個人投資家は今後も市場に参加し続ける――資本市場の関係者が取るべき対応

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  • 個人投資家には責任ある資本市場エコシステムが必要です。業界には、今すぐこのニーズに応える機会があります。

  • 個人投資家の4分の3は、投資について学ぶ機会が増えれば、投資額を増やすと答えています。

  • 世界経済フォーラム、アクセンチュア、BNYメロンによる新たな報告書は、資本市場が個人投資家と責任ある形でどのように関わるべきかを検討しています。

資本市場への投資は、長期的に個人の資産形成に役立つ可能性があります。一般に、預貯金だけの場合よりも資産を増やせます。その結果、多くの人が実際に投資を行っています。こうした個人投資家は、自らの選択であれ必要に迫られてであれ、自分の経済的な将来を自ら切り開こうとしています。

市場が不安定な現在、株式市場の急落、急激なインフレ、景気後退への懸念にもかかわらず、個人投資家は底堅さを保っています。実際、eToroが2022年7月に実施した調査によると、米国の投資家の3分の2は、株式市場が激しく下落する中でも投資を維持しました。この投資家層は今後も市場に参加し続け、長期的な資金計画に目を向けているようです。

過去6か月間、世界経済フォーラムはこの傾向を検証し、世界的な個人投資家の増加を後押しする要因について、「資本市場の未来」イニシアチブのもとで掘り下げてきました。

ここでは、個人投資家と業界全体により良い形で貢献するための変革を提言する、私たちの調査の一部を紹介します。

改善の余地

個人投資の最近の拡大にもかかわらず、世界人口のかなりの割合は依然として資本市場に投資していません。私たちの調査では、損失への恐れや、知識のギャップ(すなわち、投資について学ぶ機会がないこと)を強く認識していることから、参加を見送る人が多いと分かりました。

既存の個人投資家も、学ぶ機会の不足が投資の妨げになっていると答えています。「資本市場の未来」イニシアチブの一環として実施された、BNYメロンと世界経済フォーラムによる世界の個人投資に関する調査では、「資本市場の未来」イニシアチブ現在投資をしている個人投資家の4分の3が、投資について学ぶ機会が増えれば投資額を増やすと答えました。現在投資をしていない人のうち70%は、投資教育を受ければ投資する可能性が高まると回答しました。

Image: 世界経済フォーラム

また、あらゆる個人投資家、とりわけ資産水準が低い層では、商品に関する認知や個別の助言に大きな不足があることも分かりました。

貿易が人々と地球に利益をもたらすよう、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか?

アクセス、教育、信頼

私たちの調査は、資本市場エコシステムのさまざまな関係者が協力して責任ある資産形成を支援するうえで、アクセス、教育、信頼が中核となることも示しています。この3つの要素は相互に関連しており、その相互作用は地域ごとに独自の形で現れます。

この3つの分野に取り組むことで、投資家が金融サービスを利用し、それについて学び、信頼できるよう後押しできます。投資家の力を引き出すことに協力して取り組めば、責任ある投資のエコシステムの促進につながります。

資本市場業界にできることは何でしょうか?

「資本市場の未来」イニシアチブを主導するにあたり、資本市場エコシステム全体で活動する35を超える組織が集まりました。こうした傾向や課題を検討し、解決策の可能性について議論しました。私たちの白書では、さまざまな利害関係者に向けた具体的な行動提案を示しています。提案は、次の3つの主要テーマを中心にまとめられています。

1)金融リテラシーと投資家教育

予算の設定から老後資金の備え方まで、個人の資産管理に関する教育は、責任ある資産形成に欠かせません。業界関係者の連携した取り組みでは、基礎的な金融リテラシーの裾野を広げ、責任ある投資戦略を促進し、(年金制度のない市場で)計画的な退職後の資金準備を改善することに注力すべきです。ただし、情報を提供するだけでは不十分です。内容が目的に適したものであり、できる限り理解しやすく、活用しやすくなるよう努める必要があります。

この分野では公共部門が重要な役割を担いますが、民間部門も今日の投資家のニーズに応えるため、取り組み方を改善できます。この展望を実現するには、短期と長期の両方の施策が必要です。

2)幅広い人々に向けた、個別化された成果重視の助言

資産水準にかかわらず、すべての投資家が資本市場で成功するために必要なツールや指針を利用できるべきです。BNYメロンと世界経済フォーラムの調査では、現在投資をしている人の80%が、投資判断にはアドバイザーと話せることが必要だと答えました。一方、金融アドバイザーや資産運用担当者に助言を求められる人は48%にとどまりました。

業界は個別化された助言を誰もが利用できるようにし、増加する個人投資家の需要に応えるため、サービスを拡大すべきです。大規模な取り組みであり、多額の投資が必要になりますが、各社は今すぐ着手しなければなりません。

3)協力と官民パートナーシップ

この変革には協力が必要です。証券会社、資産運用会社、取引所などは、個人投資家に近い立場にあり、迅速に変化を起こせるため、この取り組みに不可欠です。ただし、彼らだけで解決することはできず、官民パートナーシップも不可欠です。教育の取り組みや個人投資家の参入障壁を下げる施策などには、公共部門との連携が必要です。

私たちの調査は、市場の民主化が全体として前向きな現象であることを示しています。資本市場業界が適切なインフラと保護策を整えられれば、人々は金融上の判断を最適化し、長期的な資産形成につながる投資を行えるようになります。

世界の資本市場は転換点にあります。個人投資家にはこれまで以上に、責任ある資本市場エコシステムが必要です。業界にはこのニーズに応える機会があり、着手すべき時は今です。

「資本市場の未来」イニシアチブの白書全文はこちらからお読みください。

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