。一部の国では、COVID-19のパンデミック、気候変動、その他の紛争による既存の影響も重なっている。肥料と燃料の価格が急騰したため、各国は次の収穫期に農業生産が減少すると見込んでいる。その結果、世帯では食事の量を減らし、食事を抜き、献立の多様性を減らし、不健康な食生活を選ぶことが増えている。何百万人もの女性、子ども、男性が栄養不良の悪循環に陥る危険にさらされている。

こうした課題に直面しながらも、各国はレジリエンスを示している。社会的保護のセーフティネットを含め、あらゆる緊急支援策に栄養を組み込むよう努めている。これはレジリエンスを維持するための効果的で有益な手段だからだ。政府や関係者はまた、農家による栄養強化食品の生産を支援し、輸入小麦製品に代えて地元で入手できる栄養価の高い食品の消費を促進している。家庭には食事の多様化を呼びかけ、輸入資材への依存を減らすため、肥料などの農業資材の国内生産を拡大している。「地元で育て、地元で食べる」という取り組みは、多くの国に広がっている。

地域の食生活で小麦に代わるものは何か

栄養価が高く、手頃な価格で入手しやすい代替食品として、SUN加盟国は小麦原料を雑穀、キャッサバ、フォニオ、スペルト小麦、エンマー小麦、キヌアなどの地域固有の作物に置き換える取り組みを進めている。シェフや料理人も、こうした食材を使った料理が家族にとっておいしく魅力的なものになるよう力を注いでいる。

地元産食品の生産拡大に重点を置くことは、各国の食料システム移行の道筋にぴったり合致する。土壌と地球に優しい方法で、栄養価が高く多様な食品を生産し、適正な所得も確保できる国の食料システムに向けて、政策と投資を革新的な形で強化する機会となる。

地元産食品に向けた予算の再配分

各国は国家予算の優先順位も見直し、栄養価の高い地元産食品を使い地域社会が主導する学校給食事業への予算を増やしている。また、脆弱な家庭向けの栄養価の高い食品バスケットの補助、女性や5歳未満の子どもへの栄養サービス拡充、小規模農家への研修や補助金、融資枠の設定、債務免除も予算に盛り込んでいる。

各国は国民の栄養ニーズを支え、世界的な食料・栄養危機によって高まるニーズに応える革新的な手法を拡大するため前進している。しかし、経済的にすでに脆弱で債務を抱える多くの国は、さらなる債務を負わざるを得なくなる。その結果、各国の国家開発が危機にさらされ、何年もの後退を招くだけでなく、政治的安定や持続可能な開発目標(SDGs)の達成も危うくなる。

だからこそ政治指導者と意思決定者は、各国が自国主体・自国主導の食料・栄養対策に足並みをそろえられるよう、資金面と技術面の両方で支援を強化しなければならない。こうした支援により、各国は革新的な食料システムを拡大し、レジリエンスを強化するとともに、食料・栄養安全保障を国家政策、投資、制度に確実に組み込める。

各国主体の食料システム対策を強化すれば、各国は現在の危機に効果的に対応できるだけでなく、今後何年にもわたって新たな危機を効果的に予測し、対応する力を高め、レジリエンスを確保できる。それによって、人々と地球の繁栄を実現できる。

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