米ドル高が他の通貨を圧迫。各国の対応は

An image of a one-dollar bill.
The US dollar is at a 20-year high relative to other currencies.Image: Unsplash/Kenny Eliason
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  • 今年、米ドルは世界で最も取引量の多い通貨の一部に対して、ほぼ15%上昇した。

  • 中央銀行の政策担当者が自国通貨の価値を高めようとするなか、これを受けて世界各地で利上げが相次いでいる。

  • スリランカを含め、ドル建て債務残高の大きい新興国は、ドル高の影響を特に強く受けている。

米国外を旅行する米国人は、年初に比べて約14%も豊かになったと感じるだろう。

それは、ドルがそれだけ上昇したからだ。世界で最も取引量の多い通貨の一部に対して。

米連邦準備制度理事会(FRB)主導で世界の金融環境が引き締まるなか、ほとんどの投資家が短期国債に資金を投じ、他の通貨に対するドルの価値を押し上げている。利上げにより、投資家は米国資産に資金を置けば、より高い利回りを得られる。こうしてドルは20年ぶりの高値に達した。

英ポンドの対ドル相場は急落しているようだImage: Quartz

そのため、FRB議長のジェローム・パウエルが次の金融政策決定を発表するために演壇に立つたび、世界全体の借入コストが上昇する。

「FRBの利上げでドルが急騰している件は、次の記者会見でジェイにぶつける質問の半分を占めるべきだ」と書いたのは、元FRBエコノミストのクラウディア・サーム氏。ツイッターへの投稿でこう述べた。「米国はウクライナの戦争を支援するために数十億ドルを費やす一方、米国の金融政策は欧州や新興市場を圧迫している。」

各国はどう対抗しているのか

中央銀行の政策担当者が自国通貨の価値を高めようとするなか、ドル高を受けて世界各地で利上げが相次いでいる。ここ数カ月、利上げのペースを速める国も複数あり、一部では金利が10%を超えている。

アルゼンチンの金利は約70%に達する。Image: Quartz

しかし、通貨が切り下がっている地域での利上げは、景気後退のリスクも高める。「FRBは……おそらく利上げを続けても大丈夫だろう」と、ジョージ・メイソン大学マーキュタス・センターのエコノミスト、デービッド・ベックワース氏は述べた。労働市場が堅調なため、米国経済は比較的安定している。一方、ユーロ圏を含む他の経済圏には、そうした緩衝材がない。

ドル建て債務残高の大きい新興国は、特に大きな打撃を受けている。数週間前、アルゼンチンは禁止措置を導入した。ヨットやウイスキーなど、必需品ではないと判断した31品目の輸入が対象だ。ナイジェリアの自国通貨ナイラが下落したことで、食料価格は押し上げ、アフリカ最大の経済大国のインフレ率は年間で約20%に達した。5月に対外債務の返済を停止したスリランカでは、債務返済コストが高騰し続けている。

「タイにいて、タイバーツで収入を得ている場合、ドル建て債務を返済するには、その通貨をドルに両替しなければなりません」とベックワース氏は述べた。「ドルが上昇すれば、債務返済のために、より多くの自国通貨を稼がなければなりません。」

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