都市への移住により、南アフリカでは約40万人が貧困から脱した

Durban's skyline on the beach front, October 31, 2009. Durban is one of nine South African cities hosting the 2010 Fifa Soccer World Cup. REUTERS/Rogan Ward (SOUTH AFRICA SPORT SOCCER)
In South Africa citizens are able to get out of poverty by moving to the city and getting on the job ladder.Image: REUTERS/Rogan Ward
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都市への移住は、激動の時代にあっても、多くの南アフリカ人が極度の貧困から抜け出す助けとなってきた。これは、私たちの分析に基づく、注目すべき結果である。この分析は、全国所得動態調査に基づいている。同調査は、代表性のある3万人のサンプルの動向を2年ごとに追跡している。

サンプルの結果を全体に当てはめると、2008年から2014年の間に、農村部から都市部へ移り住んだことで、約38万5,000人が貧困ラインを上回ったと推定される。彼らは就業への足掛かりを得て、暮らし向きが改善した。

過去10年間の経済が低迷していたことを考えると、この発見はなおさら意外である。私たちの研究は、積極的な都市政策によって状況をさらに改善できる可能性を示唆している。

これは、貧困と不平等を減らすための、実践的で異論の少ない方法である。人々が自ら住む場所を移し、都市へ移住することで暮らしを向上させようとする自発的な努力を認識し、それに応えることを意味する。

私たちの研究は、都市化が人々の暮らしに好影響を与えるという世界各地の証拠を裏付けている。中国はその最たる例であり、30年間の都市化を通じて5億人が貧困から脱した。

多面的な恩恵

南アフリカでは、上向きの社会移動が他国と比べて一般に非常に限られていることが知られている。農村部の多くの地域や都市のタウンシップでは、黒人アフリカ人が過去20年間、所得や幸福度の向上に苦しんできた。これは、根強い社会的・空間的な分断に、労働市場の停滞や教育制度の継続的な機能不全が重なった結果である。

貧困世帯が都市の機会を得るために農村部から移り住むには、大きな障壁がある。長距離移動にかかる費用もその一つだ。安全で安心でき、手頃な価格の住まいを見つけることも難しい。技能の低い人々が直面する長い求職者の列は気が遠くなるほどで、さらに、既に人脈を築いている都市住民との激しい競争もある。

それでも、私たちの結果によると、都市への移住という賭けに出た人の大半は、就職の糸口をつかむことに成功した。臨時雇用や低賃金の仕事もあったが、農村部で失業し困窮するよりはましだった。

この証拠は、最近の別の研究によっても裏付けられている。その研究では、世帯人数の減少や社会扶助給付へのアクセス獲得など、検討したさまざまな出来事のうち、移住が生活向上の最大のきっかけであることが分かった。

都市化には、さらに経済的な利点もある。家族からの送金による所得の流入は、困窮する農村コミュニティに恩恵をもたらすが、所得を生み出す人が地域を離れることによる損失で相殺される。一方、経済全体も恩恵を受ける。都市化は生産性を高め、創造性を促し、経済発展を強化するからだ。また、公共サービスの提供効率も高まる。

Image: 国連ハビタット

費用のかさむ二重生活

都市化が人々にとって有益な力であることは、十分に理解されていない。例えば、政府関係者の間では、移住に対する現在の姿勢は両義的である。また、既存の都市住民は、交通渋滞や犯罪、公共サービスへの負荷が増すことを懸念し、新たな居住地の出現に反対する傾向がある。政府も、移住の過程を円滑にし、リスクを減らすためにできることを十分に行っていない。

その結果、多くの移住者は都市での暮らしに完全には踏み切らないようだ。彼らは二重の暮らしを続けているように見える。つまり、都市と農村の双方で暮らすような状態だ。余裕資金を農村部の住宅や家畜に投じることで、農村での出自やアイデンティティとのつながりを保っている。また、多くの人が子どもや高齢の親族を農村部に残し、世帯が分かれ、家族生活に支障が生じている。

都市部と農村部の双方に足場を置くことは、多くの点で望ましくない状況に思われるが、費用と便益を分析するには、さらなる研究が必要だ。人々の生活費を押し上げ、都市と農村の心理的な隔たりを固定化しているようだ。

その起源は、植民地時代とアパルトヘイト時代の強制的な移民労働制度にさかのぼる。男性が一時的に都市部へ移動することを前提とした、反社会的な慣習も伴っている。その結果、苦難と家族の崩壊を招きかねない。

都市は比較的複雑な社会環境であり、人々は煩雑な規制に直面し、他の地域よりも住宅費や交通費を多く負担する。また、都市は住みにくい場所にもなっており、多くの移住者が必要不可欠なサービスを受けられないまま、不安定で過密な環境で暮らすことを余儀なくされている。つまり、不安に満ちた暮らしである。人々がより良い未来への希望を別の場所に託すのも無理はない。

南アフリカの都市住民のかなりの割合が、所得の一部を農村部の故郷へ送金するために働いている。本来なら都市の居住地に投じられたはずの資金が故郷へ送られることで、地域の雇用、小規模事業、活気あるコミュニティの創出が妨げられている。

今後の道筋

南アフリカ政府は、移住世帯が都市に定住し、働き、投資しやすい環境を整えるよう努めるべきである。新たに移り住む人々を受け入れ、地域に溶け込めるよう、地方、州、国の各政府が一層連携して取り組む必要がある。そうすることで、時間の経過とともに幸福度や人生の可能性を着実に高められる。

世帯、企業、政府の支出判断をより緊密に連携させることも不可欠だ。連携すれば繁栄と社会の進歩を促せるのに、投資が各地に分散してしまうのは理にかなわない。

投資を連携させれば、互いを補強し合い、家族や企業により大きな価値と相乗効果をもたらすとともに、他の資源も呼び込み、より生産的で持続可能なコミュニティの構築につながる。

さまざまな分野がより効果的に連携し、先を見越して都市の成長に備える必要がある。人々が暮らすための公有地を提供し、適切なインフラや公共施設に投資して、より暮らしやすく、包摂的で、活力ある場所をつくるべきだ。そのためには、インフォーマル居住地や裏庭の小屋の改善を加速させるため、さまざまな官僚的手続きや煩雑な規制を簡素化することも求められる。

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