なぜジェンダー平等は法改正から始まるのか

Iranian women walk on the sidewalk at Valiasr square in the center of Tehran, Iran, August 2, 2017. Nazanin Tabatabaee Yazdi/TIMA via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY.
In 18 countries men are legally allowed to block their wives from working.Image: Reuters/Nazanin Tabatabaee Yazdi/TIMA
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2年前、皆さんにお伝えしました。ジェンダー平等は経済成長に欠かせない要素です。女性の労働参加を促す、あるいは妨げる法律がもたらす影響についてお話ししました。それが、2016年版の『女性・ビジネス・法律』でした。これは、女性の経済参加を妨げる障壁を特定し、ジェンダー平等に向けた進展を長期的に追跡する世界銀行グループの刊行物です。女性の権利をめぐる運動が大きな節目を迎える今年、報告書が『女性・ビジネス・法律 2018』として再び発表されます。

過去30年間で、女性の労働参加率は世界全体で52%から49%に低下しました。男性は75%です。女性がフルタイムの仕事に就く可能性は、男性の半分であり、就職できた女性も男性と比べて最大3分の1少ない賃金しか得られないことがあります。女性はしばしば、就職や起業を妨げる法的制約に直面します。第5版となる『女性・ビジネス・法律』は、法律が働く女性だけでなく社会全体にもたらす変化を理解するという取り組みをさらに進めています。

Image: 『女性・ビジネス・法律 2018』

本報告書は対象を189カ国に拡大し、初めて法律の7分野で各国を採点しました。スコアは、改革を実施し、女性の経済的な見通しを改善できる分野を明らかにしています。測定対象のすべての分野で英国、ニュージーランド、スペインは上位20カ国に入っていますが、すべての分野で満点を取った国はありません。先入観にかかわらず、どこにでも改善の余地があることを示しています。

スコアからは、今なお広く残る法的障壁も分かります。たとえば18カ国では、夫が妻の就労を法的に禁じることが認められています。就労に許可を求めたり、家族にとって最善だと夫が判断した場合に妻を解雇できたりする制度は、女性の自律性を損ない、男女双方に対する固定観念に基づく行動を強化します。実際、『女性・ビジネス・法律』の対象国の3分の1以上では、何らかの形で女性の自律性や移動の自由が制限されています。最も一般的な制限はパスポートの申請に関するものです。37カ国では、女性は男性と同じ方法でパスポートを取得または更新できません。この制限によって、イラン女子サッカーチームの主将ニルファル・アルダランは、選手権の試合に出場できませんでした。妻が国外に出るのを阻止する権利を主張し、夫はパスポートの更新を認める書類への署名を拒否しました。

女性とその生殖機能を守ろうとする意図に端を発する、このような障害は広く存在します。たとえば米国では、ミュラー対オレゴン州事件(1908年)が、女性の母性というジェンダー役割を維持する先例となりました。最高裁判所は女性の契約上の自由の一部を取り消し、女性は男性に依存すべきだという考えを確固たるものにしました。その結果、有給労働の「危険」から女性を守るとうたう法律が制定されました。こうした法律は最終的に米国で廃止されたり、違憲と判断されたりしましたが、世界各地域の104カ国では今も、女性が特定の仕事に就くことを禁じる法律があります。アルゼンチンでは、女性はガラス磨きの仕事に就けません。ベラルーシの女性は、乗客定員が14人を超えるバスを運転できません。ギニアでは、女性が特定の種類のハンマーを使って働くことが禁じられています。労働法にこうした不平等がある場所では、働く女性が少なく、男性に比べて賃金も低くなります。

しかし、より多くの女性が働けば経済はより速く成長します。政府がこの成長を生かすには、こうした障害を取り除くだけでなく、女性の労働市場への参入も促さなければなりません。その一つが、職場でのセクシュアルハラスメントを禁止することです。権力の著しい乱用であるセクシュアルハラスメントは、女性の経済的自立やキャリアの見通しを損なうおそれがあります。しかし、59カ国ではこの問題に対処する法律がまだ制定されていません。これは残念なことです。なぜなら、『女性・ビジネス・法律』によると、職場のセクシュアルハラスメントを禁じる法律がある国では、女性が企業の過半数の株式を保有する可能性が高いからです。こうした法律を制定する政府は、経済成長に直接投資していると言えます。女性が所有する企業は、男性が所有する企業より成長が速いためです。何百万人もの女性が#Metooのハッシュタグを使ってセクシュアルハラスメントの経験を共有するなか、こうした法律の施行に向けた新たな決意が生まれる可能性があります。

これらの調査結果から進展が遅いように見えても、政府は女性の雇用や起業が持続可能な成長を促す方法に注目しています。『女性・ビジネス・法律』は、前回の報告書の発表以来、65カ国でジェンダー平等に向けた87件の改革を記録しました。世界各地の国々が、職業上の制限を撤廃し、融資へのアクセスにおける差別を禁止し、法的支援を提供し、保育サービスを支援しています。こうした変化をはじめ、数多くの取り組みが、あらゆる地域で働く女性を取り巻く法制度を形づくり、男女間の格差を縮め、世界社会に恩恵をもたらしています。

『女性・ビジネス・法律 2018』が明確に示しているのは、法律が現場で起きることに影響を与えるという点です。スコアの高い国では、女性の従業員や起業家が多く、社会が平等に近づけば経済の回復力が高まることが分かります。『女性・ビジネス・法律』は、残された課題を強調し、そこに至るための政策議論に情報を提供することに取り組んでいます。進歩を推進し、変化を生み出す力強い担い手として、女性が果たす独自の役割を認識しなければなりません。女性と男性が完全かつ平等に参加すれば、あらゆる国、地域社会、経済がその可能性を実現できます。

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