国際女性月間と3月8日の女性デーを迎えるにあたり、並外れた困難に挑むことを選んだ女性たちをたたえます。
世界中の私や多くの人々に影響を与えている、心を揺さぶる若き女性リーダー6人を紹介します。
国際女性月間は、女性と少女たちの社会、経済、政治、文化、科学における功績をたたえる月です。世界経済フォーラムのコミュニティであるヤング・グローバル・リーダーズとグローバル・シェイパーズで活動するなかで、私はネットワークにいる素晴らしい女性たちから日々刺激を受けています。公平で持続可能な食料システムを求め、発展途上国でメンタルヘルスへの偏見をなくし、脆弱な地域社会でパンデミックの拡大を抑え、ファストファッションの影響への認識を高める若き女性リーダーたち、そしてあらゆる逆境を乗り越えてきた市民参加のリーダーです。
世界中の私や多くの人々に影響を与えている、心を揺さぶる若き女性リーダー6人を紹介します。
ネーマ・カセジェ博士、国境なき医師団(MSF)外科医、Surgical Systems Research Group創設者、ヤング・グローバル・リーダー

ネーマ・カセジェ博士は、ケニアのシアヤで最前線に立つ外科医として、新型コロナウイルス感染症のパンデミック抑制に取り組むとともに、この地域の若者に公平な機会を提供しています。パンデミックのさなか、感染者数の格差を縮めるには、病院と地域の医療従事者の双方に十分な研修と能力開発が必要だと気づきました。包括的なアプローチを通じて、博士の組織は医療従事者1,300人を訓練し、軽症から重症までの新型コロナ患者を支援しました。テクノロジーを活用して業務をデジタル化し、リアルタイムのデータを得ることで、情報に基づく政策決定と、パンデミックを抑えるための迅速な対応が可能になりました。シアヤでは、パンデミックの影響を若者、とりわけ少女たちが最も強く受けました。学校の休校に伴い、博士は10代の妊娠が増えていることに気づきました。800人の少女たちが自らの可能性を実現できるよう、リーダーシップとメンタリングのグループ網を築き、購入が難しい生理用ナプキンなどの必需品も提供しました。これまでに少女たちの99%が学校に戻り、博士が様子を確認した400人については、妊娠の報告はありません。私はこの1年間、博士の活動を紹介する機会に恵まれましたが、そのたびに博士の粘り強さに感嘆しています。外科医として、博士は世界の恵まれた地域で暮らすこともできたでしょう。しかし、より大きな影響をもたらす道を選びました。「自分にとって居心地のよい場所では、影響を与えるのは難しい」と博士は私に語りました。「最も必要としている人々のために、限界を押し広げてください。」
ラクスミ・ラガレス、オークランド・ハブ創設キュレーター、A Better Way最高開発責任者

カリフォルニア州イーストオークランドで生まれ育ったラクスミ・ラガレスは、置かれた状況や障壁、抑圧にかかわらず、人々が自らの可能性を実現できるよう支援することに生きがいを見いだしました。父親と兄弟を殺人とギャングの暴力で亡くし、若い頃から逆境に直面しました。里親のもとで暮らしたラクスミは、制度の中にいる子どもや10代の若者が直面する不平等と機会の不足を目の当たりにしました。若くして市民リーダーシップに触れた彼女は、思いやり、誠実さ、偽りのなさをもって率い、恵まれない人々に奉仕することを人生の使命にしました。シングルマザーとして、リーダーシップにまつわる固定観念にもとらわれない道を切り開いてきました。ラクスミはグローバル・シェイパーズ・オークランド・ハブを2018年に創設し、子どもと家族がよりよい未来に向けて社会的・経済的な幸福を築けるよう、知見やスキルを身につける支援を行う団体A Better Wayの最高開発責任者を務めています。オークランドからわずか40分の場所で育ったベイエリア出身者として、ラクスミと私のような有色人種の女性2人の間にある機会の差について、よく考えます。あらゆる逆境を乗り越えてきた彼女の姿は称賛に値し、その優雅さと強さに、私はいつも励まされています。
グンヒル・ストルダーレン博士、EAT財団創設者兼理事長、ヤング・グローバル・リーダー

ノルウェー人の医師で環境活動家でもあるグンヒル・ストルダーレンは、世界の食料システムの変革に取り組んでいます。2020年、国連から指名され、2021年の国連食料システムサミットで主導的な役割を担い、持続可能な消費パターンへの移行に向けた解決策を見いだすことになりました。気候変動を引き起こす要因の一つが肉類、とりわけ赤身肉です。グンヒルと彼女の組織EATは、食べ方を変えるだけでなく、食品廃棄の解決策を見つける役割も担っています。この取り組みを始める前に、グンヒルはEAT-Lancet報告書を立ち上げました。その主旨は、成長する人口に栄養価の高い食料を供給しながら、地球を守ることは可能だというシンプルなもので、世界のメディア各社で広く取り上げられました。パンデミックを機に、私は食品の買い方が持続可能ではないと気づきました。持続可能な食料システムに向けたグンヒルの取り組みから、自分自身のカーボンフットプリントについて多くを学びました。「第2の地球」はありません。食べ物の消費や廃棄のあり方を変えるというグンヒルの使命は容易ではありませんが、その献身は称賛に値し、たたえられるべきです。
ビビ・ラ・ルス・ゴンザレス、グローバル・シェイパー、グアテマラシティ・ハブ、Eat Better Wa’ik創設者兼ディレクター

ビビ・ラ・ルス・ゴンザレスは、食料安全保障、気候の持続可能性、人権を結びつけています。2020年、ビビと彼女の組織Eat Better Wa’ikは、農村部と都市部のすべての地域社会に、健康的で栄養価の高い食品バスケットを届けた活動が評価され、グアテマラのパンデミック・ヒーローに選ばれました。このキャンペーンは小規模・中規模の家族経営農場を支援し、食品とプラスチックの廃棄削減にも貢献しました。Eat Better Wa’ikは、教育、手本を示すこと、起業家育成プログラムなど、さまざまな形で食への意識を高め、創意工夫と包摂を通じて栄養不良の削減に取り組んでいます。地域の人々を雇用し、組織は2020年に6倍の規模に成長しました。現在は、気候と人権に配慮して活動する起業家を拡大する協働プログラムを立ち上げています。カーボンフットプリントを減らしながら、生活できる水準の賃金を実現することを目指しています。教育プログラムやワークショップを通じ、Eat Better Wa’ikは中米と北米で8,000人を超える学生に働きかけ、学校がより健康的で持続可能な食事へ切り替えるよう促してきました。
アンジュラ・ミャ・シン・バイス博士、アムネスティ・インターナショナル理事、ヤング・グローバル・リーダー

アンジュラ・ミャ・シン・バイス博士は、国際的に活動する心理的トラウマの専門家で、アムネスティ・インターナショナル国際理事会の理事です。世界保健機関が新型コロナウイルス感染症をパンデミックと認定する前に、博士は取り組みの方向を変え、前例のない状況を乗り切る助けとなるオンラインの心理社会的支援資料を提供しました。世界各地でロックダウンが始まった頃、初期のYGLオンラインセッションの一つで、博士はパンデミックによって深刻化しかねないメンタルヘルス危機への対応に役立つ実践例やツールを紹介しました。毎日の散歩、家族や友人との連絡、自分をまず大切にすることなどのツールは、隔離生活の大きな負担に対処する助けとなりました。さらに博士は、インドネシアの地方病院に個人用防護具を1,200点以上と人工呼吸器5台を手配し、マレーシアの最前線で働く医療従事者には無料のセラピーを提供しました。博士は、つらいときにつらいと認めてもよいこと、そしてメンタルヘルスは現実の問題であり、周囲の人々の思いやりと共感を必要とすることを私たちに伝えてくれました。
ラーシ・サクセナ、グローバル・シェイパー、バンガロール・ハブ、Gapminder Foundationコンサルタント

インターネットガバナンスの分野で活動する社会イノベーションの実践者で、コミュニティ形成にも取り組むラーシ・サクセナは、Mozillaの2020年版インターネット健全性年次報告書で紹介され、Threading Changeの理事も務めています。同団体は、持続可能で倫理的なファッションの実践に取り組む、若者主導の国際組織です。彼女はShaping FashionとM.A.S.Kプロジェクトにも参加しています。いずれもグローバル・シェイパーズ・コミュニティが主導し、ファッション業界の持続可能な変革の拡大に取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けてインドがロックダウンに入ると、衣料品・繊維工場は閉鎖されました。その結果、工場労働者の失業と経済的困窮が増える一方、売れ残った商品はサプライチェーンと気候の双方に大きな損害を与えました。新型コロナの影響は、ファッション業界に必要な制度的・構造的変革を浮き彫りにしました。経済的な負担を和らげるため、チームは持続可能なコットンマスクを製作し、衣料品労働者に意義ある仕事を提供しました。これまでに9,000枚を超えるマスクを製造し、衣料品労働者100人を雇用しています。ラーシの持続可能なファッションへの取り組みに刺激を受け、服をどこで買うかをよく考え、より意識的で持続可能な暮らしを送るための実践を取り入れるようになりました。
何千人ものコミュニティにいる6人の女性
ここで紹介したのは、何千人もの人々が集うコミュニティの中の6人にすぎません。彼女たちの物語と活動は、人々を大いに鼓舞し、力づけています。国際女性月間と3月8日の女性デーを迎えるにあたり、公平で健康的かつ持続可能な世界のために、並外れた困難に挑むことを選んだこうした女性たちをたたえましょう。
