在宅勤務は、何らかの障害を抱える13億人にとって困難なものとなっています。
パンデミック中につながりを保つために使われている人気のアプリは、障害のある人を排除してしまう可能性があります。
世界のCEOによるコミュニティであるValuable 500は、障害者インクルージョンの格差の解消に向けて、デジタル技術の開発を推進しています。
その格差に対応するテクノロジー革新のいくつかを紹介します。
世界で何らかの障害を抱える13億人にとって、在宅勤務は特に困難になる場合があります。しかし、テクノロジーは、パンデミック時代の労働環境から一部の人々を締め出すおそれのある障壁の克服に役立っています。
Valuable 500によると、私たちは世界的な障害者インクルージョンの危機に直面しています。Valuable 500は、世界のCEOによるコミュニティで、大手企業に所属し、何らかの障害を抱えて生きる世界人口の17%の人々のインクルージョンの向上に取り組んでいます。世界経済フォーラムが2019年に立ち上げたValuable 500には、35か国で約1,500万人の従業員を抱える400社以上の企業が参加しており、その総収益は5.4兆ドルを超えます。

「障害をめぐる不平等の危機があります。障害のある人は仕事に就く可能性が50%低く、貧困に陥る可能性が50%高いのです。これは政府や慈善団体だけでは解決できず、ビジネスの参画が必要です」と、Valuable 500の創設者であるキャロライン・ケイシーは述べています。
世界経済フォーラムは、障害者インクルージョンの格差を解消するために何をしているのでしょうか?
2020年の調査では、ほぼ10人中7人の労働者が、在宅勤務によるバーンアウトに悩まされていたことがわかりました。在宅勤務は視覚・音声ネットワーク技術に依存しているため、障害のある人にとっては生活がさらに困難になっています。
Valuable 500は、パンデミック中に在宅勤務を行う障害のある人を支えるため、デジタル技術の開発を推進しています。ここでは、そうした障壁の解消に取り組む5つの革新を紹介します。
1. Seeing AI
これはMicrosoftの視覚障害のある人のための人工知能アプリで、スマートフォンのカメラを使って周囲の様子を音声で説明します。知っている人を認識できるほか、その人の外見、表情などの感情状態まで説明することができます。
画面上の画像や紙の文書を読み取ることができ、店舗のバーコードをスキャンして商品の説明を提供することもできます。現在、英語と日本語を含む7言語で利用可能で、TwitterやWhatsAppなどの他のアプリ内の画像も説明します。
2. Google Action Blocks
認知障害のある人のために、Googleは次のようなアイデアを考案しました。よく行う操作を簡単にすることであり、同僚や大切な人に電話をかけるといったことが例に挙げられます。Action Block(文字どおりホーム画面上の画像またはボタン)は、どのAndroidスマートフォンにも設定できます。
Google Assistantの技術を利用し、Action Blockに触れるだけで操作が実行されます。コミュニケーションに困難を抱える人のために、スマートフォンに言葉を発声させることも可能です。このアプリは、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、日本語で利用できます。
3. Zoomの文字起こし
Zoomは、昨年最も急速に成長したバーチャル会議アプリの一つであり、Google HangoutsやMicrosoft Teamsに続き、聴覚障害のあるユーザーがオンライン会議に参加できるよう、リアルタイム字幕機能を導入しました。また、このアプリでは、ユーザーが録画された会議の文字起こしを、会議終了後に入手することもできます。
Zoomは自社の機能に加え、他の文字起こしアプリとの連携も可能にしています。これまでに、Zoomとの利用が承認されたサードパーティの文字起こしアプリは26件です(同社のアプリマーケットプレイスを通じて)。
4. Android Voice Access
Googleは、運動障害のある人々を、音声で操作するAndroidスマートフォンアプリの設計に参加させました。画面に触れずにスマートフォンの機能を使えるようにしたことは、不可欠な第一歩でした。
しかし、障害のある人々からのフィードバックでは、わずか数語で機能を起動できることの重要性が強調されました。これを迅速かつ効果的に実現するため、Googleは「直感的なラベル」と呼ぶ一連の表現を開発しました。ほとんどの人が使いそうなフレーズです。