多くの企業が、ジェンダーの多様性に対応するために割り当て制を導入してきた。
企業は入社レベルでは多様性が高まっているが、企業ヒエラルキーの上位でもそれを維持するための取り組みが必要だ。
企業文化を変えずにジェンダーの多様性を実現することは、結局のところ不可能だ。
人員配置とリーダーシップの変更によって、貴社の営業成績を55%向上させ、自己資本利益率を35%向上させられるとしたらどうだろうか?
取締役会および管理職におけるジェンダーの多様性を高めると、そのような結果がもたらされることを、最近の2つの研究が結論づけている。
他の研究では若干異なる数値が示されているものの、企業のリーダーシップにおけるジェンダーの多様性は、正しいことであるだけでなく、ビジネスにとっても有益であるという明白な結論が得られている。問題は多様性の向上に取り組むかどうかではなく、どのように取り組むかである。
多くの欧州諸国が、企業の取締役会における女性の代表権について、拘束力のある割り当て制または努力目標を導入してきた。カリフォルニア州もこれに続き、他の州でも関連法案が審議中である。下のグラフが示すように、割り当て制は取締役会の多様性を向上させてきたが、そうした割り当ては下限ではなく上限になってしまう危険性がある。しかし、取締役会の多様性の向上は上級管理職には波及しておらず、そこでは数値目標を課すことが明らかに難しい。
割り当て制は取締役会における女性の代表権を高める手っ取り早い方法かもしれないが、そもそも多くの女性が企業ヒエラルキーを上がることを妨げている障壁を取り除く効果はそれ自体にはない。より広範で包括的な取り組みが必要とされている。
ほとんど注目されることなく、米国下院の共和党と民主党は最近、より良い取り組みがどのようなものかを示した。下院は、超党派の法案を可決したが、これは産業界の支持を得ており、取締役会および執行役員の多様性の情報開示に焦点を当てている。この法律はまた、より大きな多様性を実現するためのベストプラクティスの策定も求めている。要するに、これは投入(インプット)に焦点を当てた取り組みであり、説明責任を促すために成果を開示するものである。
この法律はまだ成立しておらず、研究も今後実施される段階だが、このような取り組みは、企業のリーダーシップが上級管理職および取締役の人材パイプラインの多様性に注目するのに役立つ。理想的には、これは新規採用から始まり、最高経営責任者(CEO)の選任に至るまで、企業全体を対象とすべきである。
マッキンゼーによる最近の研究では、ジュニア・アソシエイトから取締役会に至るまでの7つの役職について、法律事務所内の人材パイプラインが調査された。ジュニア、ミドル、シニアのアソシエイトレベルで達成された多様性は、次の2段階、すなわちノンエクイティ・パートナーと、カウンセルおよびエクイティ・パートナーにおいて大幅に低下した。他の業界でも同様の傾向が見られる。組織の中間層で女性人材のパイプラインが細くなると、C-suite(経営幹部層)や、最終的には企業の取締役会に昇進できる女性が少なくなる。
組織の上層部でより大きな多様性を実現するため、企業は次の問いに答える必要がある。
1. 当社は最初に多様な人材を採用しているか?
2. 当社の当初の多様性は、昇進の過程のどこかで損なわれていないか? もし損なわれているなら、その理由は何か?
大学卒業者に占める女性の割合が増加したことと、具体的な採用目標が相まって、多くの企業が入社レベルでより多様な人材を確保できるようになった。企業が新規採用で多様性を達成した後は、それを維持することが重要である。その重要な要素の一つが、従業員への支援と福利厚生である。
近年、有給の育児休暇を提供する米国企業の数は増加しているものの、その割合はいまだ40%にとどまっている。従業員の観点から見るとさらに厳しく、民間労働力のわずか17%しか有給の家族休暇を利用できない。有給休暇の利用可能性を広げることは、特に女性がその職務やキャリアの道筋にとどまれるようにするための重要な一歩である。しかし、適切な方針を導入するだけでは格差は解消されない。上級幹部は、男性と女性の双方が家族休暇制度を利用することを受け入れる環境を作らなければならず、その利用は上級レベルで後押しされる必要がある。そうでなければ、女性が制度を利用した場合に、将来のキャリアアップを犠牲にしかねない。
たとえ企業のリーダーシップが有給休暇制度について完璧に対応したとしても、将来の昇進が職場での「顔出し」などの要素に基づいて行われるのであれば、それは勤務時間が同じでも、職場外で柔軟に働く必要がある母親を不利に扱う可能性が高い。同様に、転勤や海外勤務など、昇進の検討時によく考慮される他の要素も、女性に不釣り合いな影響を与えかねない。
課題は、福利厚生や昇進に関する公式の方針を超えて、企業文化にまで及ぶ。効果的な経営には、協調性と信頼が不可欠である。貴社ではそれがどのように築かれているか? それが、いわゆる「ハッピーアワー」での人脈づくりを通じて築かれているなら、それが女性に不利に働くことは明らかである。しかし、女性の昇進を目的として設計された制度が、意図せず女性を孤立させ、成功に不可欠な幅広い社内人脈の形成を妨げる可能性も同様にある。
企業文化は、どの組織においても最も正しく構築することが難しいものの一つである。ある企業で有効な戦略が、別の企業では有効でないこともあるが、企業文化を適切に構築しなければ、ジェンダーの多様性を高めることはほぼ不可能である。最終的に、強固な企業文化は、個々の従業員の強みと才能を認め、全員が最大限の貢献と成果を発揮できるようにし、企業と従業員にとっての「ウィン・ウィン」を生み出す。
最終的に、リーダーシップにおけるジェンダーの多様性を高めるためには、企業のリーダーシップは人材パイプライン全体に注力し、各段階で問題が異なる可能性があることを認識しなければならない。このアプローチは割り当て制という手っ取り早い解決策よりも難しいが、多様性の推進と事業業績の向上の双方において、成功につながる可能性が高いことは疑いの余地がない。
