災害に備える世界の農業のバックアップが10周年を迎えた

The entrance to the international gene bank Svalbard Global Seed Vault (SGSV) is pictured outside Longyearbyen on Spitsbergen, Norway, February 29, 2016. REUTERS/Heiko Junge/NTB Scanpix ATTENTION EDITORS - THIS PICTURE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. THIS PICTURE IS DISTRIBUTED EXACTLY AS RECEIVED BY REUTERS, AS A SERVICE TO CLIENTS. NORWAY OUT. NO COMMERCIAL OR EDITORIAL SALES IN NORWAY.
The 10th anniversary of the seed vault in the Arctic highlights the issues facing agriculture today.Image: REUTERS/Heiko Junge
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北極圏の向こうにある、ホッキョクグマが歩き回る離島の巨大な地下壕。そこには農業の1万2,000年の歴史を支える鍵が眠るとともに、各国が種子サンプルを預けるよう促される、未来の世代の食料供給を守る鍵もある。

スヴァールバル世界種子貯蔵庫へようこそ。月曜日に設立10周年を迎えたこの施設には、世界各地の遺伝資源バンクから集めた約100万点の種子サンプルが保管されている。核戦争から気候変動まで、さまざまな災害に備える農業のバックアップだ。

「世界の終末」に備える貯蔵庫の所在地Image: ノルウェー気象研究所

「農業が今日ほど大きな課題に直面したことは、これまで一度もなかったと言ってよいでしょう」と、クロップ・トラストのエグゼクティブディレクター、マリー・ハーガ氏はトムソン・ロイター財団に語った。

作物の多様性の保護に取り組む国際組織クロップ・トラストは、ノルウェー政府および北欧遺伝資源センター(NordGen)と協力して貯蔵庫を運営している。

専門家によると、農業が直面する課題には、飢餓の拡大、人口増加、そして強まる気候変動の圧力がある。

つまり世界は、より栄養価の高い食料をより多く生産する必要がある。そのためには「地球が耐えられる範囲内にとどめるため、より少ない土地と水、より少ない農薬と肥料で」生産しなければならないと、ハーガ氏は述べた。

その答えは、貯蔵庫内の質素な一室にあるのかもしれない。縦12メートル(40フィート)、横27メートルのこの部屋では、各国が食用作物の種子サンプルを安全に保管するために預けていると、同氏は語った。

「最後の頼みの綱となるバンク」

そのためには、多様な作物を手元にそろえておく必要があるが、専門家によれば、世界はまさにその多様性を失いつつある。

「私たちの食料システムは極めて脆弱です。現在、私たちは食べるものの75%を、12種の植物と5種の動物に頼っています」と、元ノルウェー政治家のハーガ氏は述べた。

歴史的に、農家は食用に少なくとも7,000種の異なる植物を栽培していた。現在、世界の摂取カロリーの60%は小麦、米、トウモロコシに由来すると、ハーガ氏は述べた。

米国、ロシア、オーストラリア、北朝鮮、ナイジェリア、コロンビアなどの種子が、マイナス18℃(0°F)の棚に整然と並べられた箱の中に保管されている。

貯蔵庫の設立から10年の間に、73の機関が、いわゆる「最後の頼みの綱となるバンク」に作物の種子を預けた。

クロップ・トラストは、世界各地のほかの遺伝資源バンクにも同様の対応を呼びかけている。中国が目立った未参加国だが、協議は続いているという。

ハーガ氏の懸念は、種子貯蔵庫の設立に協力した著名な米国の農学者、カーリー・ファウラー氏も共有している。

「農業は、歴史上前例のない課題の組み合わせに直面しています。筆頭に挙げられるのは気候変動です」と、同氏はトムソン・ロイター財団に語った。

「近い将来、農業の全歴史を通じて存在したことのない気候に直面しようとしています……農業が気候変動に備えられるよう、先手を打たなければなりません。」

国連食糧農業機関(FAO)のケント・ナナドジ氏によると、この多様性の喪失は、栄養などほかの側面を犠牲にして「生産性、見た目、味」を重視してきたことにも一因がある。

FAOの食料・農業植物遺伝資源に関する国際条約の事務局長を務めるナナドジ氏は、その結果の一つとして、重大な病気やウイルスによって「作物全体が壊滅する可能性がある」と述べた。

このリスクに対処するため、国連の仲介で成立した同条約は、世界各地の遺伝資源バンク間で種子を交換し、新しい作物品種の研究・開発を進められるようにしている。現在、144か国が同条約を批准している。

FAOによると、世界各地には規模の異なる遺伝資源バンクが1,700か所以上あり、食用作物を収集・保存している。

しかし、その多くは災害や紛争の脅威にさらされている。また、資金不足、管理の不備、設備の故障、不安定な電力供給といった、より日常的な問題に直面する施設もある。作物品種の喪失は取り返しがつかない。

モロッコにある国際乾燥地農業研究センターのICARDAに所属するアハメド・アムリ氏は、こうした脅威をよく知っている。

2015年10月、シリア内戦でアレッポ近郊の種子バンクが損壊した後、ICARDAはスヴァールバルから種子を取り出した最初の機関となった。

遺伝資源バンクはモロッコとレバノンに移転され、種子は栽培され、昨年から再預託が始まった。月曜日、ICARDAは8,600点を超える種子サンプルを預けた。同日、合計77,000点のサンプルを引き渡した23機関の一つだった。

「これらのサンプルには、小麦、大麦、デュラム小麦、パン用小麦、レンズ豆、ひよこ豆、ソラマメ、そしてこれらの種の野生近縁種が含まれています……これは大きな成果です」と、アムリ氏はトムソン・ロイター財団に語った。

FAOのナナドジ氏は、シリアの事例は貯蔵庫がいかに有効に機能するかを示したと述べた。

「長期の貯蓄口座にお金を預けるようなものです。切羽詰まった状況になり、お金が必要になったら、いくらか引き出し、また預け戻すことができます。」

「自然災害、危機、戦争、核の問題など、何かが起きたときの最後の備えです。いつでもそこに戻ることができます。」

気候変動の圧力

定期便で到達できる最北端にあるスヴァールバル諸島は、遠隔地で、火山も地震もなく、永久凍土によって種子を深く凍結した状態に保てることから、貯蔵庫の立地に選ばれた。

しかし、岩盤の中に120メートル(400フィート)掘り込んで建設されたこの貯蔵庫も、独自の気候変動の圧力に直面している。

2016年後半、予想外の永久凍土の融解により、貯蔵庫のトンネル入口に水が流れ込んだ。種子に危険はなかったが、ノルウェーは金曜日、施設の改修に1億クローネ(1,300万ドル)を投じると発表した。

「1985年に初めてここに来たときは……フィヨルドにはいつも氷が張っていました。今では、フィヨルドが完全に凍っているのを見かけることはありません」と、ハーガ氏は述べた。

科学者らは、北極海がこれまでの予測よりはるかに早く氷のない状態になる可能性があると警告している。従来の予測では、海氷が初めて夏季に完全消失するのは2040年から2050年の間とされていた。

ファウラー氏は種子の安全に自信を示す一方、貯蔵庫を強化するというノルウェーの決定を歓迎した。

「施設をしっかり乾燥した状態に保ち、気候変動がもたらすことには何であれ対処します」と、同氏は述べた。

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