怒りに応える

Local residents and alumni of Yates high school take part in a candlelight vigil honoring George Floyd, whose death in Minneapolis police custody has sparked nationwide protests against racial inequality, on the high school field he played football in Houston, Texas, U.S., June 8, 2020. REUTERS/Adrees Latif - RC2E5H9COPP2
'What sets us apart as humans is the ability to cooperate with each other and form in the process something bigger and greater than ourselves.'Image: REUTERS/Adrees Latif
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ジョージ・フロイド氏の殺害によって生じた怒りは、真の公民権の実現と、米国だけでなく世界各地の社会に深い傷を残す人種差別の終結を求める声を、再び高めた。この憤りの原因である人種差別という弊害に正面から取り組むと同時に、パンデミックによって一層浮き彫りになった根本的な不平等にも向き合う必要がある。

新型コロナウイルスのパンデミックは、さまざまな社会階層がさらされるリスクの度合いに衝撃的な格差があることを明るみに出し、社会的不公正という課題を深刻化させた。ポスト・コロナ時代を形づくり、社会契約を再定義する必要性を優先するために、「グレート・リセット」が求められている。しかし、組織的人種差別に抗議するデモが明確に示すように、このグレート・リセットには社会的、経済的な側面だけでなく、道徳的な側面も含まれなければならない。

米国では、新型コロナウイルス感染症による被害は、アフリカ系米国人のコミュニティ、低所得者、ホームレスなどの脆弱な人々に不釣り合いに大きく及んでいる。ロサンゼルスでは、黒人住民の死亡率は、最も裕福な住民のほぼ3倍に上る。パンデミックが黒人コミュニティにこれほど不釣り合いな影響を与えた事実は、歴史的な人種差別だけでなく、既存の制度的不平等が今も続いていることを反映している。米国では、他の多くの国と同様、人種差別や社会的疎外に直面する人々は、失業や不完全雇用に陥りやすく、劣悪な住居や生活環境に置かれる可能性も高い。その結果、医療へのアクセスが限られ、新型コロナウイルス感染症を特に致命的なものにする既往症にも、より苦しめられている。

指導的責任を担うすべての人々にとって最大の課題は、未来への希望を取り入れた形で危機に対応することだ。将来の社会契約がどのような側面を備えるべきかを考える際には、若い世代の意見を取り入れなければならない。彼らこそ、その契約のもとで生きることになる人々であり、現在、人種差別との闘いの最前線で大きな役割を果たしている世代でもある。彼らはデズモンド・ツツ大主教の言葉を心に刻んでいる。「不正義が行われている状況で中立を保つなら、あなたは抑圧者の側を選んだのです。」

若い世代が支持するかどうかは決定的であり、彼らが何を望んでいるのかをよりよく理解するには、その声に耳を傾ける必要がある。社会契約を再定義するにあたり、若い世代は年長の世代よりも急進的である可能性が高く、この点からも彼らの声を聞くことは一層重要だ。

パンデミックは悲劇的に命を奪っただけでなく、人々の暮らしも一変させた。世界中の一世代が、経済的、そしてしばしば社会的な不安定さによって特徴づけられることになる。深刻な景気後退のさなか、何百万人もの若者が労働市場に参入しようとしている。最も恵まれた若者でさえ、教育ローンを抱える学生が多く、負債を背負って出発することは長期的な影響をもたらす可能性が高い。すでにミレニアル世代は、少なくとも西欧諸国では、所得、資産、富の面で親世代より恵まれていない。親世代と比べて、住宅を所有したり、子どもを持ったりする可能性も低い。

いま、別の世代、すなわちZ世代が、自らは機能不全に陥っていると見る制度に加わろうとしている。その制度は長年の問題を抱え、パンデミックによってさらに悪化するだろう。ある若い学生が「ニューヨーク・タイムズ」に語ったように、「若者は抜本的な変化を強く望んでいます。目の前に続く道が壊れていると分かっているからです」。

この状況で世界が取り得る最悪の対応は、さらなる分断、視野の狭い思考、単純な解決策の追求である。そうした状況は、噂や誤情報、憎悪が広がる土壌となる。新型コロナウイルスのパンデミックは、世界が深く相互につながっている一方、国家間、そしてしばしば国内においてさえ、連帯が大きく欠けていることを疑いようもなく示した。外出制限の期間を通じて、利他的行動や連帯の顕著な例が見られた一方、利己的な行動という反例もあった。世界規模では、相互扶助という美徳も著しく欠如していた。

人類を他の存在と分けるのは、互いに協力し、その過程で自分たちより大きく優れたものを形づくる能力だという人類学的な証拠があるにもかかわらず、こうした状況が生じている。人種差別や不正義への抗議、そして黒人の命も大切だという認識に、その力強い表れを見ることができる。新型コロナウイルス感染症は、私たちに生来備わる共感と協働の意識を呼び覚まし、より大きな連帯へと促すだろうか。過去のパンデミックの例は希望を抱かせるものではない。しかし今回は根本的な違いがある。より大きな協力なしには、私たちが共に直面する世界的課題に対処できないことを、私たち全員が集団として認識しているのだ。

要するに、世界の状況を改善する希望があるとすれば、それは社会の一部に深刻な誤りがあるという道徳的認識にある。人類の尊厳と多様性を尊重する開かれた対話を通じて、政治、経済、社会の各制度を根本からリセットすることが、その対応となる。

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