人工知能は、私たちの未来に性差別を組み込んでしまうかもしれない。それを止めない限り

Women communicate with the humanoid robot Pepper during Riga Comm 2017, a business technology and innovation fair in Riga, Latvia November 9, 2017. REUTERS/Ints Kalnins - RC1E49CBBB70
Studies show that AI and machine learning not only reflect contemporary human biases, but amplify themImage: REUTERS/Ints Kalnins
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5年後には、自動運転車で通勤し、冷蔵庫に食料品を注文させ、教室にロボットがいるかもしれません。しかし、世界経済フォーラムの2017年版「世界男女格差報告書」によると、健康、教育、経済、政治の分野で女性と男性が平等になるまでには、さらに100年かかります。

さらに、経済面での平等は後退しています。職場のジェンダー格差を解消するには、驚くべきことに217年かかる見通しです。

特にテクノロジーをはじめ、多くの分野で世界が大きく前進しているのに、ジェンダー平等に関しては後退しているのはなぜでしょうか。

業界別に見る現状

まず、事実を見てみましょう。下の図は、業界ごとの男女比がどのように異なるか、また人材の供給段階からリーダー層に至るまでどう変化するかを示しています。

この図を見て、いくつか気づくことがあります。

まず、私は図の下位にある業界の一つでキャリアを始めました。エネルギー・鉱業分野の26%の一人でした。公益事業分野の仕事を選び、大いにやりがいを感じていましたが、26歳という若さで昇進の壁にぶつかりました。一緒に働いていたオペレーション担当取締役は、素晴らしい助言をくれました。次の仕事は自分の後任になることだと言われましたが、その機会はすぐには訪れそうになかったため、コンサルティング業界に進出し、国際的な経験を積むべきだと勧められました。

その過程で、才能も意欲もあるのにリーダー職に昇進できなかった多くの女性に出会いました。なぜそうしたことが起きているのか、そしてなぜ悪化しているのかを問い直す必要があります。

次に、これから訪れる未来を考えると、ソフトウェア・ITサービスや金融業界で女性が少ないことは、明るい兆しとは言えません。私たちは、暮らし方や働き方を根本から変える「トランスフォーメーションの時代」の入り口に立っています。テクノロジーと、革新的な事業への資金提供が、その未来を形づくるうえで重要な役割を果たします。

力強く革新的な解決策が切望される時代において、多様なチームが最良の解決策を生み出すことは、証拠によって示されています。あらゆる形のジェンダー平等と多様性を実現するため、私たちはより大きく前進する必要があります。

無意識の偏見――人工知能はそれを私たちの未来に組み込んでしまうのか

無意識の偏見は、職場の多様性を妨げる大きな障壁であることが明らかになっています。特に、ガラスの天井を破ってリーダー職を目指す女性にとって大きな障壁です。真の変化を定着させるには、組織のトップから取り組まなければなりません。

無意識の偏見に積極的に取り組み、多様性を推進する先見性のあるCEOは数多くいますが、さらなる取り組みが必要です。以前、ブラインド採用で無意識の偏見を最小限に抑える方法について書きました。EYはこれを実施し、大きな成果を上げています。手遅れになる前に、こうした取り組みをもっと広く普及させる必要があります。

人工知能(AI)と機械学習の普及に伴い、広く存在する偏見を未来に「焼き付けて」しまう現実的なリスクがあります。

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手遅れになると言うのは、人工知能(AI)と機械学習の普及に伴い、広く存在する偏見を未来に「焼き付けて」しまう現実的なリスクがあるからです。

AIと機械学習は、既存の膨大なデータを基盤としています。画像データベースが女性と家事、男性とスポーツを結び付けている場合、研究によると、画像認識ソフトウェアはそうした偏見を再現するだけでなく、増幅させることが明らかになっています。

音声認識ソフトウェアからも同じ教訓が得られました。15年前、自動車システムの基盤技術が多様性に乏しいデータセットで学習されていたため、女性はシステムをうまく作動させるのに苦労しました。カスタマーサービスに電話したある女性は、諦めて夫に設定してもらうよう告げられました。幸い、近年こうしたシステムは大幅に改善されましたが、今なおジェンダーによる偏見は問題として残っています。

偏見のリスクは、EYのグローバル・イノベーション担当人工知能リーダー、ナイジェル・ダフィーが最近のブログ記事「機械学習がうまくいかないとき」で取り上げています。彼はこう述べています。「学習データは、何らかの偏りを含む形で収集されることがよくあります……利用可能なデータを使いますが、そのデータは適切なのでしょうか。それとも単に安価なだけでしょうか?」

前向きな力としてのテクノロジー

破壊的テクノロジーは、私たちの暮らし方や働き方を変えています。これは前向きな力になり得ると私は考えます。適切に活用すれば、テクノロジーはジェンダー格差の解消に役立つ可能性があります。ただし、現在の偏見や限界を未来に組み込まないことが条件です。

現在の世界の現実と、より平等で公正な社会への願いを、どうすれば両立できるでしょうか。人間とは異なり、アルゴリズムは学習した偏見を意識的に打ち消すことができません。AIが私たちの生活のより多くの側面に浸透するにつれて、リスクは高まります。

人材の採用や昇進における無意識の偏見への対処を学んでいるのと同じように、私たちが共に築く未来を形づくるテクノロジーに偏見が浸透しないようにしなければなりません。そうして初めて、すべての人にとってより良い職場環境をつくることができます。

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