政府に女性が増えることが、あなたの健康にとって良い理由

Greek President Prokopis Pavlopoulos and German Chancellor Angela Merkel shake hands during a meeting at the Presidential Palace in Athens, Greece, January 11, 2019. REUTERS/Alkis Konstantinidis - RC1F6E33CB50
Greek President Prokopis Pavlopoulos and German Chancellor Angela Merkel shake hands during a meeting at the Presidential Palace in Athens, Greece, January 11, 2019Image: REUTERS/Alkis Konstantinidis
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2015年11月、ジャスティン・トルドー首相は、カナダ史上初となる男女同数の内閣を発足させました。内閣の発表にあたり、最も近い助言者30人のうち半数にあたる15人が女性であることを明らかにしました。

カナダの男女平等な内閣により、政府に占める女性の割合で、同国は世界で20位から5位に躍進しました。

記者から男女同数にすることがなぜ重要なのかと尋ねられたトルドー氏は、こう答えました。「だって、2015年ですから」。簡潔ながら画期的なこの返答は、公平性、多様性、包摂性に取り組む人々の共感を呼びました。

公衆衛生を研究する私たちは、これをきっかけに考えました。政府の権力ある地位に就く女性を増やすことがジェンダー平等を促進するなら、人々の健康とウェルビーイングも向上させるのでしょうか。

政府における女性の数と死亡率の関係Image: SSM - Population Health

最近、学術誌SSM - Population Healthに発表した私たちの研究結果は、政府における女性が実際に人々の健康を向上させるという主張を裏付けています。

政府における女性が増えれば、死亡者は減る

まず、男性と女性の政治家にどのような違いがあるのか、研究文献を詳しく調べました。男性の政治家と比べて、女性の政治家は左派的な考え方(市民権、社会的平等、平等主義などに関して)を持つ傾向が強く、女性の権利を実質的に前進させる傾向もあります。その領域には、賃金の平等、女性に対する暴力、医療、家族政策などがあります。

また、研究によれば、政府における女性は、より協調的かつ超党派的に働く傾向があり、男性のより独裁的なスタイルと比べ、より民主的なリーダーシップを発揮します。女性は連合を築き、合意に達するうえでも、より優れています。

次に、カナダの10州において、政府における女性の割合と人々の健康との間に歴史的な関連があるかを調べました。1976年から2009年にかけて、州政府に占める女性の割合は4.2%から25.9%へと6倍に増加する一方、あらゆる原因による死亡率は37.5%低下しました(1,000人当たり8.85人から5.53人へ)。

州の選挙管理機関とカナダ統計局のデータを用いて、歴史的に政府に占める女性の平均割合が上昇するにつれ、全体の死亡率が低下してきたことを確認しました。

女性は医療と教育により多く支出する

もちろん、この関連性は、政府における女性の増加が死亡率の低下を直接引き起こしたことを意味するものではありません。

これを評価するため、いくつかの潜在的な交絡因子を調整したうえで、政府における女性の割合と死亡率の関係を回帰分析しました。私たちの研究結果は、政府における女性が実際に人々の健康を向上させるという仮説を裏付けています。

興味深いことに、カナダでは、政府における女性は女性の死亡率よりも男性の死亡率に大きな影響を及ぼしてきました(1,000人当たりの死亡者数で1.00人対0.44人)。

また、政府における女性、人々の健康、そして党派政治が果たす可能性のある役割を結びつける経路も見つかりました。以前の研究では、州政府支出の4つの種類が死亡率の低下を予測することを明らかにしました。医療、予防医療、その他の社会サービス、高等教育です。

政府支出を媒介要因として検証したところ、カナダでは、政府における女性が、健康増進につながるこれらの特定分野への支出を促すことで死亡率を低下させていることが分かりました。

女性はより協調的に働く

また、政府における女性の政治的立場が左派、中道、右派のいずれの政党に属するかにかかわらず、それと死亡率との間に関連は見られませんでした。

社会民主主義(例:新民主党)、中道(例:自由党)、財政保守主義(例:保守党)の各政党間のイデオロギーの違いは、実際に政府に選出される女性の数を増やすことに比べ、死亡率への影響が小さいと考えられます。

この研究結果は、政府における女性が男性の同僚よりも協調的かつ超党派的に働く傾向があるという考えを裏付けています。

2019年現在も、公衆衛生の第一線の研究者は、ジェンダー政治などの政治的要因が人々の健康に及ぼす潜在的な影響を軽視しがちです。その代わりに、健康の個人的・社会的決定要因にほぼ専ら焦点を当てています。

私たちは、公衆衛生においてジェンダー政治が重要だと考えています。それは、ジェンダー政治が「誰が、何を、いつ、どのように得るのか」を決める一助となるからです。

政府に選出される女性を増やすことは、ジェンダー平等を促進し、民主的な制度を強化するだけでなく、政府支出や人々の健康にも現実的かつ実質的な貢献をもたらすと、私たちは考えています。

政府における女性が人々の健康に望ましい変化をもたらし得ることを踏まえ、女性にとって政治の場を真に公平なものにする方法を考えましょう。

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