新たな社会契約を結ぶ時

The sun rises through morning fog behind the Statue of Freedom and the US Capitol in Washington, D.C.
The sun rises through morning fog behind the Statue of Freedom and the US Capitol in WashingtonImage: REUTERS/Kevin Lamarque
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行動する力を持つ人々が世界的リスクを無視、あるいは悪化させてきた世界で、民主主義が犠牲になりつつある。選挙で選ばれた指導者の権威主義化、根深く居座る独裁者の行動、軍事力の行使とその威嚇によって、私たちは全面的な危機の瀬戸際に立たされている。

2017年は、世界にとって危険と隣り合わせの一年だった。不確実性、不安定さ、脆弱さを示す兆候が広がったと、世界経済フォーラムの『グローバルリスク報告書』は記している。「この早い段階では、2018年にこうした傾向が反転すると確信するのは難しい」という予測は、警鐘として受け止めるべきだ。最新のグローバルリスク認識調査(GRPS)で、リスクの低下を予想した回答がわずか7%であるのに対し、増加を見込む回答は59%に上る。2018年は、世界的な解決策の交渉に全力を尽くす年とすべきだ。

人道的な指導者がほとんどいない時代には、ジョン・ダンの詩『人は孤島にあらず』の教えを忘れがちだ。ますます分断が深まる世界で、「人類の一員である私にとって、誰かの死は私自身を損なう」という言葉は、心に響く行動への呼びかけのように思える。当時の時代背景を考えれば、ダンが男性だけに焦点を当てたことは大目に見られるかもしれない。しかし、女性蔑視の高まりによって交渉による解決策の必要性が増していることも認識しなければ、政府や企業の強権的な指導者が力を強める条件を、ただ固めることになる。

支配的な経済モデルは、世界の労働者を苦しめている。複数の企業CEOが国連の持続可能な開発目標(SDGs)とパリ気候協定の双方に取り組むと表明しているにもかかわらず、企業の強欲が力を持つため、支配的なモデルは存続している。

政府が萎縮している場合、あるいは基本的人権や労働者の権利を守る法を執行することや、社会保障、国民の健康と教育に投資できるよう企業に税を納めさせることに関心がない場合、政府は企業の強欲に主導権を譲り渡すことになる。2018年に再び二酸化炭素排出量が増え、生態系への脅威がさらに強まり、人命と生計の損失が増えると予想される以上、気候変動対策を優先すべきだ。それでもなお、既得権益を持つ企業の影響力が支配し、政府の意欲を妨げる最大の障害となっている。

企業がデューデリジェンスの実施を拒み、グローバル・サプライチェーンで働く労働者のうち表に出ない94%に対する侵害を救済するための苦情処理制度を設けなければ、不平等をそれ自体が世界的リスクとみなされる水準にまで押し上げた、ゆがんだ利益追求モデルを存続させることになる。同じ企業が、最低生活賃金を実現するための利益のわずかな分配さえ拒み、国内外で団体交渉権を認めないなら、20世紀の戦後平和協定が築いた社会契約を破ったことになる。

今年、人権に関する世界人権宣言の70周年を迎え、2019年には国際労働機関(ILO)の創立100周年を迎える。今こそ、新たな社会契約を交渉すべき時だ。その中心には、プラットフォーム企業を含む企業の責任を据えなければならない。あらゆる企業は、事業を営むための社会的な承認を得る必要がある。テクノロジーを責任逃れの口実にする経済のウーバー化を、「インダストリー4.0」の基盤として受け入れることはできない。ITUCの世論調査によると、人々を不安にさせているのはテクノロジーそのものではなく、むしろ自分の仕事への懸念だ。

国際機関は自らの使命に基づいて行動する勇気を奮い起こさなければならない。一方、世界貿易機関(WTO)の失敗は、人々の権利を守り、すべての国の発展を確かなものにするための世界的改革を葬る、さらなる一撃となる。GRPS回答者の73%が、多国間貿易のルールや協定の弱体化に伴うリスクは来年高まると予想している。なぜ企業トップは沈黙しているのか、問わなければならない。さらに悪いことに、なぜ大半の政府が、ごく一握りの有力者の利己心にただ屈しているのか。人々を裏切り、意図的に失敗するよう設計された制度を、人々が救うことはない。

「市民が、ルールは人によって違って適用されると考えるとき、不平等は最も強く感じられる」とピエール・ロザンヴァロンは述べた。実際、ITUCの2017年世界世論調査によると、世界の労働力人口の85%が世界経済のルールを書き換えることを望んでいる。

民主的に選ばれた指導者のうち、ごく少数を除くほぼ全員が、自国優先の後退を主導し、民主主義の空間を狭め、または安全と安心のもとで働く尊厳を求める困窮した人々に国境を閉ざしている。歴史の教訓を否定し、主権と人権を犠牲にして経済拡張、さらには軍事拡張へと進む者もいる。世界を核戦争の瀬戸際へ追いやっている指導者もいる。

企業慣行を改革し、声を上げる勇気を持つ少数の企業指導者は、労働者の指導者や市民社会と手を携え、異なる未来を形づくるべきだ。その未来では、平和、民主主義、権利と自由が重んじられ、世界共通のルールがすべての人に適用される。

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